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U35世代がニュースを選ぶということ(U35メイキングトホホ日記その3)

 「新聞アレルギー」とか「地域ニュースは要らない」とか厳しいお言葉に直面し、当時は打ちひしがれて口内炎ができてしまったデスクA(51歳、女)です。困惑するU35チームの私たちがどうしたかというと‥。もう答えはよく分からないので、いろいろ試してみることにしました


 といっても、決して投げやりとか、極端に走るとかではなく。新聞づくりに携わる私たちの感覚が時代に合っているのかどうか、あらためて考え直してみようと、社内のいろんなメンバーと話し合っている。


 頭で考えるだけでは答えが出そうにないので、実際にいろいろジッセンしながら考えることに。実は「中国新聞U35」の名前を決めるときに有力な候補として挙がったのが「中国新聞、試してます」。それじゃあ何のことか分からない、ということでボツになったのだが、チームのメンバーたちは「試す」、すなわち「既存の枠を超えてチャレンジできるかどうか」を、とても大切に考えている。(どんなメンバーがいるかについては、また後日詳しくお伝えしますね)

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 その中のチャレンジの1つが「今週の5Things」。1週間に紙面に載ったニュースの中から、お薦めの5つを選んでご紹介している。この試みのミソは、選んでいるのが弊社の20代、30代の若手記者であるということだ。
 新聞づくりにおいて、「価値判断」というのはとても大切なもの。その日に最も読んでほしいニュースは、皆さんご存じの通り、朝刊一面のトップ記事、そしてテレビ欄をめくると現れる社会面のアタマの記事となる。
 そのほかのページでも、見出しの大きさで読んでいただきたい度合いを示している。日々議論を重ね、選び抜いている。


 それを、軽々とすっ飛ばして、つくったのがこの「今週の5Things」なのです。参加したいと手を上げた新人記者を含む20代、30代の計10人が日々チャットでわいわい提案する。「これがいいですねー」「あの記事、おもしろかったです」。軽やかに会話が弾む。
 基準はというと、かしこまったものはない。これだったら、自分たちと同じ世代がおもしろいと思うんじゃないか。ニュースが難しいと思う35歳以下の人たちも興味を持ってもらえるんじゃないか。若手記者の感覚こそが頼りの毎週5本なのだ。

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 さらに紙面の記事を、140字前後に短くまとめ直して伝えている。140字というのはツイッターの投稿の字数制限。企画を考えているとき、ある若手記者が「ツイッターの140字が読んでもらえる限界じゃないですか」と言っていて、ぶっ飛んだのを思い出す。「ごく簡単に、さくっと分かる」。それをコンセプトとしている。


 考えてみれば、新聞はこれまで「知ってほしいこと」に重きを置きすぎていたのだろうか。社会的な意義のあること、今後大きな影響を与えるであろう事柄を伝えていく必要があることは変わらない。でも同時に、読んでくださる方の「知りたいこと」にも応えたい。「5Things」は「U35世代の知りたい」を探りつつ、走り始めている。