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楽しい経営学入門-チョップ通信Vol.25

りょうき歯科クリニックは2018年に関西経営品質賞のシルバーを受賞していますね。
現在はゴールドの受賞を目標に各部門の方々が資料作りやセミナー受講などなど、頑張ってくれています。

現状、内容はよく知りませんが、創業から現在に至るクリニックの経営のなんやかんやを上手いことまとめたりしてるんだろうと推測しています。

経営には戦略が必要

意外と経済・経営学関連の学部を卒業しているチョップが、
大学で経営学のお勉強をした中で一番印象に残ってるやつを紹介しときましょうか。

「ゲーム理論」・「ナッシュ均衡」「パレート最適」

組織が継続的に成長を続け、業界で生き残っていくには適切な戦略を立てることが必要です。
そこで重要になるのは競合の存在です。
組織の戦略は、競合との立ち位置の違いや状況、相手の戦略を見つつ立案し、そのうえで自社が利益を得られるポジションに立てるようにしなくてはなりません。

そこで役立つのが競合の戦略を見つつ、組織戦略を立てるためのヒントになる「ゲーム理論」や「ナッシュ均衡」、「パレート最適」の知識です!

ゲーム理論の概要

ゲーム理論とは、自分(自社)が求める結果に対し、他者(競合)の行動が影響する場合に、どのような戦略を立てるかについて考えるものです。

元々は経済学者や数学者が考え出した理論ですが、現在では、経営学、社会学、政治学などさまざまな分野で応用されています。

ゲーム理論を理解するメリットとしては、相手の出方を読み、そのなかで自分の得点をできるだけ高くし、失点を減らすにはどうすべきかがわかるようになる点です。

常に競合のなかで戦う必要のある現代社会においても、ゲーム理論の理解が利益向上に大きく役立つはずです。
ゲーム理論の提唱者はハンガリー出身でアメリカで数学者となった、ジョン・フォン・ノイマン氏で、パソコンの基本的構造の設計を考案した人物としても知られています。

ナッシュ均衡の定義・意味

ナッシュ均衡とは、非協力を前提としたゲームにおいて、他のプレーヤーとの関係性のなかで全員が最適な戦略を取っている状態を指すものです。

この時ポイントとなるのは、すべてのプレーヤーが「均衡」を保っている点にあります。

ナッシュ均衡においては、自分だけが戦略を変えても得をしません。
例えば競合との価格競争で低価格戦略を取ると利益がマイナスになる状況では、どちらも現状のままでいるのが利益を得るためには最適な戦略となります。
つまり両者で均衡を保っている状態であり、これがナッシュ均衡です。

ナッシュ均衡はゲーム理論の一つであり、より深く理解するには、「囚人のジレンマ」や「調整ゲーム」についても理解していく必要ありです。

例1.「囚人のジレンマ」とは

ゲーム理論で最も有名な囚人のジレンマとは、二人の囚人A,Bが互いに意思疎通のできない状態で尋問を受けた際の選択を例にとったゲーム理論です。

具体的には、A,Bそれぞれがどのような選択をするかで次のように刑期が決まるとします。

  • 一人が自白したが、もう一人は自白しないとした場合、自白したものは無罪。自白しなかったものは懲役10年

  • 二人とも自白しない場合は懲役3年

  • 二人とも自白した場合は懲役6年

この場合、両者が一番避けたいのは自分が黙秘で相手が自白する状況です。

表にするとこう

そのため、二番目に刑期が短くなる両者黙秘が最適な選択肢となります。
お互い自白せずに懲役3年の刑罰を受ける最良な状態のことを「パレート最適」と言います。

しかし、両者は意思疎通ができないため、自分が黙秘をした場合、相手は自白してしまうのではないかと疑心暗鬼になり、結局は両者とも自白して懲役6年になってしまうことが考えられます。

黙秘をしていれば懲役3年で済んだものが、自身の利益を考えたばかりに最適な選択ができないケースがあります。

これを囚人のジレンマといい、互いに自白という選択をするのがナッシュ均衡です。

例2.「調整ゲームとは」

調整ゲームとは、相手と同じ選択をすることが正解とされるゲームです。
例えば友だち同士で出かける際、
Aは「水族館に行きたい」Bは「図書館に行きたい」と考えているとします。
この時、互いにどこに行くと言わずに出かけたとして、
どこかしらで会えれば得点1
その場所が、自分の行きたかった場所だった場合、追加で得点1です。
会えなかった場合は得点0とします。

自分が行きたい場所に行き、そこで友だちと会えるのが最適な選択となりますが、相手がどう動くかで結果は変わるため、相手の心情を読むことが必要となります。

ただ、相手の行きたい場所に行ったが会えないという最悪の結果になる場合もあるため、必ずしも相手の心情を読むことが正解とは限らないのが難しいところですね。

行き先と得点の関係を表にするとこんな感じ

調整ゲームでは、選択肢により、必ずしもナッシュ均衡が1つとは限らないことがわかります。
調整ゲームにおいては、両者が同じ行動を取ることが正解です。
そのため、水族館で会っても図書館で会ってもナッシュ均衡は成立します。
この場合、ナッシュ均衡が実現しやすくなるには、二人の関係性が重要です。
例えばAはBが相手に合わせるのではなく、自分の好きな場所へ行くという性格だと知っていれば、Aは図書館を選択するでしょう。

逆にBはAが自分の性格を理解してくれていると考えていれば、Aは図書館に来ると確信して図書館に行きます。

その結果、両者が同じ行動を取ることが最適の選択であるというナッシュ均衡の定義が成立するのです。

パレート最適とはイタリアの経済学者であるヴィルフレド・パレート氏が提唱したもので、資源が最大限無駄なく配分されている状態です。

ナッシュ均衡とパレート最適との関連性

パレート最適とは、資源配分を行う際に
「誰かの状況を改善しようとすれば、他の誰かの状況を悪化させることになる」状態を指します。

ナッシュ均衡は、ゲーム理論において各プレイヤーが最適な戦略を取った場合に至る安定点であり、
パレート最適は、ある状態が他の個人やグループの状態を改善する余地がないときに言及されます。

例えば、AとBの二人がホールケーキを食べる場合、
二人で分けて食べても、どちらか一人だけで食べても、ケーキが残らずなくなればパレートに最適となります。
二人で同じだけ食べてもすべて食べきれずに残してしまえば、パレート最適ではありません。

前述した囚人のジレンマでは、互いに自白して懲役6年になるのが最適な選択であり、ナッシュ均衡であると解説しました。
しかし、パレート最適で考えれば互いに黙秘をすることで懲役3年になるのが最適な選択です。

このように、ナッシュ均衡は必ずしも全体の利益を最大化するものではありません。

企業戦略におけるナッシュ均衡(立地)

ホテリングの立地ゲーム

ナッシュ均衡と関わりが深いものにホテリングの法則があります。
アメリカの経済学者・統計学者のハロルド・ホテリングは、1929年に発表した論文の中に「地理的立地」の問題を取り上げています。

彼はこの問題の考察を通じて、「同じ商圏で全く同じ品質の同じ価格の製品を販売する2つの商店は、最終的に近接した場所に出店する」という「ホテリングの法則」を発見しました。

一例を挙げると、
焼きそば店を経営するXとYがいます。
夏が来たので、今年も近くのビーチに臨時店舗を出そうと考えた2人。
どの場所に出店すれば一番儲かるか、それが問題です。

両者の焼きそばは味も全く同じで、価格も全く同じ。
差別化できるのは出店場所くらいなのです。
彼らは一体どの場所に出店するのが良いのでしょうか。

※前提としてビーチの海水浴客はどの場所にも均一にいるとし、かつ自分たちにより近い焼きそば店を利用するとします。

結論はこんな感じ

ビーチの中央に隣接して出店すれば、お互いの集客はちょうど半分ずつになります。
ホテリングによればこれが両者が互いの利益最大化を考えた場合に導き出す結論、ゲーム理論で言えば「ナッシュ均衡」なのです。

このような事象は、現代社会のいろんなところで見受けられます。
交差点を挟んでコンビニが建っているなんて、よくありますよね。
美容院や私たち歯科医院も近い距離で建っていたりします。
(チェーン店はドミナント戦略とかも絡んでくるのでホテリングの法則だけでそうなってるとは言い切れませんが。)

これは流石に近すぎる

経営学の楽しい部分のみ抜粋してお伝えしてみました。
楽しそうやん!と思ったあなた、経営学部に入学してみて文系やと思ったのにめっちゃ数学使うやんけってなって下さい。

こんな感じの理論とかが、今回の経営品質賞の受賞に関連あるかはわからないですが、組織に属するスタッフの一員として、この機会に「経営」というものにも目を向けてみましょう!

あとがき

大学で勉強した経営学関係のもので面白かったのは、
経営者の歴史勉強するやつと今回紹介したゲーム理論ですね。
簿記とかも勉強したんですけどあんまり覚えてないです。
ミクロ経済学・マクロ経済学で数学でてきて泣きました。
調整ゲームってガキ使でたまにやってるスマホなしで待ち合わせするやつに似てますよね。

ATOGAKI

コンビニはどこ派とかありますか?
僕は全くないです。どれもコンビニ。
たけのこの里ときのこの山がなぜ争ってるかもあんまりわからないです。
チョコの部分が多い/少ないとか?そんな感じ?
コーヒー(カフェ?)がどこ派とかもありますよね。
スタバもドトールもサンマルクも街の喫茶店みたいなとこも全部一緒。
全部コーヒー。
違いが分からない男、チョップ。
回転寿司と高い寿司くらい差があったら流石に分かります。


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