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NBAの本当の意味

みなさん、こんにちは。佐々木クリスです。
noteを投稿するのは久しぶりですが、最後に記事をアップしてから世界の状況は一変してしまいました。

世界中で文化的なイベントは自粛や中止を余儀無くされ、こういった環境の中でスポーツが果す役割は何か、僕も自問自答する日々が続いています。
Bリーグはシーズンが中止、NBAは中断。それでもバスケが好き!バスケを楽しみたい!という方々のために少しでも貢献したいと思いnoteを再開します。是非1人でも多くの方に届くことを祈っています。

バスケットボールからも愛されるプレーヤーになろう

さて、今回公開していく予定なのは、足掛け2年くらいかけてしたためていた内容です。

連載コラムのタイトルはズバリ『バスケのなかみ(解説書)』です。

タイトルに(解説書)とある理由はいずれ分かるかも知れません...

コラムの目的は、

・「バスケットボールの本質は何か」を知ることで、プレーや観戦、コーチングが何倍も楽しくなる。
・共通言語の確立
・バスケットボールをプレーする、コーチングする為のHOWを解説する本でありながら、WHAT、WHYの部分も理解を深める事で通常のHOW TO本では得られない気付きの深さと成長を提供すること。
・新しく練習メニューを考えなくても、今やっているメニューの効果が格段に変わる!

といったことになります。

僕がよく子供達に向けて話す言葉に置き換えるなら、

バスケを愛して止まないだけじゃない、バスケットボールからも愛されるプレーヤーになろう』。
プレーヤーではなくコーチでも良いのですが、そんなことにつながる気付きを沢山盛り込んでいきます。

本来、この企画を練ったときは、「バスケットボールのマスターピースを作り上げよう」と意気込んでいたので、自分の理想と一ミリでもズレていたら世の中には出さないつもりでした。

しかし、今こんな時だからこそ歩みを止めない、そしてみなさんからのフィードバックも頂きながら書き進める、そんなコラムがあっても良いと気持ちの変化が生まれました。その先には僕が理想としている共有財産としてのバスケットボール文化も広がっていく、そんな世界を描いています。

NBAの本当の意味

というわけで、ここからが今回の本題ですが、連載予定の内容公開を始める前に、ちょっとした前菜をお届けしたいと思います。

それはNBAの本当の意味についてです…

クリニックやバスケ・スクールなどで僕がお話をさせて頂いていることを文章にまとめました。ちょっと寸劇調なので小っ恥ずかしいですが、僕のクリニックに遊びにきたと思って是非読んでみてください。

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とある街の体育館で…

ホワイトボードにマーカーで文字を書き書き…

N、B、そしてAと続く…

みんなこのNBA、頭文字の意味は分かるかな?

そう、僕もゲームを解説している、NBAはNational Basketball Association=全米プロバスケットボールの略だね。世界最高峰のアスリート達が集う、超一流のバスケットボールリーグで観ていても面白いし、学べる事も多いと思うんだ。

そんなNBAの頭文字だけれど、僕は実際ほかにも意味があると思っている。それが何かわかるかな?

しかもそれはみんながこの先もバスケットボールで大きく成長し、大きな成功を納める為にも欠かせない哲学と大きく関わっているとクリスは思っている。

いい?じゃ早速答えを伝えるね。NはNext、BはBest、AはAction、繋げるとNext Best Actionと読める。直訳すると「次の、最善の、行動」となる。どういう意味だろう、少し考えてみて…

OK、それでは種明かし。

バスケットボールというスポーツは必ずミスが起こるスポーツなんだ。少ないに越した事はない、でも必ず起こる。一番起こっても問題ないのはシュートミス。他のミスは、ドリブルミス、パスミス、リバウンドミス、不必要なファウル、トラベリングなんかもそう、どう?まだまだ思いつく?

どんなに頑張ってみんなが集中していてもミスが起こってしまう…

これはもう避けられない。プロでも同じ。このなかにミスした後にコーチや仲間にどう思われたか心配になった経験がある選手はどのくらいいる?誰もが1度はあるよね。1度じゃきかないと思う。だってミスは起こるんだもん。周りの人、お父さん、お母さんにも厳しく言われたかも知れない『何してんだ!』ってね。中には自分で自分に『バカ、バカ、バカ』罵声を浴びせたりしていないかな。

みんなはこんな時どんな気持ちになる?恐くなって、下向いたり?こんな時に良いプレーって出来るかな?難しいよね。
他にもファウルをしてしまって、でも判定に納得が行かず審判の方に説明を求めたとして、もし審判の方が取り入ってくれなかったらそのまま話を続けるべきかな?

もう相手はボールを投げ入れているかも知れない。その間に得点されてしまったら、ミスにさらにミスを重ねる事になる。これは良い判断と言えるだろうか?

言えないね。ミスは起こる。でも僕たち人間は過去に起きた事を変える事は出来ない。試合でコントロール出来るのは次に起こる事、これだけ。だから過去のミスに引きずられて自分自身を縛ってしまったら解決出来ることはひとつもない。

試合中はミスを修正する為に冷静に考える僅かな時間は持っても良い、タイムアウトの時にチームメイトとコミュニケーションしてチームでも解決出来る。でもバスケットボールがメンタルスポーツと言われる所以はここにもあると思うんだ。とても気持ちの強さ、タフネスが必要で、色んな経験をしないとNext best actionは簡単には出来ない。

けれど、ミスは自分を成長させてくれる。大事なのはみんなが失敗して転んだ回数ではなくて、起き上がる回数。だからどんどんミスして大きくなろう。そしていつでもNext best actionを意識してね。

チームメイトに対しても同じ、ミスして気持ちが落ち込んでいるチームメイトにみんなはどんな声をかける?Next best actionは自分自身だけの意識じゃないよ。今なれる最高のチームメイトになる手助けもしてくれるはずさ。

OK、みんないい目をしているね。そんなみんなにもうひとつ取って置きのNBAの意味、教えちゃいます。

プロのNBA選手が良く、このリーグの競争の激しさ、生き残りの厳しさを表現してNo Babies Allowed とNBAを例えるんだ。日本語に出来る人?

直訳すると”赤ちゃん出入り禁止”となる訳だけれど、もっとNBA選手の表現に近づけた意訳をすると、“あまちゃんが来るところじゃねぇ”となるかな。

さっきも言ったよね、バスケを高いレベルでプレーするにはタフネスが必要だって。NBAのレベルではさらにタフだと言う意味になるよね。でもクリスはこの言葉を別の意味でも捉えている。誰かboyとmanの違い、”男の子”と”男性”の違いを説明できるかな?

そうだね、大人かどうかがニュアンスとしては違うのが分かるよね。じゃ大人ってなんだろう?日本ではみんながなりたいかどうかは別として20歳をむかえると法律上成年として扱われる。つまり大人と定義される。ここまでは分かるね。でもクリスの中で大人って自分の行動に責任が持てるって事なんだ。

みんなはまだboysやGirlsだね。今はboysやgirlsとしてバスケをして、地区や県や全国で優勝する為に毎日頑張っていると思う。でもみんなの成功は優勝したかどうかだけで決まるものなのかな?もちろん応援してくれる人の為にもベストは尽くしたいよね。優勝も経験出来るかも知れない。でもバスケを通じてみんなが何を学ぶのか?チームメイトに対して、自分のパフォーマンスの結果に責任を持てる?チームで決めた約束は守れる?応援してくれる両親に責任を持てる?コーチに対しては?

バスケットにみんながひたすら打ち込んで、チームメイト同士がお互いに助け合っていければ、みんなはプレーヤーとしても人間としても成長出来ないかな?このなかでNBAに行ける人はいないかも知れない。Bリーグに行ける人が1人いるかも知れない。

でもみんながこの素晴らしいスポーツを通じでお互いを高め合う事は出来る、Next Best Action常に最善の行動を心がける事とNo Babies Allowedの精神、行動に責任を持つ事を心がけていればみんなが成功を掴む事が出来ると思わない?今バスケが出来る事に感謝して、見守っていつでも味方してくれるご両親に感謝して、自分を成長させてくれるチームメイトとコーチに感謝だね。

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『NBAポイント』をどれだけ稼げたか

お付き合いありがとうございました。

今は子供も大人も思いっきりバスケをする環境が奪われてしまっています。ある意味コートに立っている時以上に“良きチームメイト”であることが問われている気がします。

今回紹介したNBA理論、僕はクリニックや教室で子供達に語りかけて、練習中もベストを尽くしたか子供達自身に考えてもらうのが好きです。
そして小学生や中学生がゲームをやる時も通常のシュートによる加点のゲームばかりではなく、『NBAポイント』をどれだけ稼げたかで得点を増やしたり、フィードバックをすることも多いです。再び僕たちがコートで集まるときには是非Next Best Actionをコートでもぜひ実践してみて下さい。

そしてそれまでにみんなでNBAポイントを沢山稼いでおきましょう!

それでは次回からは実際の『バスケのなかみ(解説書)』を公開していきます。
お楽しみに!

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