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インフル×コロナ ワクチンの同時接種はOK?

 冬が近づくと気になるのがインフルエンザの流行です。でも、ことしは、新型コロナウイルスのワクチン接種も進んでいます。インフルとコロナのワクチン、両方打っても大丈夫なのかどうか。注意すべき点はあるのでしょうか。専門家に聞きました。(馬上稔子)

「両方打っても問題ありません」

 「両方打っても問題ありません」。そう話すのは、広島県小児科医会の予防接種・感染症対策委員長を務めるすくすくキッズクリニック(広島県府中町)の溝口信行院長です。コロナとインフルエンザのワクチンをどちらも打ったからといって、「副反応がひどくなったり、効果が弱まったりすることはないでしょう」と説明します。

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「コロナとインフルは、同時接種はできません」

 ワクチンには同時接種できるものも多いそうです。クリニックでは子どもたちに、例えばヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンを同じ日に打つこともあります。ただ「コロナとインフルは、同時接種はできません」と溝口院長は語ります。

 厚生労働省がコロナワクチンは原則、他のワクチンとの接種間隔を13日以上空けるよう求めているからです。副反応が生じた場合、どのワクチンのせいなのかが分かりやすいためなどの理由があるそうです。

コロナとインフルのワクチンも約2週間を空けて」

 つまり、コロナとインフルのワクチンも約2週間を空けて打つ必要があります。溝口院長は「どちらを先に打ってもいいです。まずは、まだ特効薬がなく、予約制で接種日が制限されているコロナワクチンのスケジュールを優先して日程を決めてはどうでしょう」と勧めます。

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今季はインフルエンザが流行するのか

 もう一つ、気になるのは今季はインフルエンザが流行するのかどうか、ということです。昨季はコロナ予防のマスク着用や手洗いが効を奏したのか、広島でもあまり流行しませんでした。

 広島県感染症・疾病管理センターの桑原正雄センター長は「コロナ対策もあり、海外と行き来する人の流れも少ない。手指の消毒やマスク着用の習慣も定着し、昨シーズンと同様に流行しない可能性もあります」と話します。

 ただし「油断は禁物です」とも。「昨シーズン流行しなかったので、抗体が少ない人が多いんです。もし流行すると、爆発的に広がる懸念もあります」。コロナとインフルが同時に流行すると、いったいどうなるのか。桑原センター長は「医療機関でスムーズに患者を受け入れられなくなるリスクもあります。予防できるものは予防するスタンスが大切です」。そう話し、コロナとインフル両方のワクチンを接種するよう呼び掛けています。

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