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子育て財源、早くも綻び 介護2割負担の拡大先送り

政府の少子化対策の拡充策は早くも財源面での手当てに綻びが見え始めている。
児童手当の増額や保育所の機能強化などに多額の予算をあてる方針だが、医療や介護といった既存の施策の絞り込みは進まず、財源の確保が懸念される。
11日に開いた政府のこども未来戦略会議で、「こども未来戦略」案を提示した。
2024年度からの3年間で国・地方あわせて新たに年3.6兆円規模の予算をあてる
与党との調整を経て、月内に閣議決定する。
6月に決定した「こども未来戦略方針」をベースに、子ども3人以上世帯への支援強化などを追加した。
3.6兆円の施策の大枠は、児童手当の拡充といった経済支援に1.7兆円程度、親の就労状況を問わず利用できる「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設など保育やサービスの充実に1.3兆円程度育児休業給付の増額を柱とする共働き・共育ての後押しに0.6兆円程度とした。
児童手当の充実は所得制限を撤廃し、高校生まで支給を延ばす
0〜2歳は月1万5000円、3歳〜高校生は1万円を給付する。
第3子以降は年上の兄弟の年齢に応じて増額し、第3子の場合は第1子が22歳の年度末を超えるまでは月3万円に上げる
法改正の後、24年10月分からの拡充をめざす。
25年度からは所得制限なく、子ども3人以上を扶養している世帯の大学や高専、短大、専門学校の入学金や授業料を無償にする。
大学の場合、国公立は1人あたり年54万円、私立は年70万円を上限に授業料を補助する。
第1・2子が社会人なら対象外とする。

必要な財源は、
①医療や介護といった社会保障の歳出改革
②子ども・子育て拠出金や雇用保険料など既存予算の活用
③医療保険料に上乗せして集める「支援金制度」
を想定する。

歳出改革は医療や介護の現行制度の見直しで公費の伸びを抑制し、28年度までに年1.1兆円を捻出する。
支援金に関しては、26年度から上乗せし、徴収を始める。
集める金額は28年度にかけて段階的に年1兆円まで引き上げる
28年度までの財源の不足分は「こども・子育て特例公債」でまかなう。
政府は少子化対策を全世代で支える構図を打ち出し、医療や介護の歳出改革では高齢者向けの政策についても絞り込みを進めようとしている。
政府が5日に示した歳出改革の工程案では、サービス利用の自己負担が原則1割の介護保険について、一定の年収があるため2割負担に引き上げている人を24年度中に増やすとした。
だが、直後の7日に厚生労働省は実施が早くても25年8月になると説明し、早くも先送りする方針を示した。
厚労省は2割負担の対象を単身世帯で年収200万円以上にまで広げた場合、年740億円の給付削減効果があると試算していた。
高齢化で膨らむ社会保障費の抑制はこれまで医薬品の公定価格の薬価を引き下げることで実現している面が大きかった。
22年度予算では高齢化などで自然に増える国費を2200億円抑え込んだ。
このうち1600億円ほどは薬価の引き下げによるものだった。
24年度は1000億円ほどに縮まる。
21年度からは薬価を毎年度改定する仕組みに替え、抑制を強化してきた。
ただ、財源の捻出を薬価に依存するのは限界に近づきつつある。
厚労省の23年度調査で市場での取引価格と公定価格の薬価との差は平均で6%と過去30年で最も低い水準となった。
切り込みの余地は小さくなっており、他の選択肢を探らなければならない。歳出改革の工程案では高額療養費制度の患者負担の上限額引き上げや、金融資産・所得も加味した医療・介護の負担増なども検討課題にあげた。
少子化対策の強化には財源確保の議論も加速させる必要がある。

となるともちろん、働く世代の税負担がかなり大きくなるが、政府がやっている政策は、ただ資金の行って来いをしているだけで、根本的な解決にはなっていないのが、現状であるように感じるばかりです。
そうなれば、社会保障制度の活用が不可欠になるが、政府の財政が厳しくなればなるほど、この社会保障制度の縮小や廃止となってくるので、早めのご利用をおススメします。


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