台風の夜
今年はあまり台風に悩まされずに済んだ一年だった。
4年ほど前だったか、
その日は台風の予報だった。
ところが朝は曇りという感じで、雨すら降っていなかった。
そのためにいつも通りバイクで出勤した。
午後になると空が荒れ始めた。
夕方には暴風雨でバイクで帰宅は困難と判断して、地下鉄に乗った。
ただ駐輪場そばには大きい川があり、氾濫しないように両端はかなり高い壁になっているものの、これまでに見たことないぐらいに水位があがり、バイクが川にさらわれるのではないかとずっとハラハラしていた。
ただそのハラハラは悪い意味で消し飛ぶことになる。
帰宅すると、床一面が池のように浸水していた。
理由は簡単だった。
僕が家を空ける際は換気のために窓を全開で出かけ、家にいる時は窓を閉めるからだ。
ダンボールの上に置いているパソコンは、ダンボールが水に浸ることにより、パソコンが床に落ち、電源が入らなくなっていた。
とりあえずパソコンは乾かすことにした。
床はというとティッシュを大量に使って吸い出した。
豪快な床掃除と思えばそんなに落ち込まずに済んだ。
次の日、パソコンは乾いて使えるようになった。
バイクもさらわれなかった。
このことを友人に話すと、
逆じゃない?普通出かけるときに閉めて、帰ってきてから開けるやろ?と真っ当な指摘を受けた。
それから今日に至るまで外出時は晴れていても窓を開けることはなくなった。
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