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東京医大の女子への一律減点の件の根っこにある問題

まずは下の文章を英語で読んでみて問いに答えてみてください。(回答は、日本語訳の後にあります)

【問題】A father and son go on a drive and are involved in an automobile accident. The father is killed immediately, the son is rushed to the hospital for emergency surgery. The doctor walks into the room and says "I can't operate on this boy. He is my son."

Who is the doctor?

日本語だと、
息子とお父さんがドライブに行って事故に合い、お父さんは即死、息子は病院に運ばれ緊急手術。手術室に入ってきた担当医が「この子は自分の息子だから手術はできない…」と言った、というストーリーです。

この担当医は誰ですか?

※日本語で問題を書いたらきっと「主語」で気づいちゃうと思うのであえて英語で先に書きました。

回答例の一つは、

”お母さん”です。

これは、「お医者様=男性」というジェンダーステレオタイプがあると正解につながらない、という問いです。今、東京医大のニュースを目にしている人が多いから普段よりはこの問に対して”ドクターが女性”っていう視点の人が増えてるかもだけど、この問題をパッと解ける人って今までは結構少なかったんだよね。

ーーージェンダーステレオタイプの弊害ーーー
東京医大の女子への一律減点の件、本来なら職場での働き方への環境整備をする必要があるのが問題点のはずなのに、女性を切り捨てることで解決を図ってたんだよね。「女だから」っていう理由だけで。

でもこういう問題ってね、こうやって表ざたになったら「そんなのおかしい!」っていうことがわかる人はたくさんいると思うんだよね。でもきっと上の問いでスラッと「お母さんだよね」ってまだまだ解けない、潜在的な意識の中にジェンダーステレオタイプがある人って多いんじゃないかなって思うんだよね。例えば「子育て」っていうと「母親」しか頭に浮かばないのもジェンダーステレオタイプだよね。

今回の件で思ったのは、そういった潜在的な意識の中にあるジェンダーステレオタイプをまず適切なものにシフトしていく必要があると思うのね。


ーーー性別を理由に生き方を制限されない社会づくりーーー
「障害を持って生まれるっていうことは、本来の障害の特性ゆえの生きにくさに加え、生き方の選択肢が障害を理由に限らてしまう、という社会環境側の問題。だから環境改善をはからないといけない」っていつも私が訴えているように、

女性も同様に今の日本の社会環境では「生き方の選択肢が”女性”という理由だけで限られてしまっている」わけなんだよね。

その原因は、ジェンダーストレオタイプのような潜在的な性差別もそうだし、社会環境がそうさせてる部分って大きいと思うんだよね。

私が以前働いていたアメリカのリハビリ専用の病院では、産休は当然の権利だったし、産休後の職場復帰だって元のポジションに戻るのが当たり前のことで、誰もそれを疑問に思ってる人はいなかったのね。もちろん男性だって育児休暇をとってた。

そういった「職場からの長期離脱&スムーズな復帰」を可能にしているのは、普段から有給で一か月とか休みをとって旅行に行ったりするのが当たり前な職場だったからだと思うんだよね。休みを取る人に対してバックアップのある体制だったからこそ、その理由が有給であれ、産休であれ、育児休暇であれ可能だったんだと思うんだよね。

こんな風に性別を理由に生き方を制限されない社会の実現の為に必要なのは、こういった社会環境の整備も潜在的な性差別意識の解消とともに大切なポイントだと私は思うんだよね。

「女性らしい生き方」よりも「その人らしい生き方」が尊重される社会が日本でも実現しますように。そんな想いを込めてこのnoteを書きました。

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