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長南町 多様性の森プロジェクト 概要


命響きあう美しい里山が残る長南町。

長南町では今も田んぼ、雑木林、森林、草原、小川、ため池、湧水、そして古民家がモザイク状につながり美しい景観を演出しています。里山は人の命の源となる水、空気、食料、燃料を養います。里山は人の暮らしと多様な生き物を育みます。

一方、人の暮らしの変化・都市化と共に、人は里山から遠ざかりつつあります。里山は開発され、水脈が分断され、ヤブ化し、木々が元気をなくし、健康な状態を維持できなくなりつつあります。それは単に美しい景観が損なわれるだけでなく、通気浸透不全による洪水や土砂崩れの増加、生物多様性の減少などを呼び、ひいては住み心地の悪い環境を生み出してしまいます。

また、戦後の拡大造林で植えられた杉は伐期を迎えたにも関わらず放置され、里山の荒廃問題にもつながっています。日本の林業は昭和30年代の木材輸入自由化以降、停滞の道を辿ってきました。現状の林業の流れでは、採算が合わず、やりきれていないところがほとんどです。常緑の杉だけの単一樹種林は、他の木々や植物が育ちにくく、生物多様性は極めて低いです。

戦後の拡大造林で植林された杉林

そこに風穴をあけていくことは急務です。

杉は材として使えないわけではありません。むしろ、一昔前はその土地の風土で育った木を、その土地で使うことは、最も自然で、最適な使い方でした。長南町では今でも地場材で建てられた100年を超える古民家がたくさん残っているのが、その確たる証拠です。

築100年を超える古民家

杉を材として有効活用しながら、かつての多様性溢れる森を再生していく・・・その土地の環境を良くすることが、ひいては人の暮らしの豊かさにもつながる・・・このプロジェクトでは、そんな一昔前の森のあり方を取り戻す始めの一歩を踏み出したいと思います。

放置されているが、立派な杉材。
使えないと決めてしまうのは人間。
長南町の杉は製材すれば
良材となる。


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