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今からでも僕たちはオリンピック選手になれる。『Tic Tac Bow』さえ極めれば。
オリンピックeスポーツウィーク2023が発表されました。いよいよeスポーツもここまできたかと思わざるを得ない、大変華々しいニュースです。公式サイトを見るとオリンピックeスポーツシリーズについての説明があります。
オリンピックeスポーツシリーズ(OES)は、国際オリンピック委員会(IOC)が国際競技連盟(IF)やゲーム会社と連携して設立した、 世界的なバーチャル&シミュレーションスポーツ競技大会です。
オリンピックeスポーツシリーズ2023は3月1日に開幕し、世界中のプロ・アマチュアのプレイヤーが、各競技の予選ラウンドに参加します。そして、2023年6月22日~25日にシンガポールで初開催されるオリンピックeスポーツウィークでの対面形式による決勝戦でクライマックスを迎えます。
公式サイトのUIが最悪すぎていちいちキレそうになるのはさておき、日程が信じられないほど急ですね。3月1日に開幕し、って書いてありますけど、公式のリリースがそもそも3月1日ですからね。決勝は6月にシンガポールでやるらしいです。こっちもめっちゃ急。びっくりしますね。今年の6月にシンガポールに行けって言われて行ける人、この世にそんな多いのかなとかそんなことを考えてしまいました。
行われる競技も見てみましょう。
9種類のスポーツで以下のゲームが確定しています。
• アーチェリー(Tic Tac Bow)
• サイクリング(Zwift)
• セーリング(Virtual Regatta)
• ダンス (Just Dance)
• チェス(Chess.com)
• テコンドー(Virtual Taekwondo)
• テニス(Tennis Clash)
• モータースポーツ(Gran Turismo)
• 野球(WBSC eBASEBALLパワフルプロ野球)
読者の皆さんが言いたいことはなんとなくわかりますが、まずは落ち着いてください。国内のeスポーツイベントではよく競技的取り組みが行われている『Gran Turismo』や『WBSC eBASEBALLパワフルプロ野球』は納得感がありますよね。その他は……一つ一つ見ていきましょう。
まずはサイクリング。僕は知らなかったのですが、聞くところによると『Zwift』はその手の人達では割とメジャーなタイトルらしく、MMOゲーム形式のサイクリング・ランニングトレーニングプログラム、とのことです。なるほど。これはガチ勢もいるのでしょうし、室内で行えるとはいえ身体的強度も求められるでしょうから、オリンピック競技として納得です。
『Virtual Regatta』はセーリングをPC・スマートフォンで遊べるアプリで、『eセーリング』という言葉が存在する程度にはコミュニティが存在している模様です。調べると攻略サイトも出てきますし、App storeでのリリースも2年前であることから、こちらも根強いファンがおり、競技的なプレイヤーの白熱した戦いが繰り広げられるのだろうと想像できます。
『Just Dance』はオリンピック公式サイトによると
ダンスの大会は、世界中の優秀な「Just Dancers」による招待制のイベントとして実施されます。
ダンス大会の開催時期、観戦方法などは、Olympics.comに登録して、最新ニュースなどの情報を入手しましょう。
招待制のイベントであることが明示されています。すごそう。
『Chess』はチェスです。古き良きテーブルゲームがオリンピック競技として採用されると何か感慨深いものがありますね。
『Virtual Taekwondo』も『Just Dance』と同じく招待制の模様。調べたら面白そうで普通にやってみたいと思いましたが、このゲームを買うためにフルトラの機器を用意して、更には対戦相手も用意できるのかと言うと……なんとも。見る分には大いに楽しみではあります。
『Tennis Clash』は2019年にリリースされたテニスが遊べるスマホアプリですが、検索して一番上に出てくる個人ブログを見ると「大事なのは装備」とか「課金すればするほど強くなれる」といった不安な文言がありますが、そのあたりは『クラロワ』の競技シーンよろしくレベルを統一したルールで大会をやったりするのでしょう。それなりに歴史あるゲームであることを考えれば、競技シーンのレベルは高いものが見られそうで楽しみですね。
さて。
ここまで見ると「招待選手しかいない競技も多いし、長年続いてるタイトルばかりで既定路線なのかな」といった感想を抱くのも仕方がないでしょう。eスポーツになったからといって有象無象が簡単にオリンピアンになれてしまっては、今までのオリンピック選手達に対して示しもつきません。オリンピックのeスポーツ化で、ゲーム好きの自分がオリンピック選手になれるかもしれない、そんな甘い話はないのです。
ただ一つ、アーチェリーの『Tik Tac bow』を除いては。
『Tic Tac bow』の魅力
この9種のオリンピック競技の中で、『Tic Tac Bow』は明らかに異彩を放っています。このゲームは2023年2月にリリースされ、オリンピック競技として採用される告知がなされるまで、Google playでわずか100+回ほどしかダウンロードされていなかったゲームだからです。
![](https://assets.st-note.com/img/1677819565133-OEjXra6qwt.jpg?width=800)
僕が見た時ですら1000+回しかダウンロードされておらず、このゲームが圧倒的に熱いことが確信できます。なお、3/3 13:00現在では『Tic Tac Bow』はApp storeには存在せず、iPhoneユーザーはプレイすることができないので、Androidユーザーがアーチェリー選手として圧倒的に有利な状況となっています。僕はこれに気づいた昨日の夜、「オリンピアンになる機会を損失している」と直観して、配信を中断して渋谷までAndroid端末を買いに行きました。電気屋が軒並みしまっていて買えませんでしたが。
Before this announcement, Tic Tac Bow only had about 150 downloads. The studio owner is a commission member of the GEF, and it's also connected to the Olympic Committee's archery federation. Kinda just looks like an elaborate plan to sell apps and make money.
— Parks (@__Parks) March 2, 2023
Googleによる翻訳:
この発表の前は、Tic Tac Bow のダウンロード数は約 150 でした。スタジオのオーナーはGEFの委員であり、オリンピック委員会のアーチェリー連盟とも関係があります。アプリを売ってお金を稼ぐための精巧な計画のように見えます。
『Tic Tac Bow』のあまりの唐突さに開発スタジオのオーナーとIOCと癒着しているのではないかというとんでもないいいがかりをつけている外人ニキもおり、確かに開発のProject99(Refract Technologies)を調べるとシンガポールの会社で「おや??」とはなるのですが、クーベルタンが唱えたオリンピズム=オリンピックの精神とは「スポーツを通して心身を向上させ、文化・国籍などさまざまな違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献すること」であり、平和でよりよい世界の実現に貢献するために行われる催しが、癒着にまみれているとは僕は考えません。
……僕は考えませんが、外人ニキの反応(日本人はそもそも反応している人がほぼ存在しない)を見ていると「MotherFucking Tic Tac Bow」といった力強い言葉や、
So instead of League, CSGO, DOTA, Valorant, Overwatch, R6, StarCraft, or any one of the fighting games we get shit like tic tac bow, just dance, and tennis clash. 😂 https://t.co/9e6KNlZdkk
— Stryder (@TengheW) March 2, 2023
Googleによる翻訳:
つまり、League、CSGO、DOTA、Valorant、Overwatch、R6、StarCraft、または格闘ゲームのいずれかの代わりに、チックタックの弓、ただのダンス、テニスの衝突などのたわごとを取得します。
錚々たるesportsタイトルではなく『Tic Tac Bow』が選ばれたことに疑問を持つようなツイートが見つかるようです。
『Tic Tac Bow』がどんなゲームかも説明しておきましょう。『Tic Tac Bow』は簡単に言えば〇×ゲームをアーチェリーで行うゲームです。自分のラインが縦横ナナメどこかで揃ったら勝ちで、相手の取ったマスは"より内側を射抜く"ことで自分のマスに塗り替えることが可能です。ちなみに、結構おもしろいです。
![](https://assets.st-note.com/img/1677820763419-dXzhR2AJVn.png)
まだあまり遊べていないので結論づけるには早すぎるかもしれませんが、軽く遊んだ感じでは先行側のプレイヤーが極めて有利なんじゃないかと思いました。もしかしたら僕たちはオリンピックで「先行ゲー!」と言える日が来るのかもしれません。
そもそもシンプルな〇×ゲームでは後手に勝ちの目がないですからね。一番内側の的である10点を取った時に10点で取り返せるかどうかがよくわかっていないのですが、いずれにせよ先行側のプレイヤーが有利であることに変わりはないと思います。技術が極まって自由に当てられるようになったと仮定すれば、時間切れが先行の方が早く訪れるため不利、みたいな結末はあるかもしれませんが。
なお、このゲームには課金要素があります。試合でもらえるボックスを時間で開けるか課金で開けるか選べる『クラロワ』方式、もとい『Tennis Clash』方式です。
![](https://assets.st-note.com/img/1677820436606-4CaeCnILfj.png)
試合でもらえる報酬を手に入れていくと、弓の性能が強化できたりスコープのようなアタッチメントの性能を強化できます。オリンピックを目指すにはいい弓から。当然ですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1677821478665-4We4w5NUNC.png)
さすがに各々の最強課金データを使ってオリンピックということはないとは思いますが、素早く競技ルールの装備を整えるのにそれなりの課金は必要になりそうだなというのが第一感です。ちなみに公式ルールは発表されていないので、一体どんなルールでオリンピックを競うのかは今のところわかっていません。
ちなみに急に覇権ゲームになってしまった影響か、昨日の夜はサーバーダウンが頻発してまともにゲームができませんでした。しかしこれもまた、オリンピアンへの道のりの一つ、ということなのでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1677822302283-sA2XRPLOfr.png)
断言します。今最も熱い真のeスポーツは『Tic Tac Bow』です。対戦ゲーマーを名乗るならやらない選択肢はありません。『Tic Tac Bow』から逃げるのは自らオリンピックを放棄しているのと同義です。強化選手になって『Tic Tac Bow』のガチャを国費で回す、そんな夢を抱いていいのです。今『Tic Tac Bow』さえやりこむのであれば。
目指そう。オリンピック。
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