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高橋名人とプロゲーマーと規範について

この記事を読んでいたら言いたいことがたくさん出てきたので、言いたいと思います。


前提

1.僕は高橋名人をリスペクトしています。今ゲームで生きている人間達の先駆者的存在であって、道なき道を切り開いたパイオニア的存在として、尊敬しています。

2.一方で今回の高橋名人の発言について、違和感があります。具体的には、認識が数十年前からアップデートされていないように思いました。後述しています。

3.この記事には視点がいくつか抜けていると感じたので、記事の一番上にある4分程度の動画はちゃんと再生してから何かを言ったほうがいいと思いました。同日に収録された

こちらも見ておくと、高橋名人が何を言わんとするやをなんとなく感じられるので聴いた方がよりよいと思います。カット編集されてない全編アーカイブないのかなと軽く探してみましたが、僕には見つけられませんでした。見つけた人はどうかご一報ください。

記事を作った人に対して言いたいこと

恣意的すぎると思います。

高橋名人はTBSラジオの一幕で、ゲームで配信したり競技したり解説したりで表に出る人を等しくプロであると表現しており、それらの人をリスペクトしたうえで、「配信者は子供たちの見本になるような行いをしてほしい」と言っています。これはどちらかと言えば配信者に警鐘をならしていると僕は感じたのですが、これを『高橋名人、プロゲーマーに警鐘』という言い方にすれば、確かに高橋名人とプロゲーマーの新旧対比の構造になり、扇動的でアクセス数が伸びそうだなとは思います。しかし意味は歪んでいると思いました。

事件が起きた時に容疑者の部屋から必ずオタクグッズが見つかる的な、あるいはお金に困って犯行に及んだ事件の容疑者が必ず普段パチンコを打っている的な、そういうニュースのやり方を感じます。ストーリーとしてプロゲーマーを悪者にした方が世間はそのニュースを汲み取りやすいのでしょう。

3ページ目でゲーム依存症について著書を持つ臨床心理士が満を持して登場するところで、この記事の煽りたいことは透けていると感じました。つまり「ゲームは危険なものであり、プロゲーマーは粗暴でバカ。楽しくお金儲けしてる奴は許せない。」端的に言えばこういう気持ちを煽ろう、ということです。

そうした内容を扇動的に書けばYahooニュースを読んでいる子育て中のパパママ、ゲーム機のことをファミコンというおじいちゃんおばあちゃん、あるいは自分は苦しい仕事をしているのにゲームで金を儲ける奴がいるなどけしからんと考える人々、そうした人たちが釣れてアクセス数が増えそうである、そういう魂胆を感じました。

自分のやりたいことがあり、言いたいことがあり、そのことに権威をつけるため、説得力を持たせるために高橋名人の発言を曲げて引用していると僕は思いました。別に今どき珍しいことでもありませんが、あらためてひどい手法だなと思います。

これがバズったことでこのライターさんはきっと評価されるのであろうことに、暗澹とした気持ちになりました。これは世間の直感と反しているのでしょうが、もし仮に同じように嫌気が差した人がいるとするなら、そうしたアクセス数至上主義に逆行するこのnoteの続きを課金して読んでみてはいかがでしょうか。

高橋名人に対して言いたいこと

動画を見て頂ければわかると思うんですが、高橋名人はFPSゲームのことをFTPゲームと言い間違えており、訂正していません。FTPと言えば古のHTMLをアップロードするツールである『FFFTP』を僕は思い出すわけですが、それはともかく、FPSゲームのことをFTPゲームと言い間違える人を僕は人生で初めて観測しました。それなりにゲームを嗜んでいたらさすがに間違えないと思うのですが、どうなんでしょうか。F2Pと混ざったんでしょうか。

言い間違いごときにそんな突っかかるなよという意見はもっともですが、話を聞いてると、「外国産のFPSゲームは人と人との撃ち合いであり、グラフィックをどんどんリアルにしていかなきゃいけない」みたいなことを言っている。

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