腸腰筋

腸骨筋、大腰筋、小腰筋

小腰筋は半分の人には無い筋肉。

起始停止

腸骨筋
起始:腸骨窩
停止:小転子の下方


大腰筋

起始:T12〜L4の椎体の外側面及び肋骨突起(浅頭)
   全腰椎の肋骨突起(深頭)

停止:小転子


作用

腸骨筋

骨盤の前傾、股関節の屈曲、外旋

腰椎の伸展という面では間接的に関わってくる。
腸骨筋が骨盤を前傾させるとそれに伴って腰椎が前弯するというイメージ。


大腰筋

腰椎の前弯、骨盤の前傾、股関節の屈曲、外旋


腸骨筋、大腰筋共に外旋作用はそこまで強くは無い。

また頸体角と前捻角によって外旋の強さは変わってくる。

内反股いわゆるO脚で、内捻角が大き人の方が内旋作用は強い。



腸腰筋は股関節の屈曲角度によって作用が変わってくる。

股関節の屈曲角度が0度の時、腸骨筋と大腰筋は後ろにある内閉鎖筋と共に大腿骨頭をはめ込む働きをしている。

15度屈曲すると、大腰筋は腰椎の前弯に働く。

45度くらいになると、ようやく股関節の屈曲に働く。




パラドックス

重心線から後方に大腰筋の付着部がある場合(脊柱伸展時)は脊柱をより伸展させる方向に働く。腰を反るような方向。

逆に重心線より前にある場合は脊柱を丸める方向に働く。

このように猫背の方に対して、骨盤を前傾させたいがためにそのアライメントのまま大腰筋を鍛えると悪化する可能性がある。

アライメント上猫背の方はその前に仙骨を立てたり多裂筋や胸腰筋膜を活性化させたりしてから鍛えるとよい。



内臓との関係

腎臓と大腰筋は密着している。このことから大腰筋が緊張していると腎臓の機能不全があったり、腎臓の機能低下が起きれば大腰筋に緊張を起こしたりするのではないかと言われている。

大腰筋と腰方形筋の間から大腿神経や坐骨神経、閉鎖神経、腸骨下腹神経、腸骨鼠径神経、陰部大腿神経などが通っている。

このことから大腰筋や腰方形筋が緊張するとこれらに支配されている筋肉は働かなくなったり、腰痛になったりすることが考えられる。




横隔膜や腰方形筋とおなじ筋膜である胸腰筋膜に包まれており、また同じ腰椎に付着しているため関係性はとても強い。

この3つのどれかが緊張すると、それに伴って他の二筋も機能不全になることもあると考えられる。

これは絶対ではないが可能性としては非常に高い可能性として考えられる。


















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