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6月議会一般質問(墨田区)

6月26日(月曜)
墨田区議会議員となり、初めての質問権を行使しました。
私自身は、区民の皆様に負託をいただいた立場ですので、代弁者として選挙時に訴えていた内容について山本区長、加藤教育長に質問(確認・提言)をしました。回答内容も含めて、noteにてご報告をさせていただきます。

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0.質問とは?

議会における質問とは何か?
については前回の記事にて解説をしていますので参照いただけますと幸いです。

1.一般質問内容

(1)子育て・教育施策について

私からは、質問の前談として、以下の点をお伝えさせていただきました。

  • 日本の経済は、バブル崩壊後、名目賃金(給料の額面)は横ばいのまま、実質賃金(給料の手取り)は税金、社会保険料の増加によりマイナスになっていること

  • 2022年から物価上昇に伴い、過去のように消費ができないこと

  • 社会保障の国民負担率は47.5と高い値を示していること

  • 国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」で「理想の子ども数を持とうとしない理由」では、子育て・教育にお金がかかるからというのが30年以上も前から理由の1位であること

  • 日本は年功序列賃金により、年齢が若い人ほど金銭的な負担を感じていること

  • 子育て、教育施策に係る「直接的な経済的支援は、国や広域行政を担う都が実施すべきものと考えています。」という従前の区長の答弁に個人として賛成であること。しかし、上記の通り区民生活が困窮する中、国の施作を待てずに、独自に動く自治体(兵庫県明石市、千葉県流山市など)が出てきていること

質問の内容
ア.墨田区の少子化に関する課題の見解について

子育て・教育に対する支援は、保育園・学校・学童・公園・病院の整備、通学路の安全、子どもの成長に合わせた住宅の供給など、多岐に渡りますが、墨田区の少子化問題に対して、既に取り組んでいるものを含めて、取り組むべき課題について、見解を伺います。尚、課題はその優先順位が高いものから順に述べていただけますと幸いです。

イ.墨田区の子育て・教育施策に関する評価とその理由、加えて施策に係る課題とその理由について

山本区長の所信表明では「切れ目ない子ども・子育て支援・環境が充実した、笑顔あふれるまちの実現」をしていくとされました。これは岸田内閣の方針とも一致するものであり、国と墨田区の相乗効果が期待されるところです。墨田区の子育て施策においては、現状区民の皆様からも感謝の声が上がるなど高い成果を得ていると思いますが、子育て・教育施策に対しての区長の評価とその理由、加えて施策について課題があるとするならば、課題とその理由の見解を伺います。

ウ.子育て・教育に係る金銭的な負担を軽減する取り組みの検討状況とその理由、今後のロードマップについて

前述のとおり、兵庫県明石市のように自治体独自で子育て世帯の金銭的な負担を軽減する取り組みをする自治体が出てきています。山本区長の所信表明では「将来的に人口減少に転じることが予測される中で、本区が持続可能なまちとして発展していくためには、住民に身近な自治体として、子どもを安心して生み育てることができる子育て支援策を、着実に進めることが重要と考えている」としていますが、子どもを設けない、または第2子、第3子を諦めてしまうことの理由の1位が、子育て・教育に対する費用負担であることを踏まえて、金銭的な負担軽減を目的とした施策の墨田区での検討状況とその理由、今後のロードマップについて伺います。

エ.墨田区の出生率に関する評価、課題とその理由について

墨田区の合計特殊出生率は、令和3年度時点で1.08。同年度の東京都の合計特殊出生率が1.08、全国の合計特殊出生率が1.30であることを踏まえると、東京都と同じ数値であり、全国値よりも低いことがわかります。出生率に関して山本区長の評価とその理由、課題があるのであれば課題とその理由について見解を伺います。

オ.墨田区の出生率向上に資する取り組み、各取り組みの進捗と今後のロードマップについて

繰り返しになりますが、墨田区の合計特殊出生率は令和3年度時点で1.08。墨田区の出生率向上に対して、取り組みの内容と、各取り組みの進捗、今後のロードマップについて見解を伺います。

カ.墨田区の社会動態も含めた人口の増加に対する取り組み、各取り組みの進捗と今後のロードマップについて

墨田区の人口動態は、平成29年から令和3年度まで、自然動態は各年で減少であると承知しています。一方、同期間の社会動態は各年で増加であると承知しています。また、墨田区発表の将来人口推計を見るとこのトレンドは令和7年度まで継続すると考えていることがわかりますが、その後は減少に転じています。墨田区の成長という観点で、人口の増減について、どのような方針、展望を持ち、施策を実行するのかを伺います。また、社会動態の増加に関する評価と社会動態も含めた人口に関する戦略的な取り組みの有無とその進捗、今後のロードマップについて伺います。

山本区長の答弁
文意を変えず、省略し記載をします。(全文は議事録が公開されます)

ア.墨田区の少子化に関する課題の見解について
少子化は、妊娠・出産から子育て、学齢期に至る、様々な場面における負担や、不安が要因となっていると認識しており、その解消を図っていくことが重要であると考えています。
墨田区では、「墨田区版ネウボラ」の推進を掲げ、切れ目ない支援の充実に取組んでいるところです。

イ.墨田区の子育て・教育施策に関する評価とその理由、加えて施策に係る課題とその理由について
子ども・子育て施策においては、保育所や学童クラブの定員を拡充するとともに、在宅子育て支援の充実など、スピード感をもって推進してきました。更に、GIGAスクール構想の取組や、学校屋内運動場への空調設備の整備など、教育環境の充実にも取組んできたところであり、区民の皆さんから一定の評価をいただいているものと認識しています。
私としては、社会的なニーズを踏まえた子どもの居場所づくり、療育環境の拡充のほか、課題を抱える児童・生徒や、その家族等に対応していくためのいじめ・不登校対策など、喫緊の課題は様々あると認識しています。

ウ.子育て・教育に係る金銭的な負担を軽減する取り組みの検討状況とその理由、今後のロードマップについて
まず、直接的な経済的支援は、国や広域行政を担う都が実施すべきものと考えています。国は、「こども未来戦略方針案」において、ライフステージを通じた子育てにかかる経済的支援の強化を掲げており、今後、児童手当の所得制限撤廃をはじめとした、様々な支援の拡充が図られるものと認識しています。また、都においても、018サポートなど、子育て世帯の経済的負担の軽減が図られているところです。
区では、これまでも一律の経済的給付によらず、子育て世帯を取り巻く環境の実態把握に努め、実情に応じたきめ細かい対策を実施してきました。今定例議会でも、子どもの学びを支援する事業など、追加の対策について、補正予算をお願いしています。

エ.墨田区の出生率に関する評価、課題とその理由について
本区の合計特殊出生率は、平成27年をピークに減少傾向が続いていますが、これは、対象年齢層である15歳から49歳までの女性の人口が伸びている一方、ライフスタイルの多様化等により、出生数が減少していることに要因があると認識しています。

オ.墨田区の出生率向上に資する取り組み、各取り組みの進捗と今後のロードマップについて
少子化への対策としては、単に合計特殊出生率を上げることを目的とするのではなく、子どもを持ちたいと希望される方が、安心して子どもを産み育てることができるまちをつくることが重要であると考えています。
国は 2030 年までに少子化トレンドを反転させることを掲げ、都においても、あらゆる政策を総動員して、静かなる脅威である少子化の問題に取組むとしています。区としては、こうした国や都が行う少子化対策と連携しながら、各行政計画に掲げる年次目標に従い、「墨田区版ネウボラ」などの取組を推進し、切れ目ない子育て支援策の充実を図っていきます。

カ.墨田区の社会動態も含めた人口の増加に対する取り組み、各取り組みの進捗と今後のロードマップについて
令和3年度に策定した「墨田区総合戦略・人口ビジョン」における推計結果では、当面は転入超過により増加が続き、2030年に約28万9千人でピークを迎えると想定しています。こうした推計に基づいて、生産年齢人口を確保することが区の活性化や歳入増に繋がるなど、区政運営を進めていく上で重要であると認識しています。
社会動態に関する評価については、全体的には転入超過の状況にあるものの、出産や子どもの成長を機に、ファミリー世帯が転出する傾向がみられていることから、昨年度策定した住宅マスタープランの計画的な進行管理に基づき、子育て世帯の定住促進事業を推進していきます。

筆者作成

区長答弁のポイント

墨田区の子育ての課題

・妊娠、出産〜学齢期まで各ステージで不安が存在するため、その解消に取り組む
・墨田区版ネウボラを推進している(令和5年度予算:5億4442万円)

【参考】ネウボラとは
福祉先進国フィンランドの母子支援制度で「助言の場」を意味します。
妊娠期から就学前までの健康診断や相談支援を行う、子育て支援の制度やその拠点のことで、各家庭に担当保健師がつき、父親を含む家族全体へ信頼関係を築きながら、継続的に支援を行っていく取り組みです。

日テレNEWS(2023)「“墨田区版ネウボラ”推進へ…2023度当初予算案を発表

墨田区の子育て・教育施策に係る課題
・子どもの居場所づくり
・療育環境の拡充
・いじめ・不登校対策

子育て・教育に係る金銭的な負担を軽減する取り組み
・直接的な経済的支援は、国や広域行政を担う都が実施すべき
・国は、様々な支援を検討中【実施していないことを認識】
・都は、018サポートを実施
・区は、子どもの学びを支援する事業を追加検討

墨田区の出生率に関する評価、その理由
本区の合計特殊出生率は、平成27年をピークに減少
・減少理由は、15歳から49歳までの女性の人口が伸びている一方、ライフスタイルの多様化等による

墨田区の人口の増加に対する取り組み
・2030年に約28万9千人でピークを迎える
・出産や子どもの成長を機に、ファミリー世帯が転出する傾向がある
・子育て世帯の定住促進事業を推進する

所感と感想
【賛同】子育ては成人になるまで18年。妊娠、出産だけでなく、その後の各ステージにおいて不安があること。
【賛同】出生率を上げることが目的でなく、子どもを望む人が授かれることが重要であること。
【反対】少子化の原因を「ライフスタイルの変化等」としているが、曖昧かつ何に基づいたものかが不明。施策を効果的に展開するためにも、アンケートにより定量・定性的なデータを取ることが望ましい。

質問を通して明らかになったこと
・区として独自に、子どもの学びを支援する事業を追加検討していること
・子育て世帯の定住促進事業を推進すること

(2)ドッグランの設置について

私からは、質問の前談として、以下の点をお伝えさせていただきました。

  • 墨田区内の犬の登録頭数は、令和元年度が7,504頭、令和2年度が7,562頭、令和3年度が7,678頭と増加傾向にあること

  • 墨田区では民間施設を含めても屋外のドッグランは無いこと

  • ドッグランは、犬自身の社会化を促し、運動不足を解消するだけでなく、飼い主同士のコミュニティの形成、公園の区分けによる、衛生面の向上、犬が苦手な人を含めた利用者の満足度の向上が期待されること

  • 港区では、芝浦中央公園と江南緑水公園の2箇所に公営のドッグラン施設があること

  • 令和4年度6月定例会議会における、ドッグラン設置に係る質問に対して、山本区長から「ドッグランの必要性については調査・研究していきます」との答弁をされていること

質問の内容
ア.ドッグラン設置に向けた調査・研究の進捗状況について
イ.顕在化している具体的な課題と設置に向けた今後のロードマップについて

山本区長の回答
ア.ドッグラン設置に向けた調査・研究の進捗状況について
設置に関する区民ニーズは、一定程度あることから、他区の事例を参考に、施設整備、運営方法などについて整理しているところです。設置に当たっては、一定の広さを確保することや、柵などの設備、鳴き声等に対する周辺住民への影響などの課題を考慮したうえで、候補地を探しているところです。

イ.顕在化している具体的な課題と設置に向けた今後のロードマップについて
次に、今後の見通しについては、現時点でお示しすることは困難ですが、引き続き、ドッグランの実現に向けて検討を進めていきます。

筆者作成

所感と感想
【残念】1年前から進捗がないこと
【残念】課題の解像度が低いこと

(3)マラソン大会の開催について

私からは、質問の前談として、以下の点をお伝えさせていただきました。

  • 墨田区は、東京スカイツリーや両国国技館などの有形の観光資源、葛飾北斎や赤穂浪士といった無形の観光資源を持っている魅力溢れる街であること

  • マラソン大会は、墨田区の行財政、シティプロモーションに寄与すること

  • 東京都が「東京マラソン」、港区が「MINATOシティハーフマラソン」、新宿区が「新宿シティハーフマラソン」と、東京都内でも自治体のスポーツ振興・観光促進策としてマラソン大会が行われていること

  • マラソン人口は2020年に1,000万人を超えたこと

  • 令和3年度6月の定例会議会にて、区民マラソンの実現に係る質問に対して、山本区長から「実現に向けて警察と協議を進めていきます」との答弁がされていること

質問の内容
ア.マラソン大会開催に向けた、警察との協議の進捗状況について
イ.顕在化している具体的な課題と開催に向けた今後のロードマップについて

山本区長の回答
ア.マラソン大会開催に向けた、警察との協議の進捗状況について
開催に向けては、公道をマラソンコースにした場合の交通規制による影響、地域の協力や機運の醸成、運営資金の確保や実施体制の整備などの課題があり、警視庁と協議を重ねています。

イ.顕在化している具体的な課題と開催に向けた今後のロードマップについて
これらの課題への対応については、今年度策定する「(仮称)墨田区スポーツ推進計画」の中で、その方策等を検討していきます。

筆者作成

所感と感想
【残念】2年前から進捗がないこと(コロナ影響で検討が止まっていたと推察する)
【前進】課題への具体的な対応方法が示されたこと

(4)子どものスポーツの拡充について

私からは、質問の前談として、以下の点をお伝えさせていただきました。

  • スポーツは、運動による体力の向上だけでなく、協力関係を通じたチームワーク、リーダーシップ、コミュニケーション能力などの社会的スキルの発達、競争を通じた成功、失敗の経験の機会の提供、フェアプレーやルールを遵守すること、相手を尊重することなどのモラルと価値観の醸成など、身体的、社会的、心理的な面での発達を促し、子供たちにとって有益な経験となること

  • スポーツ基本法では基本理念として「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことが人々の権利であることに鑑み、国民が生涯にわたりあらゆる機会と場所において、自主的・自律的に適性や健康状態に応じてスポーツを行うことができるようにする」ことに加えて、「多様なスポーツの機会の確保」「競技水準の向上」が明記されていること

  • 墨田区には、野球、サッカー、フットサルといったスポーツだけでなく、PADELやボルダリングといった比較的新しいスポーツの施設も充実してきていること

質問の内容
ア.子どものスポーツに係る墨田区内の環境および支援の充実度合いに関する評価と課題について
イ.子どもスポーツに係る墨田区の今後の支援方針、加えてロードマップについて
ウ.PADELやボルダリングといった現状墨田区民体育祭にも含まれていない新しい子どものスポーツに対する支援の方針、加えてロードマップについて

山本区長の回答
ア.少年スポーツに係る墨田区内の環境および支援の充実度合いに関する評価と課題について
区では、総合運動場や少年野球場などの施設整備とともに、区民大会の実施や、教室の開催、東京2020大会を契機とした体験会の実施等を通じて、子どもがスポーツに親しむための環境整備や活動支援を行っており、一定の評価をいただいていると考えています。一方で、更なるスポーツの機会の確保や、障害者スポーツの普及啓発などが課題であると認識しています。

イ.少年スポーツに係る墨田区の今後の支援方針、加えてロードマップについて

子どものスポーツ振興は重要であると考えており、今後も、子どものスポーツ実施機会の充実に向けた支援を行い、今年度策定する「(仮称)墨田区スポーツ推進計画」の中で方針を示していきます。

ウ.PADELやボルダリングといった現状墨田区民体育祭にも含まれていない新しい少年スポーツに対する支援の方針、加えてロードマップについて
新しいスポーツへの支援は、多様なスポーツの機会の確保につながるとともに、様々な状況にある子どもの選択肢が広がることから有効であると考えますが、社会環境や需要に応じ、今後、研究していきます。

筆者作成

所感と感想
【残念】PADELやボルダリングなど、墨田区民体育祭に含めれていない新しいスポーツに対しての支援は、今度の研究対象となったこと

2.一般質問全文

議事録が出るまでの間、一般質問全文と回答要旨について、こちらにファイルを添付します。ご一読いただけますと幸いです。

(1)一般質問原稿

(2)回答要旨

3.まとめ

(1)子育て・教育施策について

  • 東京都では018サポート(0歳から18歳まで5,000円の支給)を実施

  • 墨田区として独自に、子どもの学びを支援する事業を追加検討中

  • 子育て世帯の定住促進事業を推進する

(2)ドッグランの設置について

  • 設置場所について継続検討中

(3)マラソン大会の開催について

  • 今年度策定する「(仮称)墨田区スポーツ推進計画」の中で、その方策等を検討

(4)子どものスポーツの拡充について

  • 今年度策定する「(仮称)墨田区スポーツ推進計画」の中で方針を示す

  • PADELやボルダリングといった新しいスポーツの支援は今後研究する

次年度の予算化に向けて、区民の皆様とのディスカッションを深め、継続的に山本区長、区役所の方と折衝を続けて参ります。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

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