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つまらない現実をゲームみたいに楽しく過ごすライフハック

現実はつまらない?


コロナで家にこもる日が続いている。

平日は仕事へ行き、休日はスーパーに行く。
あとはNetflixで映画を観たり、ゲームをしたりと代わり映えのない毎日だ。


たまには羽根を伸ばして旅行でもしたいなあと思っていたのだが、またもや非常事態宣言が出そう。小池百合子も「東京には来ないでください」といっている。

まだまだ在宅な日々は続きそうだ。

私はもともどインドア派な人間なのでさほど困らない。
が、唯一、ゲームをやりすぎてしまうという深刻な問題がつきまとっている。

最近はAPEXにハマっていて、毎日のように銃を撃ち合っている。これがまた楽しくて時間がいくらあっても足りない。
夕方くらいになるとオンラインに小学生が増えて、なんか微笑ましい気分になる。(技術の進歩で、なんといっしょにプレイしている見知らぬ人と音声通話ができるのだ)

巷ではウマ娘とか、モンハンとか、新しいゲームの話題に事欠かない。
現実はこんなにも退屈なのに、ゲームの世界はなぜこれほどまでに人々を魅了してやまないのだろう。

そんな疑問を学問にしたのがゲーミフィケーションだ。
今回は、このゲーミフィケーションの考え方をもとに、現実を楽しくハックしていく方法を紹介したいと思う。


ゲームの核になる3つのもの


世界最古のゲームは、マンカラというボードゲームらしい。

すこし前に任天堂がCMを流していた「世界のアソビ大全51」で紹介されていたので、耳にしたことがある方も多いだろう。


自分のポケットにある石を少しずつ置いていき、相手よりも早くなくなったほうが勝ちというシンプルなルール。

発明されたのは紀元前だそうなので、すくなくとも2,000年以上は遊ばれていることになる。これほどシンプルな遊びの、どの要素が人間を惹きつけてやまないのだろう。

それは、大きく分けて3つある。

1.フィードバック
2.ゴール
3.障害

ひとつずつ詳細と、応用する方法を考えてみよう。


1.迅速なフィードバック


ゲームをプレイするとき、様々な要素が可視化されている。

マンカラであれば、ポケットに置かれた石の数がそうだ。自分のノルマがあとどれくらいで、相手はどのくらいの進捗で、そして自分はどれくらいゴールに近づいているのか、手を動かすたびに知ることができる。


私の大好きなAPEXなら、ダメージやキル数、拾ったアイテムなどを逐一教えてくれる。
スプラトゥーンでいえばボタンを押すたびに画面に色が塗られていく。

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私たち人間は、自分の行動が目に見える結果になって返ってくるのが大好きだ。ゲームの本質は、まさしくこの「結果を見える化」したことにある。

行動したら、結果が返ってくる。
シンプルなようで、感じるのは難しい。

たとえば今日一日の仕事で、あなたはどれほど利益を上げただろう。
その製品が売れたのは自分のおかげ? それとも営業が頑張ったから?
ダイエットであれば、筋トレの消費カロリーは?
食事制限で一回につき何グラム痩せる?
1時間の勉強でテストの期待値はどれくらい上がった?
覚えた単語の総数はいまどれくらい?


どれもぱっと答えられる人はほとんどいないのではないだろうか。私自身、毎月のノルマというか売上目安はあるけれど、一回の商談でどれくらいの成果があったのか把握はしていない。


そう、現実は意外と「何も教えてくれない」のである。

ゲームはなにを聞いても答えてくれる機械なので、人間は反応が面白くてついつい何時間も遊んでしまう。


このフィードバックの早さ、頻度が、ゲームを面白いと感じるメカニズムの中心だ。


では、このフィードバックを現実に組み込んだら、どんなふうに楽しくなるだろうか。


たとえばアップルウォッチでは消費カロリーや走った距離がリアルタイムで表示される。
Netflixはフィードバックの文化がとても強力で、ありとあらゆる場面で他人からの評価が受けられるという。

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事務処理が多いなら、こなした案件の数を毎日記録してみよう。データが溜まってくると自分がいかに頑張ってるかわかって楽しくなるはずだ。


仕事がつまらないなと感じたら、それはだいたい上司のフィードバック不足だ。そんな上司のことは忘れて自分の人生をゲーム流にハックしてみよう。

自分で自分の仕事を「可視化」することは、仕事の成果のアピールにもなるし、なにより楽しさが倍増するのでぜひ試してみてほしい。

私の場合、noteの閲覧数だとか、フォロワー数などを細かくチェックして、記事を書いたことに対するフィードバックを得られるようにしている。

仕事には……まだ応用していない。


2.明確なゴール


人生の目標はなんだろう。
お金? 家族? 幸せ?


人間はぜいたくな生き物で、目標が明確になってないと走り出せない。
漠然とした方針だけではやる気がわかないのだ。

その点、ゲームは明確にゴールを教えてくれる。


敵を全部倒したらチャンピオンになれるよ
手持ちの石を全部おけたら勝ちだよ
落ちてくるブロックをうまく並べたらポイントが入るよ

こうしたわかりやすいゴールがあって、ようやく人間は動き出せる。
ゴールは遠すぎてもいけないし、近すぎてもいけない。
適度に区切りをつけて、しかも手が届きそうな距離におくのが大事だ。

お金であれば、年100万円貯金するよりも月8万円のほうがベターだし、日に3000円のほうがもっとやる気が出る。

携帯代や、水道光熱費、食費ーー今日はいくら節約したぞ、というのがわかれば、ゲーム感覚で貯金がはかどるはずだ。

仕事では一日のタスクを一気に書いてしまい、終わるごとに消していこう。それは村人たちからの依頼をこなしていくクエストのような感覚に近い。やるべきリストが真っ白になったとき、胸の奥からわきあがってくる高揚感に打ち震えるだろう。

この記事を書くときも、あらかじめ見出しを決めてしまって、そこを埋めるように書きすすめている。一気にゴールを目指すのではなく、途中のポイントを決めて、細かく区切っていくのがコツだ。

ゲームでも、ガノンドルフを倒すのが最終目標としてあり、その前に必要なアイテムを集め、ダンジョンを攻略し、ハートの器でちょっとずつ強くなって……と、段階的に目標が決められている。

目の前のニンジンにつられて走っているときがいちばん楽しいものだ。


3.適度な障害


スーパーマリオは革新的なゲームだった。
とにかく右に進むことを目標にして作られている。

プレイヤーはゴールがどこか教えられなくても、なんとなく右に右に進むことを意識してしまう。

だが、これがもし平坦な道で、途中にクリボーはおらず、ただ旗を目指すだけのゲームだったらどうだろうか。

間違いなく極めてつまらないゲームになったはずだ。
ゴールまでの道のりには敵キャラがわんさか控え、時間制限もある。
そんな障害があるからこそ人は燃えるのだ。

だが、この障害の調整が難しくて、簡単すぎると退屈だし、難しすぎると最初から諦めてしまう。
その按分を考えるのがゲームデザイナーの腕の見せ所だ。

将棋でたとえてみると、私が藤井聡太とふつうに対戦しても、30手くらいでボコボコにされてやる気を失ってしまう。
それが飛車と角という将棋界最強の駒を落としてもらって戦うと、おそらくいい勝負になるのである。
逆に王様以外全部の駒をなくしてもらったら、相手が誰であろうと簡単に勝ててしまってつまらない。

同じルールで戦っていても、障害の有無で楽しさが変わる好例だ。

テトリスなんかも、最初は簡単でも徐々に難しくなっていくので、以前の自分を超えたくて何度も挑戦してしまう。

押すと餌が出てくるスイッチを使った実験では、かならず餌がもらえるスイッチではなく、ランダムに出たり出なかったりするスイッチのほうが押されるそうだ。

迫りくる障害を乗り越えると、人間は達成感を得ることができる。
次の瞬間には、新たなゲームにチャレンジしたくなっているはずだ。

仕事にいかすなら、昨日よりも早く退勤するとか、メールを返す時間を早くしてみるとか、自分との競争をしてみるのがいちばんお手軽だろう。

前回の記事よりもPVの上がるものを……という意識でがんばるのが、文章の上達する近道だ。


まとめ

この記事では、ゲーミフィケーションを使ってライフハックする方法を考えてきた。


フィードバック、ゴール、そして障害がそろったとき、人間は何にもまさる集中力を発揮できる。

自分の人生を、究極に自由度の高いゲームにするためには、毎日を細かく区切って、ひとつずつ着実に進歩している実感が大事だ。


すでに挙げた3つの要素に加えて、魅力的な報酬(フィードバックの一種)とか、仲間との協力プレイ(必須ではない)もゲームを盛り上げてくれる。


人生が退屈だと感じてきたら、いますぐゲームの世界に転生してみよう。
思っているよりずっと、簡単にできるはずだ。

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