15年続けた音楽サブスク配信をやめて、Newアルバムを自己配信してみた結果【売上データ有】
こんにちは、たまいやすゆきです。
僕は、長野で活動する無名のシンガーソングライターですが、音楽のデジタル配信歴は約15年(2009年〜)と割と長く、アルバムを出すたびにデジタルとCDの両方でリリースしてきました。
2009年当初はまだ「着うた」という配信方法があり、今のように ”スマホでもPCでも同じ音源を聞ける” という状況とは少し違いましたが、それでも【アマチュアながら自分の音楽をデジタル販売できる】という画期的な音楽の広がり方にワクワクしたものでした。
着うた配信はそもそも「購入」しか選択肢が無く、今のようにサブスクで音楽を聞くというスタイルが一般的ではなかったため、1曲売れればそれなりのバックがあったのですが、音楽の聞き方がサブスクに移行してからはひどいものでした(笑)
音楽がサブスクになってからの売上
過去のデータを見てみると、2010年からspotify、itunesには配信していました。そう考えると「着うた」の寿命は短かったようですね。
あくまでも僕自身の例なので、他のアーティストとは比較できないのですが、支払い条件に達する5,000円をデジタル配信(サブスク)で稼ぐのに平均で2年かかっています。
2年。。。
これを長いと見るか短いと見るかは、デジタル配信に何を期待するかによりますが、僕としては拍子抜けだったなぁ。だって、サブスクの再生単価が1円切ってるんだもん(笑)
1曲再生してもらえると0.3円とか・・・
まぁこういうシステムに自分が乗っかったので単価に対して文句を言う気は無く、当時叫ばれてた「サブスクで音楽が付録になってしまった〜」というの現実を肌で実感した時代でした。
「アルバムで聞く」という音楽の楽しみ方も、単曲やプレイリストで聞くスタイルに変わってきた頃ですね。
サブスクによる世界配信の効果
過去のデータによると、2010年ころから約14年に渡り僕の楽曲が世界中で聞いたり購入できる状況にあったわけですが、気になるのはその ”配信効果” ですよね。
結論を言うとお察しの通り、とくに大きな変化は無く、、、itunesやspotifyなど何らかの音楽プラットフォームでたんたんと再生された、という実績が成果になるのかな?🤔といったところです。
正直、「世界で配信されます!」「数十社の音楽プラットフォームで配信されます!」「レコメンド機能で◯万ユーザーに紹介されます!!」と聞くと胸躍ったわけですが、サブスクに載せるだけで売れるならみんな売れてますよね。
僕としては、再生による売上は少なくとも、ユーザーの方ともっと繋がれることを期待していました。
楽曲の感想をもらえる
HPを訪れてもらえる
ライブに来てもらえる
といった期待があったのですが、このあたりはあえなく撃沈。というより、誰がどこでサブスク再生(または購入)してくれたのかわからず、個々につながることも出来ないのでお礼すら伝えられない状況でした。聞かせっぱなし&売りっぱなし、、、というか。
平均すると、毎月20〜30回は再生されていたようですが、この15年余りのサブスク配信で「Amazon Music」で知りました✋とご連絡いただいたのは1度だけです。
この結果はひとえに僕の音楽家としての力不足なので、サブスクの仕組みを否定するものではありません。「いやいや、サブスクのお陰で音楽活動の世界が広がったよ!!」というアーティストがたくさんいるのはみなさんもご存知のところかと思います。
実際に「これはサブスク(デジタル配信)のメリットだな」と思ったこともいくつもあります。
たとえば、
自分の音楽の自動収益化の仕組みを作れる
itunes、spotifyで聞けます✋と言えるステータス
田舎から世界へ飛び出した気分(笑)
在庫を持たなくても良い(CDと違い)
などなど、世界基準に乗った感覚を味わえます^^配信サービスにより料金体系が違うようですが、僕の場合は1アルバム5,000円程度でサービスが終了するまで配信できたので、良い経験でした。コスパは高かったと思います。
オリジナル楽曲を持たれているアーティストにはぜひ一度チャレンジしてみて頂きたいですね。何が起こるかわからないしそんなに高くないので^^
で、なんでやめたの?サブスク配信
僕の場合、メリットを感じながらサブスク配信から撤退したわけですが、理由は2つあります。
理由1「配信サービスの終了」
僕が長年サブスク配信をお願いしていたMONSTAR.FMがサービス終了により他配信サービスへの移行を勧められたタイミングで「もうサブスクはいいや」となりました。要するに面倒だったからです(笑)
世界的なアーティストならまだしも、僕のように月30再生で1再生0.3円なら、もう再生は無料でいいんじゃ?!と思ったため、手間をかけて他サービスへの移行はやめ、SoundCloudで全曲無料フル試聴可としました。(詳細は後述)
再生回数を増やすには、やはり「指名される」って大事なんだと思います。僕もアレクサに「ブルーノ・マーズのアルバムをかけて♪」と言いますもんね^^
理由2「リスナーとのつながりの希薄さ」
スマホなどで手軽に音楽が聞けることが音楽サブスクのコンセプトだと思うので、そもそも僕のように ”リスナーさん・購入者さんと有機的につながりたい” みたいな双方向のコミュニケーションは配信プラットフォームの設計に入っていないのでしょう。
楽曲をシェアする機能はあっても、ミュージシャンと直接つながることはできませんよね。このあたりに音楽サブスクの寂しさを感じていました。
1月に1回のレポートを見ながら、「今月は◯回再生されて売上は◯円か〜」みたいなのはなんとも味気ないなぁと。
これからもサブスク配信を続けていれば何か起こることもあるかもしれませんが、それよりも購入してくれた方と ”ちゃんとつながる” ことのほうが僕にとっては重要だと感じたのでした。
楽曲の感想も知りたいし、どうやって僕の音楽に出会ったのかキッカケも聞きたいし、そもそもどんな方が楽曲を気に入ってくれたのか会ってみたい。
そのような経緯があり、音楽サブスクでの配信をやめ、自己配信(デジタル音源を自分のWebサイトで販売)に移行したのでした。
自分でデジタル販売システムを構築できる時代
一昔前なら想像もできなかったことですが、今は自分でデジタルコンテンツを販売できるツールが選び切れないほどある時代です。
たとえば、BASEなどのネットショップを開設してそこで音源のデジタルコンテンツを販売してもよいですし、僕のようにWordPressを使い慣れてる方は、Squareのような決済の仕組みだけ借りれば、さらに費用を抑えて楽曲販売ができます。
僕は販売ページをWordPressで自分で作れるので、Squareと契約し、決済システムだけ導入してNewアルバムのデジタル販売にチャレンジしてみました。
⇑こんな感じの購入ボタンを、プログラムを書かずにWebサイトに簡単に実装できるんですね^^
で、実際に構築したNewアルバムの販売ページがこちら👇
WordPressに慣れていることもありますが、素材さえ揃っていればほぼ1日でこのようなサイトが作れました。公式LINEに登録してくれているファンの方に「Newアルバムの先行リリースしま〜す✋購入リンクはこちら」みたいなメッセージを送るだけでも良いのですが、こうやって特設サイトを作ると気分がアガりますね😊
全曲フル試聴&新曲のMusic Videoの初公開もセットで告知し、「めっちゃ音楽活動してるプロっぽさ」みたいな演出ができました(笑)半分ノリです
自己販売の良さ
自分で販売する仕組みを構築してみて、
値段が自分で決められる
購入者と直接つながれる
この2点にメリットを感じました。
単曲ではなくアルバム単位で販売でき、その販売価格も自由に決められます。初めは、【期間限定|リリース記念60%OFFで500円!】みたいな売り方をしてみましたが好評でした✨
音楽サブスクで販売していたときは、5,000円稼ぐのに2年かかっていたわけですが、自己販売では約2週間で達成。。。なんだかなぁ(-_-;)という感じです。
楽曲の試聴もSoundCloudなどの無料〜使える音楽ファイル共有サービスを利用することで、アルバム単位で簡単にWordPressサイトに埋め込むことができました。
⇑こんな感じ
フル試聴させたくない人は、楽曲を短く編集してUPしたり、15秒ごとにノイズが入るような編集をしてUPすることで、「本編は購入して聞いてね♪」みたいなアナウンスもできますね。
余談ですがこのSoundCloud、昔からあるドイツの有名な音声ファイル共有サービスですが、再生回数がエグいです。。。
663再生/月
サブスク配信で主要な音楽プラットフォームで配信してたときは、平均30再生/月程度だったのに。。。Newアルバムリリースで告知したことを踏まえても、コンスタントに聞いてもらえるなら、SoundCloudでいいよねと思いました。
無償プランでも「どこの国でよく聞かれているのか」といったデータもチラっと確認できるので、マーケティングの資料としても活用できそうです。
また、購入者の方と直接繋がれるのは本当に心強い。
Squareは優秀で、購入(決済)してくれた方を自動的にアルバムダウンロードページに飛ばすこともできますし、ダウンロードURLお知らせのためのメールアドレスを取得することも出来ます。
つまり、誰が購入してくれたかわかるわけで、お礼のメッセージや感想をお聞きしたり、別の案内(たとえば、過去の作品もセール中ですよ!など)といった個別の対応ができるわけです!ここが一番大きなメリットを感じました。
自己販売の注意点
自分で販売できれば脱サブスクできるじゃん!と喜んだのですが、
購入のハードルが上がる
スマホ(とくにiphone)への楽曲転送がひと手間
という割と大きな壁があります。
まず、SquareでWeb決済を使う場合はクレジットカード決済しか選べません。購入される方はカードが必須になりますし、氏名やメールアドレス、TELなどの個人情報の入力が必須になります。(これは返品やトラブルの対応のため)
ネットで個人情報を入力することにためらいがある方、ネットショッピングに慣れていない方などには、不向きな販売方法と言えますね。
決済方法が増えて、Web決済でもPayPay払い・キャリア払いなども選択できるようになれば、もう少し購入のハードルは下がるかもしれません。今後に期待。
もう1つの懸念点・注意点が「楽曲をスマホでダウンロード購入しづらい」という点。
日本は特にiphoneユーザーが多いそうですが、iphoneのmusicアプリでオリジナル楽曲を聞くには、itunes経由で楽曲を購入するか、PC(MacまたはWindows)から楽曲をiphoneに転送するしか方法が無い、ということです。
つまり、これまでのようにitunesやmusicアプリで直接アーティストを探したり購入リンクをクリックしてスマホだけで完結、ということができません。PCで購入してもスマホに楽曲転送するのもひと手間で操作がわかりにくく、 ”わかっているユーザー” しか購入しにくい状況がありました。
PC持っていない、PC操作に詳しくない方には購入は絶望的ですよね(-_-;)
この辺は、音楽のサブスクアプリはモバイルファーストで設計されていて、さすが!と感じますね^^
そんな経緯もあり、僕の場合は購入できない方にも楽曲を楽しんでいただけるように全曲フル試聴可としています。
さいごに
僕が音楽サブスクのプラットフォームを使わずに個人によるデジタル販売に移行できたのは、
そもそもサブスクで聞かれていない・売れていない
自分で販売ページを作れる
サブスクではできないことがやりたい
という特殊な状況&事情があったわけですが、この先はどう変わるかわかりません。数年後には「やっぱサブスクだぜ!😎」と言ってるかもしれません(笑)アレクサに「たまいやすゆきの楽曲をかけて」と言って自分の曲が再生されたときは、言いしれぬ感動がありましたしね〜✌
何にしても驚いたのは、自分で販売しても買ってくれる人はちゃんといるのだな、、、ということ。僕らの音楽を楽しみに待ってくれている人たちを、いつまでも大切にしたいですね^^
ただ、、、「デジタルリリースします!!500円です!!」と告知しても、CDが出るならそっち買いまーす✋という声が非常に多かったことにも驚きました。CDのほうが圧倒的に高いにもかかわらず。。。僕らを応援してくれる方はまだまだCD世代ということですね😂
そんなCDも本日プレスからあがってくるので、どんな仕上がりになったのか楽しみ&ドキドキ。
11月の寒空で鼻水たらしながら撮ったMVもぜひ見ていただきたいので、下記特設サイトへどうぞ^^
※自己配信の仕組み、具体的にはどうやって作るの〜??と疑問に思われた方、お手伝いできることがあるかもしれませんので、お気軽にお問い合わせくださいね😉
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