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偏食のはじまりは突然に

それはほんと突然にやってきた。2歳になる少し前。
ある日突然、息子は白米を食べなくなった。

お茶椀に入った炊き立てのご飯を、必死の形相で押しのける息子。
そういう状態が半年ほど続いた後、突然お米を食べだした息子は、今度は逆に野菜をはじめ、ほとんどのおかずを口に入れられなくなった。
好き嫌いとかそういうレベルではないのは明らかだった。
なんせ、口にいれようとするだけで、反射的にえずいて口にすら入れられなかったから。

食べ物におびえる息子。それは本当に尋常ではない、怖がり様だった…。

息子いわく、
味と匂いへの感覚過敏はもちろん嫌いな物を口に入れられな要素ではあるんだけど、もっと深刻なのは食感とそれに伴う
偏食に、まさか聴覚過敏が関係してるなんて本人の口からきくまで夢にも思わなかった。

息子には感覚過敏で困ってる事がいっぱいあったんだけど、その中でも一番厄介で、健康への直接的な心配があったのが偏食だったんだよね。
だから、思いつく限りの場所に相談に行ったし、色んな事も試した。

でも解決策は見つからなかった。

アメリカに来て、十分すぎるくらい支援を受けられたけど、唯一の不満だったのは偏食の問題だったんだよね。
息子の偏食改善の為に、IEP会議でOTとSTの介入を求めたんだけど、「偏食はIEPが保障する教育支援の範囲に該当しない」という事であえなく却下。

でもその時に腹をくくった。

「何をしても食べられない。ならせめて、食べられるものを楽しんで食べさせてあげよう!」って。

だからある日息子に誓った。


「ママはチャビの体の事が心配だから偏食改善の策を今まで必死で探し続けたけど見つけられないのは知ってるよね。もうね、その線は一旦置いておいて、ちょっと路線変更しようかと思ってる。
今まで”これ一口だけ食べてみよう”とか言ってきたよね。でもチャビはそんなこと言われても口にできないんだから嫌だったよね。でももうこれからは絶対に言わないって誓うから、もう何か食べさせられるのかって怯えなくていいよ。これからは、ご飯の時間は目一杯楽しんで食べよう」と。

その宣言以来、息子は心から食事の時間を楽しめるようになったんだよね。

今では、食べられるものがどんどんどんどん増えて行ってる息子。

「ママが僕を信じて待ち続けてくれたから、今がある。なんでも食べられるって嬉しい♪」っていう笑顔を見られる日々が来るなんてほんと、信じられないくらい私も嬉しい♪

色んな事を試してきて、一体何が一番功を奏したのかはわからないけど、こうやって食事を楽しむことと、あるOTさんと出会い、それがきっかけで感覚統合療法にも出会えたのも大きいんだよね。偏食改善のきっかけは意外にも「聴覚過敏」への取り組みだった。


またその話は別の機会に。

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