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人生が決まる瞬間はいつ訪れるか分からない。

これまで人生の各ステージで選んできた仕事。言い訳ではないが、その時どきの日々の生活を前提として、自分や家族の時間・空間・健康にそれほど無理はきたさない職についてきた。

できる限り魅力の感じられる仕事、自分の能力を生かせる仕事を選んだ。そうして積んだ経験は、確かに現在の私の血肉になっている。

これまでの人生に後悔はない。だが、胸の奥には何となくモヤモヤが巣食っていて、歳を重ねるごとに大きくなってきた。それは、まだ自分の人生の「本命」にチャレンジしていないのではないかという自責と焦り。

いつになっても私は「青い」のかもしれない。「未だ、これから」と焦る私を、不思議がられもする。

でも、「本命」にトライもせずに人生を終える自分を想像するのが怖い。そんな自分は、惨めで可哀想だ。

思いっきりまわり道をして、やっとスタートである。

そんなだから・・・若くして天職を見つけ、迷うことなく着々とキャリアを積み上げている人達には、畏敬の念を抱かずにはいられない。

「極地冒険家」荻田泰永さんのお話を聴いた。

これまで、北極に18回、南極に1回という実績を誇る極地冒険家の荻田さん。、どうして荻田さんは極地冒険家になったのか?・・・その話に驚いた。

彼が大学に希望を抱けずに見切りをつけ、実家に戻ってアルバイト生活を送っていた時のこと。たまたま時間を持て余し付けたテレビでやっていたお昼のトーク番組に、大場満郎(おおばみつろう)さんという冒険家が出ていたという。

荻田さんは、そのニコニコ話す大場さんの「打算の無さ」「迫力」「エネルギー」に圧倒されたという。凍傷で手足の指を切断してもまだその傷の癒えぬ内に、次の冒険のスタート地点に立つと言うのだから。

当時、荻田さんは、エネルギーが有るのに何もやっていない自分自身に「怒り」すら覚えていたという。そのくせ何をやれば良いか分からず、悶々と過ごしていた。

その時に突如目の前に出現した大場さんという人物は、あまりに衝撃的だった。大場さんが番組の最後に言った「来年まったく素人の若者を連れて一緒に北極を何百キロもソリで歩こうと思ってるんですよ」と言う言葉を、彼は聞き逃さなかった。ネットもメールも無い時代、TV局にすぐさま手紙を書き、それが大場さんに手渡され、返事が届いて、北極に行くことになった。

たまたま北極だった。全くの偶然だった。

しかしながら北極への冒険をなぞるように繰り返し、自分のものにしていった。そうする内に、自然と目標はさらに上へ上へと高くなっていったという。

現状に満足できていない状況である限り、新たなスイッチを入れるのに年齢は関係ないのだろうと思うこの頃。閃いたら、動く。それをするかしないかで、明日からの人生が決まる。

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