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ぺこぱ松陰寺さん 山口・光市の母校光丘高で後輩たちに送ったメッセージとは

 ブレイク中のお笑い芸人ぺこぱの松陰寺太勇さん(38)が1月14日、光市にある母校の光丘高を約20年ぶりに訪れました。光丘高は今春の閉校が決まっています。コロナ禍で、修学旅行などの学校行事が相次いで中止となる中、先輩から手渡された温かいメッセージが、生徒にとって心に残る思い出となったようです。(山本真帆)

生徒たちの質問に、丁寧に親身に

 おなじみの紫のスーツ姿で体育館に登場した松陰寺さん。卒業を控えた3年生81人の間を手を振りながら歩き、ステージへ向かいます。生徒たちから、きゃーという歓声と大きな拍手が上がり、体育館は熱気に包まれました。
 およそ1時間にわたって生徒たちの質問に、丁寧に、そして親身に答えました。「高校時代にやってしまったなというエピソードは」という問いには、「あるわけないだろ、とも言い切れない」と持ちネタのツッコミで返し、会場を沸かせました。

「どうしたら面白くなれますか?」

 質問はさまざまでした。 

生徒 共演した女優さんで一番きれいだったのは?
松陰寺さん M―1グランプリの司会をしていた上戸彩さん。すごい顔が小さくてきれいだった。

生徒 どうやったらプラス思考になれますか
松陰寺さん 人のことを嫉妬したときもあったけど、誰かを悪く言う時間はもったいないと30過ぎて分かった。すべては自分次第。

生徒 どうしたら面白くなれますか。
松陰寺さん 予想を裏切ること。

生徒 卒業するまでにやった方がいいことは何ですか。
松陰寺さん みんなでしゃべったりして絆を深めてほしい。

夢は変わることもある。そんな自分に寛容に

 小中学校の恩師から松陰寺さんへのメッセージも寄せられました。その中には「友達思いで優しい子だった。人がやらないことにも挑戦していた」との声も。松陰寺さんは「小学校のときから人と違うことをやるのがわくわくした。誰もやってないことをやろうというのは漫才も一緒です」と話しました。
 自身はもともと音楽家を目指していた、という松陰寺さん。「夢ややりたいことが変わることもある。そんな自分に寛容でいてほしい」と語り掛けました。母校の閉校は、自分の同級生たちも寂しがっていることを伝え、「みんなは学校最後の特別な卒業生。戸締まりを君たちに任せる」と後輩に思いを託しました。

テレビで見るよりかっこいい!

 芸人というより一人の先輩として、率直に語り掛ける松陰寺さんに生徒たちは心をつかまれたようでした。田中健太郎さん(18)は「テレビで見るよりかっこよくて感動した。後輩になれてうれしい」と大喜び。小林歩未さん(18)は「夢を諦めるなとはよく言われるけど、松陰寺さんの言葉に他の道も選べると励ましてもらった」と話していました。

 松陰寺さんは2002年に光丘高を卒業。相方のシュウペイさんとコンビを組み、19年には漫才コンクール「M―1グランプリ」で3位に輝きました。1983年に開校した光丘高は、生徒数が減り、市内の光高と2020年春に統合。現在の3年生を含め7388人の卒業生を送り出すことになります。