ああいとしの腸さん

今日の夕ご飯は雑炊。
お盆明けのこの時期、だいたい私は体調を崩す。普段会わない人と会う嬉しさとソワソワ緊張、外食が増えること、ご馳走の食べ過ぎ、そもそも暑いからアイスや冷たいものの食べ過ぎ……
数日前から胃さんが疲れてるナーというかんじはしていたが、腸さんは頑張ってくれていた。しかしついに、今日ハチャメチャな腹痛。腸さんもやっぱり、疲れてしまっていた。

お腹の痛みでトイレにいるとき、懺悔する癖が小さい頃からある。ごめんなさい、ごめんなさい……て、心で唱えながら、時に声に出しながら用を足す。誰に謝ってんだい？　きっと腸さんに。自分のからだに。無理させてごめんね。負担かけてごめんね。……すごくがんばってくれていたんだね、ありがとう。
トイレは暑くて、でもすぐには出られなくて、湧き上がるのはじんわり汗と、自分への労り。全力でお腹をサスサスする。

つい先日に持病の潰瘍性大腸炎の診察があり、検査結果は良好だったため、今の不調は完全に、私の心のオツカレの積み重ねだー。思えばお盆に色々あった。仕事も忙しかった。暑さもやばかった。でも毎日がんばった。
こうしてシーズン終わりごとに振り返り反省会をするのが、すっかり私の恒例になった。でもそれでいい。一生反省会するよ。私は私を、見つめて労り、癒やし、一生懸命慰めていくよ。

トイレで懺悔し、布団にへばりつき、ひたすらに自分を休めた日。
夜になり、少し食べたい気持ちが出てきた。
この、腹痛明けの「少し食べたい気持ち」が私的にすごく尊い感情。食欲の中でも最上級に尊い、感謝すべき食欲。キング・オブ・食欲。ありがたい、ありがたいよ。暗闇の中にやっと咲いた、小さな可愛いお花みたいな眩しさ。

今日の夕ご飯は雑炊。
汁気多めのサラサラ系。具はちっちゃくちっちゃくみじん切りした椎茸と長ねぎ。味付けは牛肉だしの「ダシダ」と、みりん、しょうゆほんの少し。最後に卵でとじて、出来上がり。
おそるおそる口に入れて、「美味しい」と思えることにホッとして感謝する。小さい頃、風邪をひくとお母さんが作ってくれたおぞうせ（雑炊のことをおぞうせって言います）を思い出す。結婚してからは夫が何度も作ってくれたな。やさしい味のおぞうせ。
お母さんは、私が食べると褒めてくれたな。「食べられてよかったね、えらい。」
夫は、私が食べると感謝してくれたな。「食べてくれてありがとう。」
私ってなんていいご身分で幸せで恵まれているんだろう！　私を大切にしてくれる人達に負けないくらい、私が私を大切にしないといけないな。いや、大切にしたいな、大切にするんだ。

反省会のあとの宴はいつも雑炊。今日は私特製の雑炊。私のために作った超適当で超大満足な雑炊。
ああいとしの腸さん。いつも反省会にも宴にも付き合わせてごめんよ。いつも本当にありがとう。