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noteの海に放った写真やイラストたち。それぞれ新たな記事となってまた出会えた嬉しさを集めたマガジンです。使ってくださった皆様に、感謝を込めて。
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2024年4月の記事一覧

【読書】すみれ荘ファミリア/凪良ゆう

今回は、『汝、星のごとく』で有名な凪良ゆうさんの作品です。 人はみな様々な顔を持っています。そして、それはある人から見れば表で、別の人から見れば裏に見える。 本作は、すみれ荘という下宿の管理人とその住人や家族の周辺での人間模様が描かれています。 ですが、タイトルや表紙画のようにのほほんとしたストーリーではなく、少しミステリアスで表向きは良い人の裏の顔というか怖いくらいの心情が読んでいる読者に迫ってくるような作品です。 だんだん表に現れてくる真実にどきどきハラハラが止ま

毎日400字小説「木村一 七十五歳」

 東北の貧しい農村の生まれだった。しかし勉強はずば抜けてできたため、なんとしても進学させるべきという高校教師の奔走により、奨学金を得、生活費はアルバイトでまかなうことを条件に上京する。親の意向で医学部に進んだが、興味は持てず、大学では哲学書を読み漁った。出版社のアルバイトで知り合った別大学の先輩に影響を受け、学生運動に関わるようになる。大きな闘争で逮捕され、そのまま中退した。就職は出来ず、実家からは縁を切られ、学習塾の講師で生活をすることとなる。三十七歳のとき、自分の理想とす

短歌84

数輪の夜桜のこと気づきたいいろんなくすりを飲んで眠った 桜蕊 髪の長いわたしのままでまだ待っていたいから見つけてよ 外を見ようとずっとドア際に立ってたけど夕日が射してきて眩しくなった 嫌いだった乗り換えの駅があなたの住む街の駅になって 夕景 オレンジピール記憶がいつか磨耗していくことの確かさは面白いね 公共の花壇に造花が植わってるもうすぐ高層ビルの建つ街 また来たいほど店はない一駅と一駅がこんなに近い街 まあ生きているから私達 河川敷に野球少年蠢いて 馴染みの

私流の花見

桜が満開で、 街は一気に花見モード。 桜自体は好きなのですが、 花見シーズンは少し苦手です。 なぜなら、 昔から桜並木の傍に住んでおり、 花見シーズンとなると、 静かな日常が一変してしまうからです。 昔は目黒川沿い、 今は墨田川沿いに住んでいるため、 日々の通勤時は桜を楽しめますが、 週末となると 多くの人でごった返し、 いつものスーパーも長蛇の列、 いつものコンビニも品薄状態に。 このような事情で、 花見シーズンは 少し生活が不便になってしまいます。 でも、 苛立