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ちょっと気になったデザイン 2023年4月

こんにちは、ちょっと株式会社の久保田です。

ゴールデンウィークに突入。数年前は当たり前だった大型連休の賑わいが戻ってきた気がします。
新年度がスタートしたこともあって、この4月は少し華やかなものが目立っていたように感じています。その中でも気になったデザインをピックアップしてみます。


フェリシモ『2024年度定期採用』Webサイト

この4月は話題になったWebサイトが複数ありました。(後述)
そんな中で最も気になったのがフェリシモのリクルートサイトでした。

とにかく純粋にデザインが目を惹きます。
可愛らしいグラフィックとさりげないアニメーションで作り上げられている優しい世界観。眺めているだけで楽しい。

このサイトではスマホサイズのカラムだけに情報を集約する手法が採用されています。このデザインは最近目にするようになりました。
レスポンシブデザインとは違う発想でモバイルファーストに思いっきり振り切ったデザインになるんですが、どうしてもスマホカラム(って勝手に呼んでる)だけが目立ってしまい、PCサイトでの全体イメージは残念なデザインになりがちだったりします。

しかし、このサイトはスマホカラムがサイト全体に自然と溶け込み違和感なく一体化したデザイン。
このプランニングとコンセプト、ディティールの作り込み、可愛く見せるアニメーションアイデアなどなど、もう隅々までの全てを参考にしたい。

「こだわり」「自由」「クリエイティビティ」みたいなものがヒシヒシと感じられます。
それはターゲットになる就活生にはガッツリ刺さるだろうし、ここで働いてみたいって思わせるだけのパワーがある。

こういうやり方があったか・・・と時間を忘れて見惚れてました。
おそらく無意識に真似しちゃうくらい見てます。それくらい素晴らしい。


冒頭の話題になったサイトも軽く紹介しておきます。

まずは全てが異次元レベルのクリエイティブだとザワついた株式会社ニューピースのコーポレートサイト
ここで使われているだろうライブラリを調べてみたり、社内が軽くザワついてしまうほど話題になっていました。

そして任天堂とDeNAの合弁会社ニンテンドーシステムズ株式会社のサイト
この発想を実現するクリエイティブ力、ほぼテキストだけでデザインされた構成力、このスキが見当たらないコンセプトなどなど一縷の隙も見当たらない。

マジでスゲェ・・・。


鳥取県立美術館のロゴデザイン

再来年オープンが予定されている鳥取県の美術館です。
現在建設中で、その状況が鳥取県立美術館のサイトを通じて公開されています。

オープンに先立ってロゴ・シンボルマークが決定されていました。(先月下旬のニュース
公募は昨年の4月から開始されていて、その後の一次審査会を経て一般投票を実施していた模様。
全然知りませんでした。知っておきたかった・・・

鳥取の「T」を組み合わせて美術館イメージにするデザイン構成も素晴らしいです。
そして、それ以上にデザインコンセプトがすごい!
(上記のサイト内にPDFで公開されています)

カラーシステムを構成する6色それぞれに意味を持たせていたり、用途に合わせて変形する展開バリエーションが組まれているなど、全てがお手本になるものでした。

公開されているPDFなどの情報で触れられていないのが不思議なんですが、鳥取県立美術館のタイポグラフィも完璧です。
アートの拠点ならば、これくらい尖った特徴的な書体が最適解な気がします。

採用案をデザインされた方って某家電メーカーのプロダクトデザイナーなのかな???
(ただ軽く検索しただけなので違うかもしれません)
こんなハイクオリティなデザインがグラフィック専門じゃないデザイナーから出てくるなんて・・・って複雑な思いもありますが、かなりのベテランデザイナーが当然のようにチャレンジされていることは勇気をいただいた気がします。

自分もまだまだ頑張らないとダメだな、まだ頑張れそうだなって思わせてくれました。


松屋『牛肉チャプチェ定食・チャプチェコンボ牛めし』のビジュアル

読めませんっ!!!!
なんかハングルで書いてあるのは分かる。しかし読めない・・・

って思わせることが狙いなんでしょう。
ほとんどの日本人が読めないだろうハングルをドカンと配置。でもハングルだから韓国なんだろうってことは大体分かる。
上手いなぁって思いました。

読めないことは不親切です。
ルビを振ったり、小さい文字で注釈的に語彙を説明したりすることも可能なんですが、それは敢えてしていないんだと思います。いや絶対に敢えてしていない。
「なんて読むんだろう?」「なんて意味?」って思わせることが目的。

そしてハングルであることも重要ポイント。
これがアルファベットだと簡単に読めちゃうし、アラビア文字だと馴染みが薄いから文字と認識できない。
しかし近年は街中でよく見かけるようになったハングルだから、ほとんどの日本人は文字だと認識できる。絶妙ですね。

ちょうど4月下旬まで実施されていた「世の中を良くする不快のデザイン展」でもテーマになっていた「“不快”を効果的に使うこと」に通ずるものがあるかも。

読めないのに強烈なキャッチコピー。すごい。


新宿区『新宿グランドターミナル』のタイポグラフィ

社内のメンバーが駅で撮って「イイよね!」って送ってくれたネタ。
その一文字のグラフィックだけで全てを表現しているのがすごい。

「新」は「新しい」と「新宿」のダブルミーニング。
それがめくれて華やかな部分が見えてきている。ようやく半分くらいまで出来てきた。それがワンビジュアルで表現されています。

めくれ方の立体的な表現、落とされているシャドウなどなど、遠目から見ると本当にめくれているように見えるリアリティ。
そりゃ紙面のど真ん中にデカデカと置きたくなりますわ。

たった1文字に込められたメッセージ。それを見事に表現しているグラフィック。
これ、もしかすると続きがあるのかもしれないってワクワクさせてくれるタイポグラフィでした。


・・・


この4月はAI関連のニュースがかなり飛び交っていました。
デザイン系のツールにもAI導入が進んできているし、日々進化を遂げているのは間違いないです。
デリケートな権利問題もありますが、デザインのワークフローが大きく変わる転期がきているように感じています。

実は先週、しばらく待機させられていたAdobe Fireflyもアクセスできるようになりました。
ただただ触ってるだけで時間が溶けていきますね、これ。

それでは。

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