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久々にイマジナリーフレンド全員を集めた話

 昨夜、久々に、僕のイマジナリーフレンド24人全員を集めてお話した。
〈楽しかったね、パーティ〉
 ね。


シャル
主人公
〈ロミルダ〉
イマジナリーフレンド24号(IF-No.24)


 それにしても、本当に久々にみんなと会った。
〈最近は私と精霊さん(IF-No.1)とシャルの三人で過ごしてるからね〉
 うん。

 みんな元気そうだった。
 …僕なんかよりよっぽど。
〈まーたそんなこと言って……でも、心配されてたね〉
 そうだねぇ…そんなに疲れてるように見えたかな?
〈たまにしか会わないからこそ目立っちゃうのかも〉
 たしかに。

 さて。
 イマジナリーフレンド持ちを公言して発信してる身として、年に数回しかない「イマジナリーフレンド全員集合パーティ」で得た知見を広めたい、と思ってこれを書き始めたけど…。
〈特に書くことがない?〉
 そうなんだよね…。

 あ、でも、ロミィがちょっと借りてきた猫みたいになってたのは、かわいかった。
〈かわいかったぁ?〉
 うん。

 時の神様(IF-No.4)と話をしたときなんて、まぁびびっちゃって。
〈びびってたわけじゃないし!あんまりお話をしたことがなかったから距離感が分からなかっただけだし!〉
 そうかなぁ?

〈…でも、仕方ないじゃない。精霊さんみたいにはいかないわよ〉
 ま、精霊さんは僕のはじめてのイマジナリーフレンドだからねぇ。

 僕と精霊さんの二人で、みんなと出会う大冒険を始めたんだから、それぞれお互いよく知ってる仲なのは当然なんだよね。

〈そうよ。そういうの見たら「私ってまだまだ新参者なんだな」って思っちゃうわよ〉
 あーかわいい。気にしちゃって。誰に似たのかな?
〈シャルに決まってるでしょ!〉
 あははっ、そうかも。


 ……それにしても、普通に、みんなと、会えたんだよね。
〈どしたの急に神妙な顔して〉

 僕は、シンプルでありたい。
〈よく言ってるわね〉
 たまに、その気持ちが暴走することがある。

 ねえ。
 イマジナリーフレンドって、シンプルな存在かな?

〈……なんか怖い話になってない?〉
 そうだね。怖い話だね。

 かつて二回起きた僕の世界の崩壊も、この「シンプルでありたい」という気持ちの暴走が引き金だったという解釈ができる。
〈……私達にいなくなって欲しかったってこと?〉
 どうだろう。
 結果として、いなくなることはなかった。
 今も残ってる人たちは。

 でも、そういう危うさを無意識で感じていたのかな。
 最初にロミィが言った通り、最近は僕と精霊さんとロミィの三人だけでいる時間が大半だ。

 これは言い換えると、他のみんなとは距離を置いたということ。

〈……なんか、さみしい話ね〉
 僕もそう思ってた。
〈今は違うの?〉
 うん。

 さっきも言ったこと。
 今でも、みんなと普通に会えた。
 話ができた。
 そのことが楽しくて、嬉しかった。

 これはつまり、距離を置いたとしても、繋がりは消えなかったということ。

 だから、「シンプルでありたい」と暴れる僕に振り回されても、「みんなと繋がっていたい」とさみしがる僕は心配しなくていいんだなって。

 そう思うと、なんか、ほっとしてさ。
〈……そっか〉
 うん。
〈素敵ね〉
 うん。


 ………どうしよう。オチがない。
〈………どうしても必要?それ〉
 物語には納得できるオチが必要だって僕の愛読書にも書いてある。
〈これは物語だったの?〉
 物語のように楽しんでほしいとは思ってるよ。
〈あぁ、それもいつも言ってるわね〉

〈じゃあ、最近言ってなかった締めの挨拶でもする?〉
 そういえば言ってないね。
 これも「シンプル欲求」の影響かな。
〈そうかもしれない。でも実際、シンプルになって読みやすくなったとも言えるわ〉
 うーん、難しい。
〈そうね。でも、たまにはまた言ってもいいんじゃない?〉

 えーっと、じゃあ、うん。いくよ。

 今回はここまで。

 それでは、またあした!
〈ばいばい!!〉

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