見出し画像

温泉を記憶だけで楽しむ遊び

温泉て最高じゃないですか。

肌寒くなってきた今時期、ひんやりした空気の中、お湯に浸かるんです。

首から上だけ、湯船から出ている状態。

すると体は内側からアツアツに。

お湯から出ている顔や首は、冷たい肌の表面に蒸気がしっとり。

熱さと冷たさを同時に感じて、自分の体が二つに分かれてるような錯覚をする。

体が熱くなりすぎてきたら、肩も空気に触れさせ少し冷ます。

再び入浴。今度はあご先までお湯に浸かって。

いよいよもうダメというところに来たら、湯船のフチに腰掛けて上半身をお湯から逃がす。

そしてまた、全身を湯船の中にあずけ、体も意識もたゆたう。

それを、自分が満足するまで繰り返すのです。


ところで、季節は暑い夏も良くないですか。

肌にまとわりつく汗も嫌な気持ちもなかったことに。

まるで生まれ変わったよう。

逆に冷房で冷えすぎたときは、じわじわ温め直す。

すると自分を取り戻したような感覚になるから不思議。



そして、露天か屋内か。

どちらを選んでもそれぞれの美点に満ちていると思いませんか。


露天風呂は、考えてみたら特異な場所。

野外なのに真っ裸の状態でいていい場所なんて、あなたは日本国内で他に知っていますか。

何もまとわず無防備な姿で見るそこからの景色は、服を着て普通に見ているときとはまるで違う。

たいてい自然がすぐ近くにあり、たとえビルの屋上やついたてに囲われた立地でも、仰げば空を感じられる。

まるで万物と一体化しているような気にさえなる。

大げさか。


屋内だったら、やわらかな光に照らされた蒸気の粒が綺麗。

とくに、晴れた昼間のそれはとても良い。

空気中に無数に舞っている光景は、天国かなといつも思う。

知らんけど。


ああ、温泉に入りたい。



さて、こうして温泉の記憶を文字にしているのは、私がいま簡単に日本の温泉に入りに行けないからです。

いま私は海外で暮らしています。

年間を通して最高気温は40℃前後、国土の半分以上は砂漠に覆われています。

汗と砂埃にまみれる日々。そんな時そこ、温泉に入りたいのですが。

叶わぬ願いを埋め合わせるかのごとく、記憶からだけでもあの快楽を思い出せたら。

そんな遊びをしながら、今日も控えめな水圧のシャワーでちゃちゃっと済ませてしまうのでした。


*****

いしかわゆきさん著書く習慣
#1ヶ月書くチャレンジ に挑戦中です :)
Day3:今1番やりたいこと でした

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?