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#193【日記】獺祭シェイク出た

今日もお読みくださってありがとうございます!

できないことはしないと決めた

母が明日退院することになりました。
今日、面会してきましたが、まだまだ本調子ではないけれど、入院時よりは元気そうで安心しました。
先に面会スペースで院内着の母が点滴棒とともに待っててくれたのですが、遠目に見たら知らないお年寄りがいるなと思ってしまった。
病人病人していて誰だかわからなかったのです。
それが我ながら少しショックでした。

話がずれますが、昨晩、昨日の記事に、わたしが小さい頃の父との写真を載せました。
自分でそうしようと決めて写真を探したのだけれど、小さい頃の写真を見ていたらやりきれなくなってしまった。
でも、「とりあえず今はそのことで葛藤しない」と決めたので。
今後一切、とは思わないけど、「とりあえず今は」。

今は、父の朝食をセットして、父の洗濯物を入れて洗濯機を回し、形式的ゴミ出し用にきちんとまとめたゴミを玄関に置き、自分は自室に戻っています。
父が出勤したら、リビングに降りて、朝食と洗濯物干し。
これで同じ家に住んでいても完全に会わずに済んでいます。
そう言えば明日は収集の早い火曜日。ちゃんとゴミ出しできるのでしょうか、見ものです。

そのことを母には詳しくは話してないけれど、父に会っていないとだけ言ったら母「何それ、病人が気を使うの嫌なんだけど」と言っていました。そりゃそうだ。
でも、先送りしていただけでだいぶ前から透けて見えていた破綻だし、わたしがにっこり笑って「でももう父とは関わらない」とはっきり言ったので、割とすぐにしかたないと諦めてくれたみたいでした。

母は、「それじゃあ家に帰らなきゃね。まだまだ元気でいなきゃ」と言って点滴棒を押しながら病室に帰っていきました。

ありがたいなあ。

わたし、できる限りのことはするけど、できないことはしないとも決めた。
「できないことはしない」。
言うは易し行うは難しですけれど。

モスバーガーの獺祭シェイク

母が帰ってくるにあたって、放置していたリビングの花瓶の花を取り換えよう、と思い立って花屋へ向かった帰り、モスバーガーのウィンドーで「獺祭シェイク」を見つけました。
いつぞや下戸のあーちゃんと半分こして飲んでおいしかったなあ(アルコール0.00%)。
おいしいものは誰かと食べるともっとおいしい(by『虎に翼』)。
また出たんだなあ。

獺祭で思い出す話と言えば。(あーちゃんにも何度も聞かせている)

転職して最初の、福祉にかかわる職場の課長は、のび太君ともシンプソンズとも呼ばれていました(確かに似ている)。
せっかちで細かくて不愛想であまり好かれていないふうでしたが、WEB制作会社から来たばかりのくらたには、スピード感も同じくらいだったし、言うこともすべてまともで、たいへんに好きでした。
このときの係長が昨日書いたテポドン係長で、たいそう仕事のできない人だったので、くらたはこののび太君課長に傾倒していました(なおテポドン係長はのび太君課長を嫌がっていた)。

のび太君課長はもともと法曹志望だったが試験に受からず27歳で弊社にキャリアチェンジした方でした。
あるとき何かの話の流れで、「もともと人間は、親も性別もなにも選べず生まれてくる、平等ではないんだよ。それを平等にするためにあるのが法律だ」と、課のおじさんに話していました。
おじさんはけむたそうな顔をしていましたが、横で聞いていたくらたは、誠実に法律を学んできた知性的な人だな、と思いました。

こののび太君課長のさらに上司、ハーブ部長が定年退職する際、のび太君課長が自ら退職祝いの席の幹事を買って出ました。そのサブに指名されたのが、ぺーぺーで課の親睦会の幹事をやっていたくらたでした。
通常は課の親睦会から内規に則って餞別金と花束が贈呈されるのですが、のび太君課長がいうには、「ハーブ部長にお花をあげても逆に嫌がられるから、自分がお金を出すから、ハーブ部長の好きな日本酒を買ってきてほしい」とのこと。
今後弊社で生きていく上では、こういう気働きも必要なのかもしれない。それをのび太君課長は教えてくれようとしている、と感じました。
「部長はお高い日本酒じゃなくて、安いのが好きなんだよ」と渡されたメモには、のび太君課長の字で「獺祭」と書いてあり、「だっさい」と読むんだよと教えてくれました。
獺祭にもいろいろありますよね、どれを買ったかは全く覚えていないが、とにかくくらたはすっかり、「獺祭」は安いお酒なんだと思い込んでしまった。

のび太君課長はその後、くらたが部下じゃなくなっても、昇任試験などの際には試験勉強や論文の練習の面倒を見てくれました。
定年退職なさった後、道端で一度だけお会いしましたが、その後どうされているかわかりません。

このころの管理職にはこういう、知性と品を感じる奥ゆかしいところがあったなあ、という、めずらしいくらたの好きな管理職の思い出話でした。

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