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ひと区切りの仙台散歩

仙台で過ごす最後の週末。観光ガイドの一番上に載っているのに、なぜか行ってないままの仙台城跡に行った。テレビでよく見る伊達政宗像は先日の地震でダメージを受け修復中だけど、青葉山の中腹にある石垣からは、仙台の街が一望できるとのことだ。
グーグルマップを見た感じ、山の上の方にある東北大学から下って行けそうだった。が、簡略化された地図を過信してはいけない。くねくね曲がる山道は途中で歩道が無くなり、対向車に怯えながら車道の隅っこを早足で進む羽目になった。ちょっとした冒険みたいで楽しかったからいいけど。

なんとか付近までたどり着くと、宮城縣護國神社の立派な拝殿や鳶のブロンズ像(こちらも地震で壊れてしまい、モニュメントが地面に置かれている)があって、さらに先まで行くと一気に視界が開けた。あいにくの曇り空ではあったが、石垣の上の景色は素晴らしく、ここで3年を過ごしたことを急にしみじみと思い始めた。都会すぎずド田舎ってわけでもなくて、食べ物が美味しくて、時間がゆったり流れている街。ここじゃなかったらとっくに仕事を辞めていただろうな、という位にはこの街とここでの生活が好きだ。たぶん、今後何回も訪れるんだろう。
伊達政宗像は黒い囲いに覆われていた。心身の健康を崩してから、壊れたものを直す職業って素敵だなと思うようになった。失ったものを取り戻すのは想像以上に大変だ。元に戻せないものだってたくさんある。それでも、元の姿を取り戻そうと決意したことは素晴らしいと思う。

山をさらに降りて地下鉄の駅を目指しながら、今後の生活のことをぼんやりと考えた。来月から住む場所も仕事も大きく変わる。自分で選んだことなのでやりきるしか無いのだが、正直、不安はかなりある。生きるのは難しい。魂が希薄なまま大人になってしまったらしく、薄っぺらいことしか言えないけど、、、楽しいだけじゃなくていいから、良いお土産話をもって、またこの街に来れたらいいな。がんばってみる。

ご覧いただきありがとうございました!