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いま、コレ

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U35世代にいま、届けたいニュースや話題を集めました。広島や中国地方のリアルを発信できたらと。日々の暮らしに役立つ情報も盛り込みます。
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2021年11月の記事一覧

大火に遭ったエキニシの再生へ 街を訪れる人たちからのエール

 大規模火災があったJR広島駅西側の飲食店街、通称「エキニシ」(広島市南区)で11月26日夜、市民がエリア再生への応援メッセージを伝える写真の撮影会がありました。タウン情報誌「TJ Hiroshima」編集部(中区)が企画。撮影に同行し、この地区への熱い思いをメッセージボードにつづった人たちに迫りました。 (文・石井雄一、江頭香暖、写真・山田太一) 「手助けできることなら何なりと」蒲池清士さん(52)  この日一番乗りで駆け付けたのは、東区の団体職員蒲池清士さんです。観光関

政治に縁遠かった20代妻が島で立候補した夫を応援した8日間。日々の思いをスマホ日記につづりました

 まさか夫が立候補するなんて―。10月3日投開票の江田島市議選に挑んだ宮下成美(なるみ)さん(33)と一緒に、選挙戦を初体験した妻綾華さんさん(29)。遠くにあった政治が突然近くにやってきて見えてきたのは「人生は、私たちがつくっていくんだって」という実感でした。「まじかけぬけた」戦いの8日間を、スマホの日記にリアルにつづっています。 初の選挙活動 手ふりふり疲れた■1日目(告示日)  選挙活動すたーと!すんげー疲れた。緊張が、なる君も、私もすごかった。笑。街頭演説、ウグイス

巨大なヘッドドレスは、「らしさ」「性別」から自分を解放する表現方法でした

 花や羽根がこれでもかとあしらわれた巨大なヘッドドレス、青いラメリップ…。奇抜な装いで、社会が押し付ける「性別」や「らしさ」を越えようとしてきた人がいます。男性ながら女性の装いをするドラァグクイーンのヴィヴィアン佐藤さん(年齢非公表、東京)。全国でヘッドドレスの作り方を紹介し、尾道観光大志(大使)も務めます。頭を飾ることの意味とは何なのでしょうか。(栾暁雨) 喜怒哀楽が浮かび上がるヘッドドレス11月中旬、広島市中区の広島三越であったワークショップを訪ねました。ヴィヴィアンさ

意外にエモい? 女子学生が芸備線の旅で見つけた映える風景【前編】

 秋も深まる11月のある日、女子学生2人が、広島県の北部を走る「JR芸備線」を旅しました。乗客の少ない区間の存続が危ぶまれていますが、駅がおしゃれに改装されていたり、割引切符が発売されていたりと、沿線は想像以上に魅惑的。2人は「映える風景」に心をすっかり奪われたようです。(馬場洋太) 高速バスで庄原・東城へひとっ飛び ■午前7時50分 JR広島駅北口(新幹線口)  芸備線の旅に記者を同行させてくれたのは、広島工業大4年の近藤令奈さん(21)㊧と広島修道大3年市川愛実さん(

意外にエモい? 女子学生が芸備線の旅で見つけた映える風景【後編】

 秋も深まる11月のある日、広島県の北部を走る「JR芸備線」を旅した女子学生の2人。といっても、朝早くJR広島駅を高速バスで出発し、列車に乗ったのは東城駅から。東城のレトロな街並みを堪能し、旅は後編へと続きます。(馬場洋太) 前編はコチラから 秘境駅は癒やしスポットだった■午前11時52分、内名駅  東城から列車に揺られること約20分。秘境駅として知られる「内名駅」で下車します。国道沿いから外れた、民家が10軒ほどの小さな集落にあるこの駅。鉄道ファンがつくった「秘境駅ラン

「普通って何なの?」。ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」の原作者うおやまさん(広島県在住)が作品に込めた思いとは。

 この秋に放映中のテレビドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(広テレなど日本テレビ系、水曜夜)を見てますか。弱視の少女と不器用な不良少年の恋を描くラブコメディーは、広島県在住の女性漫画家うおやまさんの漫画が原作。多様な登場人物を通じて「普通って何なのか」をやわらかく問い掛けています。うおやまさんに、ドラマの感想や作品に込めた思いを聞きました。(標葉知美) ドラマで広がる「奇跡」 10月にドラマが始まってからは、うおやまさんにもツイッターなどで反響が届いているそうだ。

中国新聞連載「この働き方大丈夫?」が本に。刊行に寄せて、作家雨宮処凛さんらがメッセージ

 働く人たちの生の声から職場の今を見つめた中国新聞くらし面の連載記事が、書籍「この働き方大丈夫?」として刊行されました。 中国新聞くらし面連載「この働き方大丈夫?」はコチラから  連載は2020年の貧困ジャーナリズム賞を受賞。バブル崩壊後の就職氷河期という「貧乏くじ」を引いた世代の嘆きや、「活躍」の大号令の下で仕事と家事、育児に追われる女性たちのため息など、働き手の本音を収録しています。A5判オールカラー、248ページ。集広舎刊。1540円。全国の主要書店などで販売してい

「ネット界の文春砲」人気ユーチューバーのコレコレさん(32)って何者? 自称・コミュ障。実は広島出身なんです。

 人気のユーチューバーの中に「ネット界の文春砲」と呼ばれる人がいます。広島市出身のコレコレさん(32)。視聴者から寄せられた著名人のスキャンダルやネットの闇をネタに生配信し、チャンネル登録者は150万人以上。10月に初の著書「告発」(宝島社)を出版しました。ネットの闇に接して感じることや、広島への愛着について語ってもらいました。(栾暁雨) 若い子たちはネットで危険にさらされている ―投稿動画の再生回数は軒並み100万回超えですね。若者を中心に悩み相談が持ち込まれていますが、

「エキニシ大火」の現場で新人記者たちが見た悲しみ、そして街の懐の深さとは

 JR広島駅西側の飲食店が連なる通称「エキニシ」(広島市南区)で10日早朝に発生し、26棟を焼いた大規模火災。現場には連日、入社1年目の若い記者たちも訪れています。彼らの胸に突き刺さっているのは、飲食店主らの悲痛な思い。そして取材の中で見えてきたのは、この街の懐の深さ、といいます。 一報 2021年11月10日午前6時。会社用の携帯電話の着信音で佐藤弘毅(30)は目が覚めた。県警担当の先輩記者からだ。「広島駅の西側で火事らしい。現場に行って」。すぐに支度をし、大事でないよう

U35世代が足を運ぶバンクシー展。 その魅力について考えてみた。

 何という光景でしょう。広島市中区のひろしま美術館の前に行列ができています。最近はコロナ禍でひっそりしていたのに―。美術担当になって2年の私・福田(30)は感激ひとしおです。人気を集めているのは「バンクシー展 天才か反逆者か」。とりわけU35世代の姿が目立ちます。バンクシーの何が心に「刺さる」のでしょう。来場した若者を中心に聞きました。どうやらポイントは三つあるようです。(文・福田彩乃、写真・山田太一) 1.その自由さ 「なんか、自由っすね」。こんなふうに第一印象を語る人が

「育休取るだけ夫」にもやる 広島発、妻の嘆き

 子育てにやる気のある男性が増えています。育休を取るのもその一つ。ただ、一方で聞こえ始めているのが「育休中に家で戦力になっていない」という妻の嘆きです。広島県内の女性たちも「指示待ち」の夫にもどかしさを募らせているよう。2022年10月からは新たな「男性版産休」が取れるようになります。男性の産休や育休を生かすには、いったいどうしたらいいのでしょう。(栾暁雨、柳岡美緒) 文句ばかり 生活費も不足 「大きな子どもが1人増えただけでした」   夫は育休を「自分の休み」「長期の有

デビューした広島のボートレーサー20歳。「欠点」を「長所」にして描き直した夢とは

 「まるでジェットコースターのような爽快感がある」という。ボートレーサーとして11月16日にデビューした広島市安佐北区出身の20歳、津田陸翔(りくと)さん。身長170㌢で体重50㌔前後の「細身」を生かせるレースで高みを目指す。「かつて野球で突き付けられた限界を、水の上でなら感じないんです」とあっけらかんと話す。(八百村耕平) ひと目ぼれの出合い ボートレースとの出合いは、広島文化学園大1年の秋のこと。友人に見に行こうと誘われた。賭け事のイメージが強く縁遠いと思っていたのに、

はい、石下です。あの日の取材絵日記~怪獣レモンサイダー(尾道市向島町)の巻

 尾道市向島町のサイダーの工場をことし4月に取材した。90年近く続く工場を高齢夫婦から引き継いだのは、森本繁郎さん(44)。新商品の開発にも力を入れると言っていたが6月、さっそく連絡があった。「瀬戸田町産のレモン果汁10%入りのサイダーができました」  工場を訪ねると、薄い黄色みがかったサイダーが作られていた。王冠で栓をしたガラス瓶には「怪獣サイダー」の文字。作業をしているのは、森本さんと妹の藍さん(43)。そしてもう2人、瀬戸田町のレモン農家片岡孝之さん(41)と、山

知ってた?!11月14日は広島県知事選の投票日です

 「U35」に20代の女性から「新聞を読まないので、今の広島県知事選がどうなっているのか知らない。立候補者などについて紹介してほしい」と投稿が届きました。11月14日、今週日曜日は、広島県知事選の投開票日です。陸上の山縣亮太選手(広島市西区出身)がPRする看板やCMを見た!という人もいるのでは?? 広島県知事選について紹介します。(編集・高田果歩、栾暁雨) 立候補者はどんな人? 今回の広島県知事選には届け出順に共産党新人の中村孝江さん(35)、無所属新人の樽谷昌年さん(70