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ポパイのほうれん草-4章(2nd Quarter)-後編

前回に引き続き4章『ペースとスペースのなかみ』についてお届けする後編です。個人的にはセットプレーを考えることや特定の技術の習得に非常に多くの時間が費やされている一方で、スペーシングの細部にまでこだわり抜いて考える時間は十分に使われていない印象です。この後編もみなさんにとって有意義なnoteとなることを願っています。

6. スペースを作る強力な味方、ペースとボールプッシュ

コート上、特にハーフコートでの攻撃の際に立つスポットを選択していく以外に、スペースを広く使える方法があります。それは早いボールの押し上げです。ドリブルで一気に駆け上がる、パスを前方の味方に一気に飛ばす、バスケ用語で言えばボールをプッシュすれば試合のペースが上がります。意図的に作るアップテンポな状態です。

このような時にコート上では何が起きているのか。瞬間的かもしれませんが、攻守の切り替わりの中で、ボールよりも後方に両チームのプレーヤー数人が取り残されたとします。すると完全な速攻ではなくとも数秒の間、5対5の試合が3対3になったり、2対2や1対1にもなりますよね?
これは攻撃にとって明確な数的優位ではありませんが、スペースという栄養剤、そうポパイにとってのほうれん草or孫悟空がスーパーサイヤ人状態なので、1対1が非常に狙い易くなっています。

こういった考えはNBAの中では非常に活かされており、近年は試合中に放たれるシュートの半分以上がシュートクロック残り12秒を切る前に放たれています。そして早めに攻撃しているだけでなく、この時間帯のシュートは1回の攻撃で1点期待できるシュートということも統計上証明されています。これを知っているNBAや各国世界のバスケットボールはどんどんアップテンポ化しています。

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