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GENJI*REDISCOVERED       今日の源氏物語  『光る君へ』21

二条高階邸、植え込みに隠れて、邸内の様子を見てる二人。…って、
のちの紫式部-まひろ と、清少納言。「この二人に面識はない」という
「定説」度返しで盛り上げるドラマ。 
定子、髪を切る。刀で。…鋏でなく。「髪を下ろす」と言えない立ち回り。
は、定子の「死ぬ覚悟…」を表すため…か。
「出家いたします。」に叫ぶ清少納言。を、止めるまひろ。
*「髪をおろす」=「出家」は、それまでの世間との一切の関係を断ち切る
という事で、家族とも、夫婦でも、他人となる覚悟のこと。社会性からいうと「生きながらの死」…同然の状況を、自ら選ぶ。ということ。仏への帰依
「信仰」の体現…とされるが、極限まで追い詰められた時の、当時の唯一の
手段であった…とも。だから、今の感覚での「髪、短くした。」ではなく、
だから、「頸を突くの?」って演出を挟まないと…この時の感情、伝えられない(のでは)と思っての映像だったか。
*と、賑やかなウエッブの『光る君へ』サイトの中に「出家とは自死に値する行為」で、「当時は自死はなかった」と言っているのがあったりしていますが、「自死」は「自死」でありました。でないと『源氏物語』の「浮舟」のお話しが成立しません。
帝「朕のせいだ。ちんに腹をたて」と。実際のその時の一条天皇は16歳。誰であれ演じている俳優の年恰好からの納得というか、ストーリーの享受…
となるから、(まひろの年齢もだが、)ドラマでの納得に、史実との乖離の危険性を感じる。若く見えても29歳の俳優さんが演じていると…どうしても…彼らの実年齢での出来事…と錯覚してしまって…。
誰も止められなかった中宮の「出家」「自分の責任」と実資。
「もう会わぬ覚悟なのか。」と帝。
で、オープニングタイトル。
配役に「オウムの声」って。登用が話題となる有名な声優さんだそうです。

為時邸、宣孝の「その場に居ったのか!」(は、聴視者も含め世の全員。)帝のご寵愛から察して「すこぶるよい女だろうにもったいない。」と宣孝。
おかわいそうな中宮さまに下品なと怒るまひろに、「ご無礼を…」と。そして「見方換えると、特をしたのは右大臣さま。」
「些細な事を道長が大きく煽ったのでは。」「または女院による謀やも。」と。どうじゃと問われ、まひろ「なるぼどと思いました。」と。
任官の挨拶周りから戻った為時「みな中宮さまの出家の話ばかりで…」と。
定子、髪-かたちんば…(は、ダメな言葉か…。)左右で長さ違ってる。
まだ「おぐしのきりそろえ」「正式な出家」出来ていない。という事か…。
やって来た清少納言を「帰せ。」と拒むが…
の時の清少納言の「表着(うわぎ)」の模様、格子の中に丸紋…は、表具の取り回し用の生地みたいで。「紋」でも「柄」でもなく「模様」という…
微妙すぎる…お話しなので…またの機会に。
「覚悟決めてまいりました。もう離れません。私も髪をおろします。」と
聞いて、倒れる中宮。 清少納言に頼れる…と、気が緩んだのでしょう。
実資夫妻、不満をもらす細君に「伊周を見つけねば辞められない。今少し待て。」と繰り返す実資。
中宮別邸、再度の捜査。 僧衣の伊周出て来る。が「剃髪」は嘘。…でも、髪ちょっと…短いよ。中途半端に。 「見苦しい兄上。」と定子。
「直ちに太宰府へご出立を。」と急かされるが「父との約束、ココを離れられない。」とダダ。母・貴子が「一緒に行こう。」と。
御簾の内からその次第を見ている中宮。を見ている清少納言が、中宮の「つわり」に気づく。(あの、登華殿を許した道長の起こした事…)
帝、母明子の同行許さず、海辺の道で、追ってきた実資ら検非違使に、
牛車止められる。 …んだけど、「追って」来たのに…なんで前方から?
道長も来てる。道長右大臣、何も言わない。
引き離される母と長男。 咎人扱いだからか、高階貴子、衣冠の検非違使でない下郎に掴まれてる…。 没落をよりイメージさせるためでしょうか…。
「二条邸」火事。定子独り火の中。 ((この演出…『吉原炎上』(古!)か。))
「逃げましょう」と駆け付けた清少納言に「私はココで死ぬ。もう良いのだ。」と言う定子。「中宮さまはお腹お子のため生きねばなりません。」
と泣かせるドラマ展開。 
当時、失脚した貴族の家が、火事になる事が多かった。とのことで、
敵対する者とか、いやがらせ、盗賊等=他者による放火…と思っていたが、そうか、自分で火を放って終わりにする。というのがあったかと、史実の
「二条邸焼亡」のこのドラマ展開、またしても「大石本」に脱帽です。
… 誰が、とか、どこからの火かは明確にされてはいないですが。
詮子、物思い。「道隆の兄上己のお命のことご存知だったのかしら。」「貴子さまお気の毒。」「この事態、道隆兄の焦りから始まった気がする。」と
倫子と「先の事」の判らなさ、話している。
まひろ、琵琶を弾きながら、伊周の騒動、中宮の出家、高階の没落等々が、「道長の策略」かと悩む。
道長が左大臣に、実資は中納言に。
実資、道長に「うかないお顔。」と。昇進を手放しで喜んでいない事察知。で、出家してしまった中宮定子の代わりの「妃」探し始まる。と。
藤原公季長女義子だ、右大臣顕光長女元子が、と詮子。に、
倫子が「あまりにお元気になられて。」と笑う。「あの呪詛は不思議
でございました。女院さまとお父上は仮病がお得意だったとか。」と、
詮子も道長も物を言えない倫子の洞察…というか、「呪詛」の首謀者が余計に判らなくなるウマい落し方。 (…道長は、関わっていないと思う。)
為時邸、清少納言が来ていて、定子「ご懐妊」をまひろに話す。
「(知らせる術なく)帝はまだ知らない。」「禍を恐れて公表出来ない」
心細い状況を嘆く納言。「中宮さまをお元気にするよいお考えはない。」とまひろに尋ねる。
ココの二人、いい「絵」。
左にまひろ、淡い緑の表着にピンクの襲。右に清少納言が、薄い黄色の表着から赤の袖口を覗かせている。
『枕草子』「跋文」からの有名な「紙を賜った話」を、清少納言と紫式部に語らせるとは。「大石本」…もう脱帽する帽子が無い…というか。
伊周からの「紙」という事。『枕草子』の名の由来-「帝が写される『史記』…「シキ」…「敷(布団)」に対しての「枕」」と「『史記』と同音の「四季」」。という清少納言の機転を見抜くまひろに「よくお分かりね。」「言葉遊びお上手なのね。」と、お互い様同士。
清少納言独り、明け方、キョキョキョキョキョ。(は、ヨタカの鳴き声)
筆を走らせる。「はるはあけぼの」って。 紙一枚。に「春」だけ。
部屋の真ん中に横たわる定子からは-離れている「框」に、そっと、御簾から差し入れて。「夏」はほたる…いえ、夜。 春、夏、別々な紙か。映像の「季節」巡ってる。春の「花」も秋の「紅葉」も、御簾内にまで散る。のは「心象風景」なのか?
「たったひとりの悲しき中宮のために『枕』は書きはじめられた。」が、
この後「定説」になって行くのだろうか。…「源経房」が持ち出して…と
同じ「跋文」にあるあの話しは…。
道長の前、赤い袍の為時に「越前移した宋人に、博多以外の新たな交易の場(港)は作らない。と解き、速やかに穏便に帰国させよ。」と指令。
「商人とは嘘で、70名の中に都を狙う官人、軍人もあるやも。」に、
為時、出立が近づくしたがい気が重くなる。壮行の宣孝「国司で蓄財」の話に「父にそんな事できぬことご存じでしょう…。」「軽薄な」とまひろ。
「いつから叱られる立場になってきたかな。」という宣孝との婚姻もいよいよに。 「良い人をみつけて、宋に渡ってしまうかも。」
弟・惟規、「本日、文章生に。」で祝い。イトさんは「残る。」と。若様のお世話するため。
まひろ、文。
そして、夜、道長と逢う。六条のあの廃園。(たぶん道長家の管理下の物件…なのでしょう。でないと、危ないあぶない。)キ キ キ キ、虫の音。
まひろ、父の任官の礼。 道長、
「おまえが書いた文、帝がお褒めであった。」と。やはり「代筆どころか、代作。」 バレた?とまひろ「わかるの」「判る。おまえの字は、」道長。
いろいろの両者の利が一致して良かった…。
まひろ「最後にお聞きしたいことがあり、文を。」と「謀て説」問う。
「そうだ。だから何だ。」という道長に、まひろ微笑んで「つまらぬ事を申しました。世間に惑わされ。あなたはそういう人ではないと。」確信。
だが、道長は、「似たようなものだ。おれの無力のせいで、誰もかれも、不幸になった。」「おまえと交わした約束、まだ果たしてない。」「これから…も見えぬ。」と現状への思い。そして、「おそらくオレはあの時
遠くの国に逃げていてもおまえを守りきれなかったであろう。」との反省。
まひろは、「彼の地で共に滅びるのも良かったのかもしれません。」と。
「越前寒いそうだ。からだ厭え。」「はい。道長さまもおすこやかに。」
まひろから、寄り添う、抱きあう。 自然な成り行き。…「台詞」をほぼ全部書き起こしている…。なんだかなー。名場面…なのかな。
「この十年。あなたあきらめたことを後悔して生きてまいりました。」
「なぜあのとき己の心に従わなかったのか、いつもいつもその事悔やんでた。つまりつまり。」「いつの日もいつの日もそなたの事を…。」と二人、あらためて「告白」しなおして、離れる。
身を離してまひろ「今度こそ、越前の地で生まれ変わりたいと願っております。」という覚悟。大人。 「身体は厭え。」と道長。
口づけ。
『琵琶湖』湖面を渡る舟(のドローンでの俯瞰)。 まひろ琵琶弾いてる…琵琶湖で。(は、現代でのシャレ)
当時は『近江のうみ』『淡海(あうみ)』『志賀のうみ』という名称で
「琵琶」の形…という認識もあったか無かったか不明。 
雨に遭ったり、深い山道…だったり。山中での「音」啄木鳥系の「ドラミング」とのことですが、いや『ジブリ』の『もののけ』の「コダマ」でしょう。という(『ジブリ』後の)現代。 しきりに鳴っている鳴ってる。
「深山」の感じ満点。
為時「国府に入る前に…」と、『松原客館』に寄る。
騒いでる宋人たち。
「静かに」と「宋の言葉」で自己紹介を始める為時。 …群衆また騒ぐ。
館の隅から、松下浩平が見てる。 また『純愛』始まるのかな…。
宋からの白いオウム。 

毎回ながら、驚きの展開の、「本」の凄さが『光る君へ』です。


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