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怖がりとか、根性とか、やる気の問題じゃない重力不安のある子

子供達が公園で遊ぶ昼下がり、私は前方工事中の渋滞の中にいて、ぼーっと公園で遊ぶ子供達を眺めていたんだよね。

その時に、パパさんと遊んでる2~3歳くらいの女の子が、すべり台の階段の一段目に足さえかけられず泣きそうになってるのに、パパさんが抱きかかえてすべり台にのぼっちゃって、この世の終わりかってくらいギャン泣きになってる光景を目にしたんだよね。

Gravitational insecurity

日本語ではなんと表現されるのか正確には知らないんだけど、直訳すると「重力不安(定)」っていう感覚過敏の症状があります。

感覚の過敏や鈍麻については、ツイッターやブログ、そしてこのNoteでも今まで事あるごとに触れてきたんだけど、聴覚過敏や固有感覚と前庭感覚の鈍麻の子が多いのでトピックはそれらに偏りがち。

でもこの重力不安は、「前庭感覚の過敏」な子にみられる症状なんですよね。

簡単に言うと、自閉症の子に多い、コマのようにクルクル回り続けていたり、トランポリンを跳び続けてても平気な子は、前庭感覚が鈍麻なんだけど、前庭感覚が過敏な子はそれらの全く逆です。

前庭覚は頭の動きや位置、そして重力を感知したりする役割があるんだけど、これらの感覚に対し極端に過敏な子は動くことに臆病になっちゃう。


● 滑り台がのぼれない&滑れなかったり
● ブランコを怖がったり
● 自分の頭の位置より高いところにある物(本棚にある本など)に手を伸ばせない
などなど。

根性やる気怖がりとかの問題として無理矢理なんとか克服するようにされがちだけど、そんな問題じゃないんだよね。
私達だって、バンジージャンプやスカイダイビングをさぁやってごらん、大丈夫だからって言われても一歩踏み出せないでしょ。ブランコや滑り台は前庭感覚の過敏な子にとってはそれらと同じ様なレベルなんだと思うのね。

数ある感覚の問題の中でも、この前庭覚の過敏は中々改善が難しく、感覚統合療法でも「無理させず、亀の歩みで少しずつ」が原則。
だから、家庭でできる関わり…といっても中々いいアイデアがないんだけど、一番大切なのは「無理強いはダメ!!!」です。例えば、今までブランコに座る事すら拒否していた子がブランコに腰かけても、決して押したり揺らしたりしないでください。「自分で」コントロールする=いつ・どれだけ動くのか、自分で見通しがもてる、っていうのがとっても大切だから。

今日の昼下がりに見た女の子がGravitational insecurityのせいで滑り台にのぼれなかったのかはわからないんだけど、少なくとも「無理矢理っていうのはよくないんだよ」「子供の自主性をもっと尊重してゆっくり待ってあげるくらいで子育てはいいんだよ」ってことをたくさんの人に知ってもらいたかったから書いたのが、今日のnote。

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