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前鋸筋の解剖学

起始停止

起始:第1〜8肋骨の外側中央部

停止:肩甲骨の内側縁

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作用

全体:肩甲骨の外転
上部(肋骨1〜2):肩甲骨の下方回旋
下部(肋骨3〜8):肩甲骨の上方回旋


ポイント
肩甲骨の外転時には前鋸筋の上方回旋と小胸筋の下方回旋が共に働き、打ち消しあうことで肩甲骨の安定性が保たれる。


神経支配

長胸神経(C5〜C7)

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頚椎の真ん中から出て、鎖骨の間を通り、前鋸筋の上を通っていくような神経。

第二肋骨の前面で圧迫が起きやすいと言われている
理由はわかっていない。

あるいは鎖骨と第一肋骨の間で絞扼されて長胸神経麻痺が起こる。
これは高齢者に多い。

前鋸筋が機能不全になることで、翼状肩甲骨になる。(肩甲骨が安定性が保持できない状態)
となると、前鋸筋以外の上方回旋ができる筋肉で補おうとする。
→つまり僧帽筋で上方回旋をしようとするため、首もすくめた状態で腕が上がるような感じになる。

若い人は神経麻痺というよりは、筋力不足や機能不全、モーターコントロールができていない場合が多い。


ハンズオンヒップテスト

前鋸筋のが機能しているかどうかを確認するテスト。

両手を腰に置く(前習えの先頭の人みたいなイメージ)

その時に肩甲骨は胸郭から少し浮くような状態になる。

肩甲骨の内側縁が浮いた場合(肩甲骨が内旋)した場合は機能していない可能性があると言える。

ここで言えるのは神経麻痺しているということではなく、弱い、あるいは機能していないということ。

改善策
肩甲骨が浮いているのを改善したい場合、肩甲下筋を鍛えると良い。


胸椎との関係

前鋸筋が緩むと肩甲骨は外側に開くため、猫背のような状態になる。

そうすると胸椎の伸展の邪魔をする可能性がある。

胸椎を伸展させる筋肉は胸最長筋などがあり、猫背という姿勢によりこれらも伸びた状態で拘縮している可能性があるため、リリースしてあげると効果的である。

脇の下から前鋸筋を抑えた状態で、親指で胸椎の伸展を促す。


トレーニング

ジャンププッシュアップ

ワンハンドプランク(女性向け)

ワンハンドプッシュアップ

など


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