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PubMedでトレンド1位になった中二病論文

自分の医学論文紹介兼、備忘録です。

今回の論文のテーマは「中二病」!

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2021年2月14日のバレンタインデーに無記名のアンケートをオンラインで行い、中二病の特徴を明らかにした論文です。掲載はPLOS ONE(IF:3.24)です。

中二病って、あの中二病?って思いましたよね?

なぜ呼吸器内科である私が、中二病を研究しようとしたかと言うと、まぁ中二病だったツライ黒歴史がありまして、、、

中二病というものが何なのか、何が自分を苦しめていたのかを知りたかったのです。

プレゼンテーション1.1

314名の方にアンケ―トを行い、過去に中二病であった自覚がある/中二病と言われた人を中二病グループ(n=122)とし、非中二病グループ(n=192)とアンケート結果の違いを検討しました。

※論文中の年齢が中央値31歳ですが、これはアンケートに答えた時の年齢です。またアンケートは中二病であった時どうだったかを聞いています。

コミュニケーションができない、親や友達との関係が悪くなった、からかわれて嫌だったなど、困った事があったのは、中二病グループで82例(67.2%)、非中二病グループで27例(14.1%)でした。

中二病の特徴として、⓵学校のテストが意味ないと感じる、②この世界はどこか間違っていると感じる、③妄想上の友達/恋人がいる、が挙げられました。

上記うち、2項目以上合致で中二病(困った事あり)の可能性が高くなります。(感度59.8%、特異度76.3%、オッズ比4.75)

中二病は、理想と現実の解離からくるものと考えます。自分は特別な存在なのに現実は普通の子供でしかない。でも特別でありたいから、世界の方がおかしいと感じ、勉強が意味ないと言ったり、妄想上の恋人や友人を作り出すのだと考えます。

ただ大事なのは、中二病の人の中にはツライ思いをしている人もいるという事です(自分もそうでした)。当研究でも中二病をネガティブな印象でとらえている方が多かったです。

中二病は病気ではなく、成長の過程と言えます。

いじめたり、からかったりするのは絶対に避け、中二病の特徴を知る事で周りの大人達が中二病の子供達にとって少しでも良い環境作りにつながってくれればうれしいです。

あと、これは絶対に押さえて欲しいところなんですが、中二病はアニメやゲームに影響を受けていますが、だからと言って、そういった日本のオタク文化がダメな訳ではありません!仮にアニメやゲームを遠ざけても、きっと中二病は違う表現型で現れるはずです。

そしてこの論文はなんと、PubMedのトレンドに載りました!

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このアカウントはtop trending articlesをつぶやくようです。

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という事は、トレンド1位獲ったんかーーー!!




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