9年前のMIXI日記より
久しぶりの執筆作業に興奮したのか、大きく文字数をオーバーしてしまい、約5分の1にカットされたので・・・
もったいないので、ココに全文を掲載します。
長いので、最後まで読まなくてイイですよ!
タイトル:GO
年度: 2001
国: 日本=韓国
公開日: 2001/10/20
在日韓国人の作家、金城一紀の直木賞受賞作の映画化。
監督:行定勲 脚本:宮藤官九朗 主演:窪塚洋介 柴咲コウ
名前ってなに?
バラと呼んでいる花を
別の名前にしてみても美しい香りはそのまま
-「ロミオとジュリエット」シェイクスピア (小田島雄志訳)
この言葉からはじまるこの映画は、自分にとっても、映画界においても、まさに奇跡がもたらした作品といえるのではなだろうか?
はじめて、原作のある脚本でメガフォンをとることなった、この手の青春群像ものや心理描写のシーンを撮らせたらピカイチの行定監督に脚本は小気味いいテンポのセリフまわしが最高のクドカン、主演の窪塚も最高潮の時期だったし、わきを固めるキャスティングもすべてが当たり役で他の人が演じることが想像できないものになっていて、原作も確かに良かったけどそれを在日ではない日本人スタッフと出演者たちがつくりあげることで、原作以上に一番伝えたかったメッセージがこの映画で奇跡的な組み合わせによって実現している。
ちょっとやんちゃだけど、ごく普通の在日韓国人高校生の男の子と、日本人の女の子との恋愛物語である。もともとは自分自身が、在日韓国人(3世)であるので、感情移入しやすかったとも思うのだが、何度も見返していくうちに冒頭の言葉の意味が深みを増しながら、シンプルな考え方の答えを教えてくれる。
自分が何人で何者であるか、それが大した意味を持たなくなることは、 いいことなのか、良くないことなのか、 それともいいとか、悪いとか、そういう次元じゃないのか。
頭では分かっていても、差別や偏見からは離れられない人たち、また感じない人たち。
差別や偏見を受けている側対応も抵抗する者、逃げる者、無視する者・・・
日本は単一民族じゃないんだよ!国籍はくれないけどね、すでに外国人は200万人以上住んでいるのに差別、偏見はなくならないし、職業選択の自由や選挙権もない。
そんな反骨心溢れる在日韓国人青年の恋愛サクセスストーリーってわけでもない。
何者でも何人でもいいんだよ、つまり、国籍や名前なんてどーでもいい。その人を人としてしっかり見ることが大切!!ってことを教えてくれる。
そうこれは、人種差別や偏見に対する社会派映画ではなく、あくまでも「僕の恋愛に関する物語だ」
セリフはすべてが傑作ですべてをあげるときりがないが、特に好きなのは
『ライオンは自分のことをライオンだなんて思っていない。』
「国境線なんか俺が消してやるよ」
「広い世界を見るのだ」
「名前なんてどうでもいい」
「僕たちは国なんて持ったことありません」
「天国っていい国かな~」・・・・ほんとにキリがない・・・
通常、個人的に気に入った映画は最低3回は観るようにしている。いい映画には1回流して見ただけでは気がつかないメッセージや映像があることが多いので必ずそうしている。
そんななかでも、この映画はもう何回観たか分からないくらいに観ているが、いつも新しい発見があり、何度も感動し、幾度となく涙し、毎回勇気と元気を与えてくれる。
自分にとって人生のカンフル剤のような映画のひとつである。
■プロフィール
名前:ぷヨン 佐賀県生まれの在日韓国人3世
年齢:厄に入ったバツ1の独身40歳
職業:休職中 年商100億以上の会社の元社長
最近:40になって、初めて「合コン」なるものをやりました・・・仲間由紀恵さんが来るって言われてたのにいらっしゃたのはミツウラさんでした。
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