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短歌

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2024年3月の記事一覧

短歌連作七首「卒業のうた」

短歌連作七首「卒業のうた」

もう少しあともう少し夢の中。
僕ら春待つ息吹のように

卒業の歌はいくつもあるけれど。
校歌はひとつしかないんだね

マーチングバンドのように肩並べ
踏み出したらもう、それぞれの春

君が君のやさしさで苦しまぬように、
君の味方でいたい春です

島を出ていく君たちがこの島の
宝なんだよ「行ってらっしゃい」

この曲を教えてくれた君の声
ばかりで再生されてる曲だ

大丈夫、それでも日々は続くから。

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短歌連作七首「サマー・ソルジャー」

短歌連作七首「サマー・ソルジャー」

カーラジオから響くサニーデイ・サービス
雨を弾いて窓に七色

焦げついた気持ち火照(ほて)った魂に
生温い風、君に会いたい

そっちはどう?って聞かずとも
知ってる君は君のまんまだ

炭酸のペットボトルを開けるとき
弾け飛ぶ泡くらいの青春

僕たちはサマー・ソルジャー
あの夏の心はいまも火照ったままさ

空はどこからどこまでが空色で
僕らいつまで若者なんだ

夏がくる。にはまだ早く春雨の
ペトリコ

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