大胸筋②

大胸筋は鎖骨胸筋筋膜によって、小胸筋や鎖骨、胸鎖乳突筋などとともに包まれている。
そのため鎖骨の可動性に関わってくる。
頚椎症の人には大胸筋のリリースは鉄板。


大胸筋は親指の屈筋群と筋連結している。内側胸筋神経や外側胸筋神経が正中神経と繋がっている。
そのため手首の痛みがある人は大胸筋をリリースすると治る場合もある。
またトレーニングする際は母趾側に荷重を乗せてあげるという意識でやると効かせやすい。


三角筋と筋連結している。(上部と前部)
血管が通るくらいの隙間しかない。(橈側皮静脈
※橈側皮(とうそくひ)静脈は上肢の外側から上腕二頭筋と腕橈骨筋の間を通り、小胸筋をまたいで腋窩静脈へと流入する。


大胸筋が発達してくると鎖骨は下制と前方回旋方向に牽引がかかる。
そうなると肩関節の屈曲ができなくなってくる。


大胸筋が発達ししすぎて内旋作用が肩甲下筋よりも強くなってしまうと、前方脱臼や前方関節包痛が起こる。
理由として肩甲下筋はスリップ回旋と言ってその場で内旋するが、大胸筋の内旋は前方突出型の内旋であるため。
ピッチャーで投げるタイミングの内旋時に肩が痛いというのは肩甲下筋が使えていないということがある。



大胸筋上部は肩関節の屈曲作用があるが、フラットからの屈曲はあまり働かない。
(筋の走行を見ても働くのは三角筋前部)
大胸筋上部が屈曲に働くのは伸展時に伸ばされた状態からブワッと強く働く。
逆に三角筋全部はモーメントが短いため肩関節を伸展させたところで働く力はさほど変わらない。
逆に大胸筋上部はモーメントが大きいため働く力も大きくなる。
ケーブルマシンで鍛えるようなやり方。

下部の内転に関しては、下垂から内転にはほぼ働かない。
80度外転くらいからフラットまで。
外転時の伸ばされたとことから内転することでより強く働くが、大円筋や広背筋の方が真横に近い付着でついているので、これらの筋肉よりかは内転作用は小さいと考える。





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