見出し画像

医療データサイエンティストの価値とは

最近、大学にメディカルデータサイエンティストなるものが新設されている。

私は、コメディカルとして病院で医療現場で働きながら大学院へ進学、博士(医学)を取得後、上場企業で医療ライフサイエンス領域のデータサイエンティストとして働く1児の母だ。医療領域のデータサイエンティストとして働くことになったきっかけは、大学院での研究でデータサイエンス(統計処理)に大きな可能性を感じたからである。そのため、このような医療×データサイエンティストの学部が新設されることは非常に嬉しい。

この流れは、国として不足するIoT人材の育成の一環ではあると思うが、データーを分析する際に医療の知識があると分析が飛躍的に向上すると考えられていることに他ならないと感じる。

では、実際に医療業界のデータ分析に医療領域の知識は必要か、どんな能力が必要なのか考えてみたい。

医療領域の知識の必要かの答えはイエスだ。ただ、医療領域といってもどの領域のデータを分析するのかによる。

現場の臨床知識が必要なこともあれば、生理学や解剖学など医学の知識が必要なこともあるだろう。この、前提知識があるとないとではデータ分析をする手法や切り口が大きく変わる可能性が高い。

データ分析の分野では、機械学習、ディープラーニング、人工知能、自然言語処理、Python、コーディングなど多くのよく聞く流行りのワードがある。どうしてもこのようにワードに目がいってしまいがちであるが、医療領域のデータ分析の分野で1番重要だと私が考えるのは、

現場に意味のある結果を導き出すために必要な分析手法がどれなのか選択できる能力と、その結果はどのような説明因子からなるのか要件定義ができる能力

だと考える。この要件定義がずれていると、どれだけ高度な分析をする能力があったとしても、その結果が現場に即していなければ意味のある結果とはならない。そのような行為は残念ではあるが数字のお遊びとなる。

もちろん先程挙げたような機械学習や深層学習の知識もコーディングの能力もデータサイエンティストとして生きるのであれば大切である。

医療領域のドメイン知識×要件定義も含めたデータ分析の能力×コーディングを含む開発力×そしてビジネスの知識、あらゆる領域を勉強し続ける必要があるが、その分参入障壁も高く、これからのデータドリブンな医療の進化を担う稀有な存在になれるのではないかと私は考えている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?