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【読書】光のとこにいてね/一穂ミチ
みなさんこんにちは。
今回はこちらの本を読みました。
あらすじ
第168回直木賞候補作&2023年本屋大賞第3位
刊行以来、続々重版。大反響、感動、感涙の声、続々!
令和で最も美しい、愛と運命の物語
素晴らしい。久しぶりに、ただ純粋に物語にのめりこむ愉悦を味わった。
さんざん引きずり回された心臓が、本を閉じてなお疼き続ける──そのまばゆい痛みの尊さよ。(村山由佳)
まぶたの裏で互いの残像と抱き合っていた二人のひたむきさが、私の胸に焼き付いて離れない(年森 瑛)
――ほんの数回会った彼女が、人生の全部だった――
古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。
彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。
――二人が出会った、たった一つの運命
切なくも美しい、四半世紀の物語――
所感&表現の語彙力がすごい!
最近、ライトノベルを読む機会が多かったからか、久しぶりに文学?を読むとその表現の仕方がすごいな、と改めて思いました。
たとえばこんな表現。
パパやお兄ちゃんと話す時とも、スイミングのコーチや宅配便のおじさんと話す時とも違う、スプーンやナイフにくっついたいちごジャムみたいな声だった。べとっとへばりついて残ってしまう甘さ。
でも結珠ちゃんが口にする「ママ」は、音の区切りがはっきりして、ほかの子の「ママ」がふにゃふにゃした落花生だとしたら、結珠ちゃんのはぱつぱつのぶどうみたいで気持ちよかった。
十五歳の果遠ちゃんの中で鮮度を保ったままの七歳の果遠ちゃんが、その純粋さや愚かさが、鋭い針になって私を刺す。
なんか、言われてみれば想像することはできるけれど、自分から表現することは難しいようなもの。こういうのを思いつくのはすごいなぁ、と読みながら改めて思いました。
お話としても、本当に運命の出会いなんだろうな、と思えるような2人の話が、ついつい気になって先に先にと読んでしまう。
そんなに長い間過ごしたわけではないのに、つい忘れられないあの子。
決して明るい話ではないのですが、なんだか不思議な引力を持っているお話でした。
光のとこにいてね。
とこに、ってのがまたいいですよね。
子どもの頃の約束な感じがして。
大人になってのラストに胸がギュッとなります。
スモールワールズの時のザワザワ感が表されているような、でも一味違うような。
しかも今はKindle Unlimited対象なんですよー!これは今読むべし。まだ文庫化されてませんしね。
Kindle Unlimitedは時折こういうのあるからやめられない。
気になった方、ぜひ読んでみてください〜!
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