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目的と手段のはざまで-6章(4th Quarter) / パス編

6.passing is a lost art(パスとは失われた芸術だ!) 

僕自身、パスという手段は、ボールをペイントまで、そしてノーマークの味方まで運ぶのにこれほど効果的なスキルはないと思っています。それはいつどんな時でもパスのスピードに人間は追いつけないから。そうパスすることで空間を移動するボールは人より断然早いんです(笑)。ドリブルで進む人、全力疾走するディフェンス、誰よりもです。
当たり前に感じると思いますが、この本質を的確に捉えて、パスを適切に使える選手には、多くの天使たちが微笑んでくれるはずです。テンポよく連続してつながったパスは、芸術に例えられるほど美しいと感じるときもあるほどです。
そして芸術は爆発だ!の言葉の通り、これほどイマジネーションに富んで想像力が試されるスキルはありません。僕の中でもNBAやプロ選手を観察する中でバスケIQが高かったり、いわゆる天才と言われる選手などは目の覚めるようなパスを思いもよらぬ形とタイミングでやってしまいます。革新的創造力をもったプレーヤーはパスさばきで相手を手玉にとることの威力をよく理解しています。
初めは失敗も繰り返しながらもぜひ芸術的な世界観を作っていってください。

7.パスのwindow (機会の窓、空間の窓)

僕はパスのことをこう考えています。パスとはバスケのコート上に開いたり閉じたりする空想上の窓=windowにボールを通して味方にボールを届けることだと。このようにパスを考えると、選手2人の共同作業における準備段階では、いかに窓の面積を大きくするか?そして実際に通す時には、どのような角度でボールが通過できるようにするのか?が非常に重要になります。

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