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平壌に新たに導入された新型ダブルデッカーバス「平壌-816」

・概要


2022年12月12日、KCTV(朝鮮中央テレビ)は平壌の様々な路線で新型ダブルデッカーバスの運行が開始されたと報道した[1]。このバスは、2021年10月に開催された国家産業美術展にて図案とスケールモデルが展示されたバスと同一である[2]。フロント上部にデジタルで表示された時計が特徴的だ。平壌市旅客運輸総合企業所と平壌バス工場等の関連工場が製造したと見られる。

並んだ新型ダブルデッカーバス(KCTV)
「敬愛する金正恩同志が指導してくださった二階バス図案」(KCTV)
新型ダブルデッカーバスのスケールモデル(arirangmeari)

新型ダブルデッカーバスの子細について、The Pyongyang Timesでは座席数78としているが[3]、メアリでは70人乗りと表記されている。また、メアリによれば温風機、監視カメラ、液晶テレビや電光案内板も装備されているという。従来のバスよりも騒音や振動がなく、性能のよいバスに仕上がっていることをアピールしている[4]。報道で確認できる範囲内では少なくとも11台が製造されたようだ。

車内(KCTV)
リア。電光掲示板が見える(KCTV)

印象こそ大きく異なるが、ベースは中国の南京中大金陵双层客车制造有限公司が生産したJLY6122Sである可能性が高い。北朝鮮は建国55周年にあたる2000年10月頃にJLY6122Sと、同じ南京中大金陵双层客车制造有限公司製のJLY6110Aを合計で321台輸入。2001年には388台を追加で輸入しており[5]、一般路線にそのまま導入するだけでなく国産バスのベースとしても利用を開始した。例えば、2020年1月に平壌駅~リョンモッ洞の路線に導入されたダブルデッカーバスは、JLY6122Sをリファインしたものだった[6]。

JLY6122S(The Pyongyang Times)
2020年に登場した名称不明のダブルデッカーバス(労働新聞)

今回新たに導入されたダブルデッカーバスは、朝鮮の今日に掲載された記事の内容から、2021年3月に金正恩が視察した平壌-191を元に技術的特性を研究、反映させたものと思われる[7][8]。デザインがそこまで革新的ではない試作段階から、金正恩が指導したより大胆なデザインのバスへと変更したようだ。

平壌-191(左)はあくまでも試作止まりのようで、平壌-192も同じく試作のみで、より変わった新型バスに生まれ変わるかもしれない(朝鮮の今日)

2023/1/17追記

画報「朝鮮」2023年1月号に掲載された紹介ページから、名称が「平壌-816」であることが判明した[9]。

《平壌-816》型二階バス
・定員数:120人
・座席数:77席
・車体長:12,000mm
・車体幅:2,500mm
・質量:12,000kg
・最高速度:85km/h

画報「朝鮮」2023年1月号104・105P
名称が判明した新型ダブルデッカーバス(画報「朝鮮」)

・出典

[1]

[2] 조선로동당창건 76돐경축 국가산업미술전시회장을 찾아서

[3] New-type double-decker runs along streets of Pyongyang

[4] 2층뻐스에서
http://www.arirangmeari.com/index.php?t=ring&no=5266
[5]
 https://news.sina.cn/sa/2001-04-11/detail-ikkntiak6751564.d.html?from=wap

http://m.nk.chosun.com/news/articleView.html?idxno=6100
[6] 우리의 힘, 우리의 기술로 만든 새형의 2층뻐스 사람들속에서 호평
http://www.arirangmeari.com/index.php?t=news&no=11763
[7]
 金正恩総書記が新しく生産した旅客バスの試作品を見る


[8] 새형의 2층뻐스는 전한다
https://dprktoday.com/news/62530

[9] http://www.korean-books.com.kp/ko/

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