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三線 御茶屋御物(おちゃやぎょぶつ)真壁型

2019年2月に沖縄県立博物館で開催された「沖縄が誇る家宝の三線展」に展示されていた「御茶屋御物」という名称の美しい三線について。

ラジオ沖縄の番組「めーぐーの三線十色まじゅんみーくふぁやー」の
2020年8月30日(日)AM5:00〜の放送回で
三線「御茶屋御物」について紹介されていた内容を記録。
出演者:新垣恵さん、ゲスト:仲嶺幹さん 

◆三線、御茶屋御物は川田松夫(旧姓 嘉数松雄)さんが所有していた三線の名称
現所有者 川田力也さん
※川田松夫さんは琉球民謡協会の二代目会長、琉球民謡の第一人者「西武門節」「想い」など作詞作曲など多方面での功労者。(1903年~1981年)

◆三線の名称にある御茶屋は沖縄では「うちゃや」と読むが、三線所有者は「おちゃや」として言伝えられてきたとのこと。

◆芯に以下の文字が線彫りされ朱で色付けされている。

1)芯正面に「乾隆(けんりゅう)二十一年丙子」の文字
※乾隆二十一年:中国の元号(西暦1756年)
※古い三線には中国の年号が記されていることが多い

2)芯左側に「於崎山之御殿御前二而作」の文字
※崎山御殿:御茶屋御殿のことを指す
※御茶屋御殿前で作られたの意

3)芯右側に「ヨナ城」(ゆなぐしく)の文字
※型の名称と思われるが、作者、所有者、場所など何を指しているか正確には分かっていない
※形状的にマカビ、ユナー のどちらとも言える特徴が見受けられるが、現状分類としてはマカビ。

4)芯裏面に「御茶屋御物」の文字
※御物:お宝の意

◆昭和14年に首里城南殿で開催された江戸与那の供養祭に陳列された24梃三線の内の「御茶屋御物」と一致する可能性がある。
※供養祭:三線の奉納祭

◆「御茶屋御物」は、2018年に現在の所有者の依頼により三線の調査が行われた。
型の名称、分類、形状、構造など、今後更なる調査が進む可能性がある。

●沖縄銀行の事業報告ページに掲載されているデータに「家宝の三線展」PDFがあり、10ページ目に御茶屋御物の記事が掲載されている。
沖縄が誇る家宝の三線展

●おきみゅーのWEBサイト内のPDF資料5ページ目に、昭和14年8月6日、首里城南殿2階で開催された江戸与那の三線供養祭の写真が掲載されている。
琉球王国時代の継ぎ棹三線の技術について -東京国立博物館所蔵「蛇皮線」のCT画像の解析を中心に-

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