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卒業

今日、大学というものを卒業した。

卒業式のない卒業。なんだか少し変な感じ。

大学で過ごした5年間はあっという間だった気もするし、それなりに長かった気もする。

誰かと反目したこともあるし、誰かと笑ったこともある。今は昔で、通り過ぎた人たちも多いけれど。

1年間休学して、留学もした。人付き合いは好かないが、それでも向こうで多くの人と出会った。
それから2年が経って、彼らも名もなき存在に成れ果ててしまった。他の人たちのように。

否、自分の手でそうしてきたのかもしれない。望むと望まざるとにかかわらず。これが僕の性分だし、きっとそういう生き方しかできない。
勿論、しようと思えば別の生き方もできるだろう。けれどそれはどこかに歪みを伴う。理屈ではないけれど、感覚としてわかっている(し、ifの世界を試すには、人生の回数が少なすぎる)。

これから先に出会う人々の大半は、恐らくこれまで以上に利害関係に塗れている。そんな中で誰かと深い関係になるとは考えにくい。その観点からすると、この門出は荒涼とした砂漠の入口なのかもしれない。

とは言っても、人生は、世界はそれだけでできているわけではない。視線を転じれば、また違う景色なのだろう。そう思うと、不毛の地への門出も、彩りの1つとして面白い。これはこれでありなのだと感じられてくる。

既に忘れてしまった人、いつか指の間からこぼれ落ちてしまう人、そうでない人も、卒業、おめでとう。

そして関わってくれた人たち。
ありがとう。

薄紅色の世界から

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