発達障害って発達できない障害じゃないんですよ
「発達障害って何かが成長とか発達できないって事?」って不安顔で息子にきかれたことがあるんだよね。
発達障害は、認知や言語、感覚や運動面そして社会性の発達が一般的な発達と「相対的に比べて違う」障害。「発達しない」でも「発達できない」 わけでもなく、発達が「違う」という事でその「違い」に困ってる人達。
だから置かれた環境がその発達障害の人の「違い」にマッチしたら発達障害の人の障害は障害(バリア・生きにくさ)では無くなるんだよね。つまり発達障害は周囲の人や環境との「関係性」によって困難が現れる障害というわけなんだよね。
だから私が、「発達障害は何かが発達しないとかできないって事じゃなく、発達の仕方とかがちょっと他の大勢の人達とは違ってて、得意な事と苦手な事が凸凹のまま成長していくって意味なんだよ。だから苦手な事があっていいんだよ」って説明したら息子は少し安心してくれた。
「苦手な事はずっと皆と同じ様にはできないの?」と息子。
「他の人と比べる事じゃなく、自分の得意な事に比べたら凄く苦手な事があるって事。でも苦手な事があるのはしんどいよね。だから他の子と同じ様になる為にじゃなく、自分が楽になる為に自分に合う方法をみつければいいんだよ」って言ったらほっとしてた。
発達障害の凸凹をならして平にする事が支援だって言う人もいるけど、私は無理して「一般的」っていういわゆる「普通」を目指すんじゃなく、凸の部分をいかして凹の部分もサポートして凸も凹も共に伸びていけばいいんじゃないかなって思うのね。だって凸の部分は発達障害のある人の良さでもあるわけだしね。だからその差がそれ以上開かないように底から支えながら成長を促す感じ。
その為にも息子には、自分の得意な事と苦手な事を知っててほしいなって思ってよく一緒に話し合ってきたんだよね。
息子の場合、自分の興味のある事は本当に詳しくて、難しい言葉もいっぱい知ってるけど、それをコミュニケーションに生かすのが苦手だった。自分が興味がある事を一方的に流暢に話すのは得意なんだけど、双方向の建設的な会話を成り立たせるには、そんな息子の得意な凸の部分は足を引っ張ったんだよね。そういう相反する凸凹は相手に誤解されやすいから、それを知っておくのは大切だと思ったから。
それとね、発達障害の人の凸凹は、得意なことと苦手なことが極端に現れるってことの他に、年齢を重ねるにつれて、体の見た目の成長と、社会性やコミュニケーションの独自性という「見た目と内面の凸凹」も、発達障害のある人が誤解を招き、生きにくくしてる要因でもあるんなんじゃないかなって思うんだよね。
息子は特に実年齢よりも体が大きく、顔だちも大人びていたから、そういう事も全部ひっくるめて、息子には少しずつ自分を知る事に加えて「外から見た自分」に気づいていってほしいなって伝え続けてきたのね。「相手から見た自分はどうなのかな?」って自分を見れるようになれば、自分だけでは解決できない事を誰かに上手にヘルプを求める事ができて、きっと生きやすくなると思ったから。
私はアスペルガーの息子の母として、こんな風に息子や息子と同じ様な困難を持った発達障害の子達が誰かにヘルプを求めた時、この子達の気持ちに寄り添った手助けをして下さる方が一人でも多くなるように、これからも理解を求め続けたいなって思う。そうやって、発達障害のある子達の社会の中での自律を見守っていけたらな。
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