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晴れていたので冒険した話

祝日に時間が出来た時、普段は読書やインターネットをしているのだけれど、たまに冒険するのもいいなと思って冒険をした。大人が言う様な「人生は冒険」「生きるのは冒険」とか、そういう話じゃない。何が待ち受けるか分からないところにワクワクしながら行く、文字通りの冒険だ。あまり語りすぎても頭でっかちになるので自己紹介や考え事は記事の最後においといて、とりあえず地図とルールを決めて出発しよう。

冒険のルール

・スマホの地図は使わない。地図は手書きの物と、看板地図だけを使う。

・なるべく知らない道を選び、知っていても普段使わない方の道を使う。

・道に迷ったら、高い所から見渡すか、通りすがりの人に聞く。

・視線は低く、細かく、ゆっくりと。

冒険の地図(トクシマ地方)

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地図を描くにあたって、気になるスポットをいくつか見つけて絵にしておいた。スポットは市内の公園に絞って、ストリートビューで見た風景から絵を考える。絵はかなり拙く描く(UFO⇒ヘリコプター⇒パン⇒タコ⇒鳥居⇒旗⇒扇風機⇒カエル⇒さかな)。迷う事もしたかったので、一応目的地をつくって、それを一周するルートを考える。最低限のこと以外は書いていない。駅の近くからスタートして、六つの島を制覇しつつ、地図右側の緑の旗を目指す。


出発!

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UFO

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UFOは実在したんだ! 手前にはイルカとピンクの宇宙人がいる。こどもたちが入っては出てくるけれど、はたしておんなじ人だろうか……


ヘリコプター

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はねが小さいのでちょっと迷ったけれど、よく見ると親切に書いてある。

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路地を進んで……あれ、行き止まり……(ここには三回来た。がちで迷った)

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土手にのぼって場所確認。使われない電話。


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ひたすら道に迷って、お地蔵さんに手を合わせたら、横に地図があるじゃないか。でも現在地が書いてないからどこにいるか分からないよ!


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やっと花の公園にたどり着いた。こころがうわ~

パン

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冒険にははらごしらえも大切だ。パンとドーナツとお茶。

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庚申塔とも荒神さんともすこしちがう様な……(詳しい人教えて)


タコ

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昔は全国にあったタコの山。時代の流れで絶滅危惧種らしい。遊び方いろいろで楽しいよ。

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別世界に行けそうな路地を抜けて……


鳥居

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難しい漢字の鹽竈(しおがま)神社。ふつうは鹽竈桜と言う紋なのに、個々の神社は清明桔梗紋でした。由緒書も無いそうで、謎。 ここでは子どもたちの水鉄砲遊びに誘われて楽しかった。

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サボテンとパイプ。どこになにを運ぶのだろう……

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沈没船発見! お宝の予感……

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ここは住宅地のようだけれど、実は「うみ」なのだ。 さて、目的地の旗印までもう少し……


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旗印の目的地の正体は、なんとタヌキの楽園なのだった。それにしてもなんて遊具作るんだ……すべりだいもふたまたにわかれていて、タコの山に通じるものがある。


扇風機

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扇風機の正体は巨大な掘削機の展示された公園(ぜんぜん扇風機じゃないな)。このあたりの水道施設建設を記念してのものらしいが……説明パネルが行方不明だ……


カエル

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カエルは水飲み場に。こいつはタコやゾウのバージョンも見たことがあるが、鼻の先に蛇口が付いていてとてもシュールだったような。


さかな

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ついに最後の目的地。上の写真でさかなを見つけられた人は偉い。全身を見るには空を飛べばいい(下画像)

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ふりかえり

地図(徳島県徳島市近郊)

ぼうけんのしょ2

冒険時間:4時間、総距離:28km。通った道をトラッキングしてみると、馴染みのない所では随分迷ったように思う(土地勘が可視化されるのはおもしろい)。迷った道ほど発見は多く、それらが最短距離のツアーだと出会えなかったと思うと感慨深い(特にタヌキ、五年以上住んでいて全く知らなかった)。祝日だったからか、公園にはどこも人がちらほらいて、随分気さくに話しかけられたり親切されたりした。こういうおおらかさや古いものたちを指して「失われた」なんて言う事はよくあるけれど、ただ見えなくなっているだけな気もする。

今回の冒険について

note記事の第一号は自己紹介も兼ねて、興味関心がわかるものにしようと思っていた。暇さえあればgoogle Earthや地理院地図を開き、世界中の星型城塞や円形交差点に片っ端からしるしをつけることを趣味としている人間にとって、たぶんそれは地図や土地のことになる。僕は大学で居場所の研究しながら漂流小説を書いているのだけれど、ふたつは土地と移動という点で通底している(最近わかった。遅い)。

冒険に際して「地理情報が発達普及した現代において、道に迷うことにどんな意義や愉しみを見出せるか」を意識した。「ここではない場所」を探し求めていて、今自分が立っている場所から離れられないことに息苦しさを覚える僕にとって、迷子には憧れがあり、今回の冒険はちょっと贅沢な体験だった。

そんなわけでこんな訳の分からないコラムを読んでくれた人、道を聞きまくる怪しいやつに親切に教えてくれた人、水鉄砲に誘ってくれたボク、ありがとう。筆まめではないから次の更新がいつかは分からないけれど、好きな小説の話とか、地図を文学だと思っている話とか、いつかできればなと思います。ごきげんよう。


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