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テレワークにぴったりワークスーツ。作業着のような機能性が広島でも人気

 見た目はスーツなのに動きやすく、洗濯機で丸洗いもできる―。作業着のような機能性を持つ「ワークスーツ」が注目されています。仕事中はもちろん、普段着にもなる使い勝手の良さが魅力。コロナ禍による働き方の多様化で、シーンを問わない「ボーダーレスウエア」として浸透していきそうです。(栾暁雨)

 竹原市の酒造会社で営業を担当する吉村剛さんは、人気の火付け役になったブランド「ワークウェアスーツ(WWS)」のジャケットを愛用する。ポリエステル100%の生地は軽くて伸縮性があり、ポケットも充実。重い酒瓶を運ぶ際も動きやすくて疲れにくい。それでいてウェブ会議や商談にも対応できる洗練されたデザインだ。

 特にうれしいのが自宅の洗濯機で洗えて、翌日には乾くこと。「夏場は汗をかくし、毎日清潔に保ちたい。クリーニング代も節約できる」と満足そう。しわにもなりにくく、移動中は小さく畳んでかばんに入れ、営業先でさっと羽織れる。はっ水性もあり、急な雨でも心強いという。

 広島市中区のセレクトショップ「Reception(レセプション)広島店」では、WWSのジャケットやパンツなど男女計10種類ほどが並ぶ。上下で約3万円と一般的な作業着より値は張るが、売れ行きは上々。テレワークの広がりで、在宅時やウェブ会議の服装に悩む人が増えたのも追い風になった。スタッフの上山純一さんは「きちんと感を醸しつつ、ラフに着こなせる点が受けている」とみる。

 広島三越(中区)でも、WWSの商品が幅広い世代に売れている。建設業界で働く人や在宅勤務をする会社員からのニーズが高いという。WWSを展開するオアシススタイルウェア(東京)によると、2020年9月のネットでの売り上げは前年の10倍に伸びたという。

 他メーカーの参入も相次ぐ。作業服大手の「ワークマン」(群馬県)は見た目はジャケットだが、裏返すとフードやポケットが付いた作業着になる「リバーシブルワークスーツ」は上下で4800円で、ほぼ完売状態。勤務中はジャケット、家事や自転車通勤の時は裏返して使い分けられる。

 紳士服販売の青山商事(福山市)はストレスフリーな着心地と機能性を重視した「ゼロプレッシャースーツ」を21年7月に発売した。洗濯機で丸洗いできて手入れも楽。スポーツウエアに使われる生地で雨や汚れに強い。ストレッチが効いており、裏地や肩パッドがなく開放的な着用感。上下で1万円以下と手頃で「テレワーク服に」と好評だ。