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2022年1月の記事一覧

被爆者の足取りをたどりたい。東京の学生2人が広島へ【前編】歩いて感じたあの日

 2021年10月に96歳で亡くなった前広島県被団協理事長、坪井直さんの被爆当時の足取りをたどってみたい。そう思った東京の20代2人が11月、広島を訪れました。2人は何を感じたのでしょう。そもそも2人が広島に来たいと思ったワケとは? 記者も一緒に歩き、話を聞きました。(湯浅梨奈) 2人が広島を訪れた理由 広島にやってきたのは、核兵器廃絶を目指す活動に取り組む若者グループ「KNOW NUKES TOKYO(ノーニュークストーキョー、KNT)」の共同代表の慶応大3年高橋悠太さん

被爆者の足取りをたどりたい。東京の学生2人が広島へ【後編】「意識高い系」と言われても

 坪井直さんの被爆当時の足取りをたどった慶応大3年の高橋悠太さん(21)と上智大2年徳田悠希さん(20)。2人は、核兵器廃絶を目指す活動に取り組む若者グループ「KNOW NUKES TOKYO(ノーニュークストーキョー)」(東京)のメンバーです。キラキラな東京でキャンパスライフを送る2人が、どうして平和活動に取り組んでいるのか、その理由を聞きました。(湯浅梨奈) 徳田さんの場合。きっかけは中学の修学旅行 東京都練馬区出身の徳田さんは、広島と縁もゆかりもありません。それでも今

飲んだときのアルコール検知器の数値は? 記者が試してみました

 飲酒運転がなくなりません。「酒は抜けていると思った」「仮眠を取ったから大丈夫だと思っていた」。摘発された人の多くはそう話すといいます。そもそも、酒気帯び運転の基準値「呼気1㍑当たり0・15㍉㌘以上」のアルコール分は体にどんな影響を及ぼすのでしょう。記者2人がアルコール検知器を手に酒を飲み、確かめてみました。(東山慧介、佐藤弘毅) 缶ビールを飲んで測ってみたら? 午後7時。記者の東山慧介(28)と佐藤弘毅(30)は、350㍉㍑入りの缶ビールのプルタブを開けた。用意した検知器

1歳の娘が入院。父親として付き添った記者が見えたこと【前編】

 1歳すぎの長女の入院に昨年12月中旬、父親として付き添いました。命にかかわるものではありませんが、発達上、必要な手術を受けるため、広島県内の病院に9日ほど泊まり込み、幼い娘と2人で過ごすことに。新型コロナウイルスの感染防止のため、妻と交代はできないので「病院に缶詰め」状態でした。それなりに情報収集して臨んだものの、想定外のことや新たな気付きもありました。体験の一例として紹介します。(畑山尚史) 気が抜けない 中国新聞の以前の記事に、病院での子どもの付き添いを「連続勤務」と

1歳の娘が入院。父親として付き添った記者が見えたこと【後編】

付き添いは義務か そもそも保護者による付き添いは、義務ではないそうだ。厚生労働省によると、公的医療保険で病院に支払われる「入院基本料」には、子どもの世話にかかる人件費も含まれる。だから、付き添いは本来は不要。医師の許可によって認められるものとされる。しかし多くの病院で、保護者の付き添いが実質、子どもの入院の条件となっている。看護現場の人手不足などが背景にあるようだ。  長女のケースでも、「手術のために入院が必要」と最初に伝えられた1年前の段階から、「付き添いが欠かせない」と

月9ドラマ化で話題の漫画「ミステリと言う勿れ」。実は、漫画には広島の街が出てきます

 1月10日に放送が始まったドラマ「ミステリと言う勿れ」(テレビ新広島などフジテレビ系)。俳優の菅田将暉さんが主人公役とあって早くも話題です。ただですね、原作の漫画もぜひチェックしてほしい。月刊フラワーズ(小学館)に連載中で、単行本が10巻まで出ています。漫画ならではの見どころとして、広島の街が登場するんです。ミステリーの舞台の一つとして。描かれ方がとてもリアルで、県民としてはどこか誇らしい気分になるのです。(福田彩乃) 地元民ならピンと来る!?生き生きと描かれた広島の街 

エントリーシートに書くことがない…「ガクチカ難民」の就活生が広島でも急増中

 就活が本格化する春を前に「ガクチカが書けない」という嘆きが広島でも聞こえます。「学生時代に力を入れたこと」を略した言葉で、企業の面接などで定番の質問です。長引くコロナ禍の中、サークル活動や留学が思うようにできず、アピールポイントが見いだせない学生が続出。一方、ガクチカの捉え方に、学生と企業でギャップがあるようです。(栾暁雨) 大学時代の大半が自粛生活 企業のエントリーシート(ES)にはだいたい「あなたが学生時代に最も打ち込んだことは」という問いがある。そこで毎回、広島市東

ぺこぱ松陰寺さん 山口・光市の母校光丘高で後輩たちに送ったメッセージとは

 ブレイク中のお笑い芸人ぺこぱの松陰寺太勇さん(38)が1月14日、光市にある母校の光丘高を約20年ぶりに訪れました。光丘高は今春の閉校が決まっています。コロナ禍で、修学旅行などの学校行事が相次いで中止となる中、先輩から手渡された温かいメッセージが、生徒にとって心に残る思い出となったようです。(山本真帆) 生徒たちの質問に、丁寧に親身に おなじみの紫のスーツ姿で体育館に登場した松陰寺さん。卒業を控えた3年生81人の間を手を振りながら歩き、ステージへ向かいます。生徒たちから、

「書く前はいつも憂うつ」。作家小川洋子さん、創作の時間を振り返る

 社会の片隅に生きるか弱き人々を作品世界に描き、海外でも高い評価を受ける岡山市出身の作家小川洋子さん、59歳。2021年は菊池寛賞や紫綬褒章に決まり、約30年間にわたる創作活動全体に光が当たりました。若い頃に「自分を主張するもの」だった小説は、「誰かの心を伝えるもの」に転換していったと自身の歩みを振り返ります。(鈴中直美) こんな言葉しか出てこないという挫折感。その連続です  執筆する時、パソコンのスイッチを入れるのはいつも憂うつだ。それでも毎日一行でも書くことを自身に

女性アスリートの悩み、広島で聞きました~カラダ編

 女性アスリートの健康問題も、最近あらためて注目されています。ホルモンの影響もあり、月経異常のほか摂食障害や貧血などは、とりわけ女性が陥りやすいと言われています。中国地方ゆかりの女性アスリートに、これまで公に話すことが少なかった「カラダ」のことを聞いてみました。(西村萌) ■元バドミントン日本代表米元小春さん(31)生理痛や不正出血「男性の指導者に話しにくかった」  昔から生理痛がひどく、熱が出たり、吐いたりすることもありました。薬はひどくなる前に飲まないと効きません。さ

女性アスリートの悩み、広島で聞きました~フォトハラ編

 スポーツの世界でも、性差による問題があります。その一つが、女性アスリートが性的な意図で写真を撮影されたり、会員制交流サイト(SNS)で画像を拡散されたりする「フォトハラスメント」。20年以上前からあり、中高生にも広がっていますが、最近はトップアスリートも声を上げています。中国地方ゆかりの女性オリンピアンたちに経験を聞いてみました。(西村萌) オリンピアンの体験から■フィールドホッケー女子 コカ・コーラ(広島市)の元選手・湯田葉月さん(32)  広島市を拠点とするフィール

フードバンクがパンク? どうしたらいいのか、広島の現場を歩いて考えてみた

「フードバンク」ってご存じですか。食べられるのに捨てられてしまう食品を、必要としている人に届ける活動のことです。広島県内でも広がってきましたが、このところ新たな課題が浮上しています。それは、フードバンクに集まる食品が増えすぎて「パンク」しそうになっていること。現場を歩き、どうしたらいいのかを考えてみました。(川村正治) 集まる食品の量が増えて、さばききれない? 「手に負えないほど、集まる食品の量が増えているんです」。福山市のNPO法人フードバンク福山の代表理事、小林由卓さん