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いい子、やめていいよ ~お世話係りの小学生~

小学校4年生のときに、Aちゃんは転校してきました。
お話ができない子で、おトイレも一人で行けない、ご飯もみんなとは食べられない子でした。

私はAちゃんの家のすぐ近くに住んでいて、一緒に学校に行くことになりました。

職員トイレに一緒について行ったり、学年相談室で2人きりで給食を食べたり。

中学2年生まで続きました。

私はしんどくなって、担任の先生に来年はAちゃんと同じクラスにしないでと頼みました。
担任の先生は、特別支援学校にもいたことがあって、1年生も2年生も同じ先生でたぶんAちゃんのために来たのだと思います。私は担任の先生が好きでした。

3年生になると、願い通りAちゃんと別のクラスになりました。担任の先生も変わりました。

廊下で前の担任の先生に会ったとき、「先生と離れてさみしいな」って言ったら、「あなたがAちゃんと離れたいって言ったんでしょ」と言われました。

なんというか、私は悲しい気持ちになって、先生にとって自分はAちゃんのお世話係りでしかないことにやっと気づきました。

それと、私は小学校5年生の時にははっきり希死念慮があり、中学生のときは、抜毛や掻きむしりをしていました。もちろんAちゃんのことだけが原因ではないです。家族のこと、周りと馴染めなかった私の生まれ持った性質、いろんなことが原因です。

でも、私のことは誰も分かってくれなかった。みんな、先生たちは、しっかりしてるって言ってくれたけど。Aちゃんばかり大切にされて、私を搾取する世界。そんなふうに思ってました。

大学生になって、命がいよいよ危険になって精神科の閉鎖病棟に入るまで、優しくしてくれる人はいなかったのです。

病院の先生、心理士さん、看護師さん、スタッフさん。今はみんなが話を聞いてくれます。

もう聞き分けの良い、いい子でいなくていいのです。

主治医の先生に聞いたら、何か困りごとがある子を、1人の同級生に任せるというやり方をする先生が、今もいらっしゃるそうです。どうか、断れない子が心を壊す前に、そのやり方を変えて頂きたいと思います。


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