マーケティングの”失敗”あるある⑤ ターゲット顧客を絞れない
-マーケティング戦略4
「シニアの社会参加」のマーケティング戦略を、”失敗あるある”を意識しながら考えていきます。マーケティング戦略としては4回目です。前回までで分析フェーズは終了し、今回からは戦略立案フェーズです。
分析フェーズの結果は前回のnoteをご覧ください。
STP(セグメント、ターゲティング、ポジショニング)とは?
いつものように教科書から見てみましょう。
STPはマーケティングで大切な、自分たちの顧客を特定するプロセスです。
この時注意したいマーケティング”失敗あるある”は、顧客を絞るのが怖くて、幅広いターゲットに訴求してしまうことです。インターネットで幅広い顧客へブランドメッセージを届けたい気持ちもわかります。しかし、顧客を絞らないとブランドメッセージは絶対に届きません。
USJの成功例が有名ですので、紹介させて頂きます。USJでは、ターゲットを絞りキーメッセージをより共感を得るものに変更することで、V字回復に成功しました。
「いつか君が大きくなってクリスマスの魔法がとけてしまう前に…あと何回こんなクリスマスが過ごせるかな」CMの変化が見えるので勉強になると思います。
ポジショニングマップを使って競合と比較
セグメンテーションで戦う土俵が決まったら、その土俵でどうやって競合と差別化するか考えます。
これは自社製品と競合製品の相対的魅力を図式化したポジショニングマップを使います。どんなにニーズを満たすサービスでも、競合と同じポジショニングを取っていたら自社は選択されません。
顧客が数多くあるサービスを認識する特長は2つまでと言われています。マーケティングの面白いのは、この2つの特長(軸)で競争優位が変わるところです。
特長を<お手頃価格×提供スピード>で考えるとマクドナルドが優位になりますが、この軸を<健康志向×手作り感>にするとモスバーガーが優位になります。企業は顧客の購買決定要因(Key Buying Factor)をどの軸に置くかを想定し、その軸の奪い合っているがわかると思います。有名タレントが「ちょいマック」とCMで言うのは、自社の軸が顧客の購買決定要因になるように訴求しているからです。
実際に、セカンドライフの準備で市場を定義する
それでは、例としてセカンドライフの準備でSTPを作ってみたいと思います。
40-60歳を市場全体と考え、「シニアの不安×忙しい」を軸にセグメンテーションしてしました(左図)。セカンドライフの準備に興味があるターゲット(◎)は「60歳以降の豊かな生活に不安を感じているが、忙しくて何もしていない人」と考えました。自分で調べる時間がある人でも、便利なサービスなら使う可能性があると思い三角(△)としています。
では、ターゲットが「セカンドライフに向けて人との繋がりを増やしたい!」と考えた時に、誰が競合になるでしょうか?例えば「若いうちから自治会に参加する」という考え方があると思います。しかし、長く活動されている諸先輩が多い自治会は、世代を超えた友人とは少し違うのかなと思いました(あくまで想像ですが…)。趣味があれば、趣味サークルがすぐに友達が出来そうです。ただ、忙しくても趣味サークルに参加する人は、何のサポートがなくてもご自身でアクティブシニアになると考えました。
ポジショニングを考えた結果、シニアに不安があり忙しい人は、元々人の繋がりを求めるコミュニティであれば、価値観や目的意識が合う人を見つけやすく、多様な背景の友人をつくりる機会があると結論付けました。
いかがでしたでしょうか?
今回はSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)について一緒に考えました。次回は、ペルソナとマーケチングミックスを使い、どのようなコミュニティがターゲットへ人へのつながりを提供できるか、考えていきたいと思います。
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