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みんなとおなじじゃなくていいの   絵本レビュー「わたしはあかねこ」

自分で思うほど他人は人のことを見ていない。とよく聞くけれども
そのわりに、お節介な言葉は耳に残る。

今回紹介させていただくのは

わたしはあかねこ
サトシン 作
西村敏雄 絵
文溪堂

じっと、こちらを見据えている赤い猫が印象的な表紙。

しろねこさんとくろねこさんの間に産まれた、あかねこちゃん
他の兄弟はしろ、くろ、ぶち、とら

自分ではあかいろが気に入っているのに

どうしてあの子だけ?

なんてことを言われてしまう。

他人と違うことを良しとしない。
ちょっと違うのはいいけど、あからさまに違うのは許されない。

心の中に違和感があっても
「私はみなさんと同じ生き物ですよ」って顔をして生きていく方が楽なんだろうか?
みんなと同じほうが安心する人もいるけれど
自分は違う
今の自分を認めて欲しい

みんなと同じに揃えられたいとは思わない。

読みすすめていくうちに、いろんな感情が湧きあがってくる

変なの 変わってる
子どもの頃に言われた言葉はいつまでも残って
時々、チクチクと痛みを感じるけれど

なんであの時に言い返せなかっただろう
「これでいいの」って

あかねこちゃんの生き方は痛快だ

わたしはわたしよ
って絵本の中から語りかけてくる

だからね、

みんなとおなじじゃなくていいの


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