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【箱根駅伝】青学新聞の元スポーツ部長が青山学院大学の区間オーダーを予想してみた。

 ごきげんよう、マーメイド侍です。
 
 今回は、第97回箱根駅伝・青山学院大学の区間オーダー予想をしていきたいと思います。

 というのも、僕は物心ついたころから駅伝が大好き。青学新聞では、箱根駅伝・出雲駅伝に2度、その他関東インカレや記録会にも足を運び、陸上競技部を追いました。ちなみに、あの有名な原監督は、僕たちの取材でも快く応じてくださる本当に優しい方なんです。

 そんな青学新聞でスポーツ部長を務めていたマーメイド侍による区間オーダー予想、やっていきたいと思います。実は、昨年も予想していて、それがこちら。

 まあまあ、でしょうか。(笑)ちなみに毎年趣味でやってる順位予想はですね、昨年は結構調子が良かったんです。

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(シード校9/10正解。創価大の台頭は褒めてほしい…笑)

 さてさて、早速オーダー予想に移りましょう。なお、僕はもう青学新聞を引退していますので、内部事情などは全く知りません。(実は6区は○○が準備してるだとか、そういった情報はひとつも持ってません笑)つまり、みなさんと同じ観点からの予想になりますのでそちらはご了承ください。


1.青山学院大学区間オーダー予想

【区間オーダー予想】

𠮷田圭太④ー佐藤一世①ー中村唯翔②ー竹石尚人④ー飯田貴之③
高橋勇輝③ー神林勇太④ー岩見秀哉④ー近藤幸太郎②ー新号健志④

1区・・・𠮷田選手

 エースの𠮷田選手を1区と予想します。理由は大きく2つ。前回の経験者であることと、2区のランナーに集団で走らせる状況を作りたいからです。

 前回はやや予想外の1区起用でしたが、終盤まで先頭集団に食らいつき、トップと18秒差の区間7位。「2区の岸本(当時1年)を集団で走らせる状況を作りたかった」という原監督のプランを見事実行しました。結果、襷を受けた岸本選手は2区終盤まで集団で走ることができ、落ち着いた走りを披露。中継所手前にはスパートで仕掛けると、トップに浮上し、序盤の流れをがっちりつかむ要因になったんですよね。

 今回は岸本選手がエントリーから外れたこともあり、絶対的な2区候補は不在。前回以上に「2区のランナーを楽に走らせる」状況づくりが大事になってきます。今季は全日本大学駅伝で8区11位、順位を3つ下げるなど悔しい走りを喫した𠮷田選手ですが、11月23日の学連記録会では、10000m 28分27秒の好記録をマーク。箱根では、前回と同じような役割でリベンジを果たしてもらいましょう。ハイペースの1区を経験している𠮷田選手なら、どんな展開でも大崩れせず襷を運んできてくれるはずです。

2区・・・佐藤選手

 前述の通り、前回2区で素晴らしい走りを見せた岸本選手が不在ということで、誰が走ってもはじめての2区になります。神林選手や岩見選手、中村選手などが候補に挙がるかと思いますが、僕は佐藤選手に任せてみたい。

 佐藤選手は、世代間でトップクラスの実力を誇る「スーパールーキー」。全国高校駅伝では、3年時に各校のエース集う1区で区間賞を獲得しています。大学駅伝デビュー戦となった全日本では、5区を担当し、区間新記録での区間賞を獲得。4位で受けた襷を2位に押し上げ、トップとの差を1分以上詰める積極果敢な走りでした。

 なお、試合後の取材では、「区間新を狙っていた」とのことで、走りとしては狙い通りだった模様。いやはや、末恐ろしいルーキーです。2区は23.1キロと往路最長、権太坂などアップダウンも多い難コースです。また、順位の変動も大きいため、ペース配分にも気を配る必要があります。つまり、心身ともにタフなコースなんですよね。本来はルーキーには荷が重い区間かと思いますが、ここまでの活躍を見ると、彼なら対応してくれるんじゃないかなと期待が膨らみます。ただ、それでもルーキーはルーキー。万が一、1区で出遅れてしまうと、焦りからオーバーペースで突っ込んでしまい、後半もたないなんてことも考えられます。ルーキーに少しでも走りやすい状況を作るためにも、このオーダーでは1区での出遅れは厳禁。そういう意味では、前回と同じような作戦で往路序盤を進めていこうという魂胆なのです。

3区・・・中村選手

 今季いちばんの成長株と言っていい中村選手を3区に投入します。全日本では、3区を走り区間3位の好走。2区終了時、14位と遅れたチームを6位にまで押し上げる8人抜きは見事でした。序盤からハイペースで突っ込める印象がありますね。

 このオーダーでは、2区終了時、おそらく先頭には立てていないと思われます。他のチームと競り合いつつ、5番前後にいるのが現実的な展開でしょうか。さて、そこで中村選手に襷が渡るということで、全日本のような攻めの走りで前を追いたい。3区は比較的平坦でスピードのまま押せる区間です。ライバルたちと切磋琢磨し合いながらトップを猛追する。全日本の時の走りを再現してもらいましょう。なお、万が一2区までで出遅れていた場合でも、彼で立て直しを図ります。

4区・・・竹石選手

 注目の竹石選手は4区に予想します。前回の箱根駅伝では、故障もあり無念のメンバー落ち。当時4年だったためこのまま卒業かと思われましたが、なんと留年でのリベンジを決断。驚きのニュースでしたね。

 熱望しているのは、過去2度経験のある山登りの5区。2年時には足の痙攣がありながらも区間5位の粘走で総合優勝に貢献、3年時には区間13位と苦しい走りに。山登りでさまざまな経験をしてきている選手です。

 もちろん、5区でのリベンジも考えられますが、個人的には飯田選手に託したい。となると復路が適性区間か・・・と思われますが、ちょっとひらめいたのが4区での起用です。

 というのも、竹石選手はアップダウンが得意。もちろん上りもそうなんですが、3年時の山登りでは、実は後半の下りからいいペースを刻めていたことも。4区はアップダウンが多く、ペースがつかみにくい区間なんですよね。距離変更があってからは後半に上りもあります。ロードでの安定した走りが身上の竹石選手には相性抜群なのではないでしょうか。ライバルが見える位置でつなぎたい。

5区・・・飯田選手

 さて、その山登りには2年連続で飯田選手を持ってきます。

 全日本での出走こそありませんでしたが、11月の学連記録会では10000m 29分17秒で走るなど調子は上向きに思えます。前回は、70分40秒で区間2位の快走、往路優勝のゴールテープを切っている飯田選手ならば、ライバルと戦える、あるいは優位に立てる区間になるのではないでしょうか。もちろん目指すは往路優勝ですが、たとえ及ばずともライバルの東海大、駒大などと僅差で折り返したいところ。

6区・・・髙橋選手

 復路のスタート6区は、どうやら髙橋選手が候補のひとりになっているようですね。トラックでも10月末に10000m 28分台のベストを更新、走れば初の大学駅伝となりますが、前回の谷野選手のような走りができると理想的ですね。他、松葉選手や横田選手なども候補になるか。

 トップでのスタートならいちばんよいのですが、追いかける展開になることも想定し、7・8区に強力な選手を残しています。復路のスタート6区でいい滑り出しができるかは本当に重要。なんとか追い上げムードを作っていきたい。

7区・・・神林選手

 今回のオーダーでいちばんの肝はここですね。主将かつ切り札と言える神林選手を7区に配置しています。理由としては、今回の優勝争いの勝負所は「7・8区」だと踏んでいるからです。

 全日本大学駅伝を見てもわかるように、もはや「青学一強」の時代ではありません。各校本当に高いレベルで拮抗していますから、箱根でも各区間ごとに首位が入れ替わり、終盤までもつれる展開になると思います。3強+1と呼ばれるライバル(東海大・駒大・明大)に加えて、早稲田大、東洋大、順天堂大なども往路優勝には絡んでくる可能性があります。以前のように「往路を制するものは箱根を制す」・「先手必勝」とも言いがたくなってきた。

 さて、青学としてはこの神林選手がいちばんの切り札。適性区間は3区、あるいは1区ですが、序盤は団子状態が続くと思います。単独走でもガンガン前を追っていける神林選手を集団で走らせてしまうというのは、ちょっともったいないんですよね。

 ならば、彼を最もうまく活用できる区間はどこか。僕は7区と考えます。正直なところ、このオーダーでは、6区終了時にライバルに先行されている可能性が高いと思います。特に往路に3本柱(塩澤・名取・西田)を持ってきた時の東海大や往路優勝を狙ってくるであろう明治・早稲田が相手ならそう。つまり、青学は現時点で追いかける展開になる可能性が高い。

 いくら終盤までもつれるといえど、9・10区の頃には勝負は決まっているかと思います。というか、その頃には、トップを走っている選手には余裕、逆に追い上げる選手には焦りが強くなってきますからね。

 ならば青学にとって、攻めどころはここしかない。近年重要度こそ増していますが、復路のつなぎ区間といえる「7・8区」に強力な選手を配置し、アドバンテージを得る。そう、全日本でも神林選手は7区を担当し、6位からトップに浮上していますから、追い上げる展開は経験していますからね。過去の駅伝成績を見ても、彼は後半区間の方が相性がいいんです。狙うは、この区間でのトップ浮上になります。

8区・・・岩見選手

 先の神林選手が追い上げる・追いつく役割を果たすのなら、8区で勝負を決めにかかりましょう。2年連続の岩見選手をここで投入です。

 岩見選手は、2年時の箱根で4区15位とブレーキ。V逸の責任を感じ、一時期は苦しい状態が続きました。それでも、前回の箱根駅伝で8区に登場。後方から前回MVPの東海大・小松選手が追ってくるも、焦ることなく自らの走りに徹しました。結果、わずか1秒差で区間賞こそ逃すも堂々の区間2位でリベンジ達成。東海大としては、この区間で差を詰めるという計算が実らなかったことから、事実上彼の走りで総合優勝をぐっと手繰り寄せたんですよね。

 さて、今季は4年になりさらにたくましくなった岩見選手。全日本でも4区4位の成績を残しています。このオーダーとしては、神林選手でトップ浮上。岩見選手で突き離し、優勝を決定づけるという展開が理想的。2年時のリベンジ懸かる4区やエース区間2区での起用も予想されますが、前回8区を64分台で走破している岩見選手を同一区間に起用するのは、他校にとって大きなアドバンテージになると考えます。事実、8区は9番手・10番手の選手が起用されやすいこともあり、差がつきやすい区間なんですよね。岩見選手の快走でビクトリーロードを築いていきたい。

9区・・・近藤選手

 残り2区間は逃げ切りを図りましょう。近藤選手は、5000m 13分44秒でチーム2位、10000mも28分35秒でチーム3位の記録を持つスピードランナー。全日本では2区に起用され、区間14位、順位を下げる悔しい結果でしたが、その後10000mで自己ベストを更新し、力があることを証明。箱根路を走る10人には入ってきそうです。

 ややトラック型の印象があるため、7区、あるいは調子よければ3区あたりに配置したいところなのですが、あえての9区起用を推したい。というのも、青学は結構9区にスピードランナーを配置することがあるんですよね。前回の神林選手もタイプ的にはそう。前々回の𠮷田選手もそうなりますかね。92回大会の中村祐紀さん、91・90回の藤川拓也さんなどはまさにスピードランナーですよね。この系譜を受け継いで、近藤選手の9区起用はかなりアリとみます。万が一、この時点で先頭争いが起きてたとしても、近藤選手なら勝負は可能。自慢のスピードで駆け抜けたい。

10区・・・新号選手

 アンカーは10番目の選手になると思います。前回の経験者・湯原選手やハーフ62分台を持つ中倉選手なども候補ですが、ここは最上級生の新号選手の姿を見たいですね。

 原監督がよく用いる表現があります。「大学スポーツは4年生の存在が大事」。このモットーのもと、新号選手に最初で最後の箱根路のチャンスが回ってくるのではないでしょうか。新号選手は、5000m 14分台、10000m も29分台が自己ベストながらも、ロードでしたたかな走りができる選手です。その安定感は、アンカー向きといえるでしょう。

 ただ、これまでの傾向だと原監督はあまり4年生をアンカーに起用しない印象もあるのは事実。前回の湯原選手(当時2年)をはじめ、ここ3大会は2・3年生が10区を担っています。それこそ、先述の近藤選手の起用もありそう。ここは直前まで調子を見極めての選手起用になるのではと思います。2年連続、青学歓喜の瞬間は訪れるでしょうか。

 以上が僕の予想になります。全体的にみると、やはり往路序盤がカギですね。佐藤選手や中村選手といった箱根初出場の選手たちがどれだけ力を発揮できるか。そしてこのオーダーでいえば、「5年生」竹石選手の粘りが非常に大事になってきます。ライバルたちと僅差で復路に望めれば、かなり総合優勝の機運が高まるかと思いますがどうでしょう。(笑)

 そうそう、実はこの予想は青学新聞12月号にも掲載されています。(お前引退したんじゃなかったのかよ)もしよろしければ、こちらもご覧になっていただければと思います。

 注目の区間エントリーは29日(火)。果たして原監督はどのようなメンバーを組んでくるのか、そして当日の展開は⁉ 今年は沿道での応援はできませんが、テレビ・ラジオの前から97回目の継走に熱い視線を送りましょう。

2.マメプレ

 最後に今回のマメプレ。

 マメプレとは、私マーメイド侍が投稿の最後におススメソングを紹介するコーナーです。前回は記念すべき第1回、きのこ帝国で「クロノスタシス」をピックアップさせていただきました。第2回目の今回は「疾走感」を感じさせるこのナンバー。イントロから心が躍らされます。

 UNISON SQUARE GARDENで「シュガーソングとビターステップ」



 今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。


 それでは、ごきげんよう。


 執筆・岩井惇


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