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【読書/NetGalley】沈没船で眠りたい/新馬場 新

みなさんおはようございます。
またもやすごい小説を読んでしまいました…!
これだから読書はやめられない。

あらすじ

加速度的に発展するAIによって、人間の就く職が減少することを憂いた人々が機械の打ち壊し運動を起こす最中、首謀者と関わりを持つ一人の女子学生が機械を抱いて海に飛び込んだ。彼女はなぜ、機械と心中まがいの行動に至ったのか――? 絶えず変化していく世界を、その中に生きる人間を、変わらずに愛することが出来るかを問う、慟哭のシスターフッドSF!

Amazonあらすじより

所感&こんな未来が来るかもしれない

時は2044年。AIによって、人間の就く職がどんどん奪われ、反機械の運動が加速する。
音楽やカメラ、絵画など芸術分野においても、人々が自分でAIで好みのものを作ることができるようになったため、芸術家たちの廃業が加速。
機械に職を取られるとのことで、どれだけ勉強しても無駄よ、と母親に言われる始末。。。

今も、Midjourneyでの画像作成が話題になりましたよね。
20年後、そうなっていてもおかしくはないのかな、と思いました。
音楽生成AIもすでにありますしね。

それとともに、医療分野においても進歩が進み、違法ながら脳のバックアップを取ることも可能な世界に。
どんどんと人間と機械の境目がなくなっていく中、機械によって職につけるかわからない学生たちを中心に、反機械運動が激化していく。


人間とは何なのか。
機械とは何なのか。


引き込まれる小説は、冒頭からの吸引力も違いますね。
最初から最後まで、ノンストップで読んでしまいました。
娘が長くお昼寝する日で助かった。

最後の一文にぞくっとすること請け負いです。
ここまで来たのかー。

こういう世界になったら、確実に営業事務なんて仕事は無くなっているだろうし、
それが20年後だったら、わたしはまだギリ働いてる。。。。

監視カメラの性能もグッと上がって、警察などの人数も減らされていたり、
聞き込みなどをして足で稼ぐ刑事なんて、研修でしか習わないんですって。
音楽フェスのような、生音を楽しむイベントは最早好事家しか来ないイベントに。


未来の話だけど、ない世界じゃない。


これからの働き方を模索している身としては、
考えさせられる話でした。

AIにかわられない仕事。
人としての役割を求められる仕事。

とりあえず、考えることをやめないことが大事ですね。
行動しないのもダメだけど…。

今後の世界を感じさせる、とても面白い作品でした。
主人公二人のシスターフッド感もとても良かったです。
いやー本当に面白かった!!
千鶴の自信のなさが、身近に感じることができて心が苦しくなったり。

気になった方、ぜひ読んでみてください〜!!

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