流浪の民
今日は娘の中学校の文化祭。
文化祭と言っても、近くのコンサートホールを借りて行われる合唱コンクールなのだけど。
中学一年生は、まだまだ声変わりをしていない子どもたちも多いので、元気のある楽しげな歌声だ。
学年が上がっていくにつれて、テノールやバスの声が響く重厚感のある歌声に変わっていく。
子どもたちが選ぶ楽曲も変化していき、中学3年生にもなると、「流浪の民」や「青春譜」だ。
特に「青春譜」は人気があって、毎年3年生のどこかのクラスが選ぶ。
子どもたちに聞くと、1年生のときに3年生がこの歌を歌うのを聞いて、自分が3年生になったら、絶対に歌ってみたい!と思う憧れの歌のようだ。
名前からも分かる通り、どちらも渋い曲で、NHKホールで歌われるような曲。しかもおじさまたちが歌う曲のイメージだ。
子どもたちが歌うと、これまた思春期の不安定な気持ちとリンクしていて、でも大切なその時間を一生覚えていたいというような切実な想いも伝わってきて、なんだか聞いている側も感動してしまう。
「流浪の民」も思春期の感情とリンクするのかもしれない。遊牧民のことを歌っている曲。
思えば私も、いつもどこかで安住の地を求めていたっけ。つい最近まで。
そう、どこか故郷を探していたのだ。
安心できて、いつでもみんなにWelcomeされて、信頼し合い愛し合い・・・
そんな安住の地である故郷をずっと探してきた。
私はどこかこの世界には自分の故郷はないって思っていた。実家でさえも、ちょっと違うなと思っていたのだった。
そして、その感覚はある意味当たっていた。
きっと同じようにみんなどこかで故郷を探している。
だから逆に、そろそろ自分の故郷をここにも作ってもいいのかなって思い始めているところだ。
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