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【人的資本経営ストーリー作成塾】第8回 人的資本経営モデルキャンバス(その1)

CHROFYは、「人的資本」や「人的資本経営」に関する専門家たちのご協力のもと、人事・経営に役立つ情報を定期的にお届けしています。

【人的資本経営ストーリー作成塾】では、事業創造大学院大学 一守靖教授から、人的資本経営や人的資本経営のストーリーを作成する上でのポイントなどを解説していただきます。
前回まで「人的資本経営モデル」について語ってきましたが、続いて、人的資本経営のストーリーを考える際に役立つ「人的資本経営モデルキャンバス」についてお届けします。

人的資本経営モデルキャンバス (その1)

「人的資本経営キャンバス」とは、人的資本経営を可視化するフレームワークであり、具体的には、企業の存在意義、組織文化、経営戦略、人事戦略、人材マネジメント施策ならびに人的資本指標をつなぐテンプレートとして活用します。

図1 人的資本経営キャンバス


これは、「企業の存在意義」、「企業文化」、「企業を取り巻く環境」、「経営戦略」、「人事戦略」、「人材マネジメントの課題あるいは方向性」、「人材マネジメント施策」、「人的資本指標(目標)」という要素から構成されています。

人的資本経営が注目されるようになり、各種の人的資本の開示が義務化されるようになると、筆者のところにも企業の経営者や人事部門の方々から、どのように人的資本経営を組み立てれば良いのかというご相談をたくさんいただくようになりました。こうしたご相談を受ける度に、筆者の頭には次のような疑問が常にありました。
“企業のこれまでの人材マネジメントの取り組みを整理して、人的資本経営という概念が有する考え方を取り入れながら活動全体をストーリーとして繋げるにはどうすれば良いのだろうか?”
これについて考えを巡らせていた時に筆者の頭に思い浮かんだのが、「ビジネスモデル・キャンバス」です。これは、主にビジネスモデルを企画する際に使用するテンプレートで、どのような「顧客」にどのような「価値」をどのように届けるのか、誰と組むのが良いのか、どのように収益に結び付けるのかなど、テンプレートを埋めていきながらビジネスモデルを完成させていきます。
筆者は、この「ビジネスモデル・キャンバス」を活用することによって、全体像が把握できるだけでなく、各要素間の繋がりを把握でき、人的資本経営のストーリーを考える際にも有用なのではないかと考えました。そこで筆者は、先にご紹介した「人的資本経営モデル」を念頭に入れながら「人的資本経営キャンバス」を作成したのです。「人的資本経営キャンバス」は、人的資本経営を冒頭で紹介した8つの要素に分類して、それぞれが相互にどのように連動しているかを俯瞰することができるテンプレートです。

次回は、「人的資本経営キャンバス」の使い方についてご説明します。

人的資本経営ストーリーの過去記事はこちら



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